続・禍福は糾える「抜歯」の如し(涙) (nya.1552)
「初心忘るべからず」と肝に銘じました。合掌。 (2021年1月29日)
今日は、先週ご報告した「抜歯」の続報です。
こうして「続編」まで書いていることからお察しの通り、案の定「抜歯後」の経過が思わしくなく、未だ痛みと腫れにつきまとわれてブルーな日々を送っています。(嘆息)
とは言え、睡眠も食欲もありますし、痛み止めを飲み続けてお肌の調子が良くない他は、至って「健康」ですのでご安心ください。
「え?ずっと歯が痛いのに、食べられるし、眠れるの?」と思われた繊細さんなあなた、そーです、私の食欲も安眠も「1週間、痛み止めが手離せない歯痛」程度ではビクともしない「強者」なのです。合掌。
食事をすれば、どんな柔らかいものでも「抜歯後ホール」に触れて激痛が待っていると分かっていても、食事中ずっと咀嚼する度に痛みが襲っても、「やっぱ、ミートソーススパゲティには赤ワインが旨いよな」と思う私。
遅い時間に夕食を終えて急いでボルタレンを飲み下し、シクシク痛みを感じながらベッドに入り、「ああ痛い(泣)、こんなんじゃ眠れないよな」と思った瞬間に入眠している私。
「人生はサバイバル」を座右の銘にしている私としては、むしろ誇らしいくらいの「強者」ぶりです。(笑)
そして、私は思い出したのです。
こんな風に痛みを堪えながらも、衰えない自分の食欲に、呆れるような頼もしいような気持になったことが、過去にもあったことを。
そう、あれは忘れもしない2014年3月、浸潤性小葉癌で乳癌ステージ4のがん告知を受けた後、10回の放射線治療で放射線食道炎になった時、食べ物を飲み下す度に激痛が走るのに食欲が減退することはなく、食べられるものを探してコンビニの中を徘徊したのでした。パチパチパチ。
あの時は、自分の体に「骨転移無数、リンパ節転移無数」であることを知り、放射線食道炎の痛みに悩まされながらも、近未来に見舞われること確実な骨転移由来の激痛の日々を思い、震え上がっていました。
放射線治療の直前に、腰痛を庇ってクシャミをしたら肋骨の先っぽにヒビが入るという衝撃的な事件もあり(笑)、PET/CT画像ががん転移で「真っ黒」になるほどの状態であるならば、これからこの世を卒業するまで、痛みと無縁ではいられないのだと覚悟しました。
がん告知を受ける前から続いていた歯医者通いも、職場から徒歩3分でありながら、フルタイム勤務後に通院する体力も気力も奪われて、治療途中の歯の治療をキリのいい所で中断してくれるようお願いしたのもこの頃でした。
いやはや、あれから茫々7年近くの月日が過ぎ「何もかも、みな、懐かしい」です。合掌。
結果から言うと、7年前の私の「悲愴な覚悟」にもかかわらず、無数の骨転移で「空いた穴」が塞がらない状態にもかかわらず、相変わらず肩甲骨の間の背中が痛むにもかかわらず、去年の8月、9カ所もがん転移が「再燃」したにもかかわらず、骨転移由来の激痛とは無縁の生活を 今現在、7年前と変わらずのほほんと送っています。
・・・「事実は小説より奇なり」的にびっくりです。合掌。
そして数年前、「どうやら、すぐにこの世を卒業することはないらしい」と思い直して、中断していた歯の治療を再開して完了させ、この度「加齢による経年劣化」した歯を抜歯して、その痛みにもだえ苦しむという「贅沢」を甘受している訳です。
7年前、「5年後にはこの世を卒業していることだろう」と予想した乳癌ステージ4の私にとって「加齢」も「経年劣化」も「贅沢」ですし、激しく痛むのが「抜歯」の痛みのみというもの「贅沢」な話です。
もちろんもちろん、キングオブ凡人たる私ですから、抜歯の痛みを大いに愚痴り倒して大騒ぎしているのですが(笑)、一度はもっと苦しい「激痛の日々」を覚悟したのですから、もう少し泰然自若としていても罰は当たらないと思うのです。(嘆息)
「・・・人間って・・・」と自分を含めた人間の性を嘆かない訳ではありませんが、こんな風に器のちっちゃい自分も嫌いではありません。(笑)
ともあれ、思いがけない「抜歯」の痛みによって、7年前の「初心」を鮮明に思い出した次第です。
「痛いものは痛いんだもの」と駄々をこねつつ、生のトマトから自作してストックしてあるトマトソースを解凍してミートソーススパゲティを作り、歯が痛むことが分かっていてもを頬張って「美味い♪やっぱたまに食べたくなるよね」と満足している「今が奇跡」です。(笑)
こんな風に馬鹿馬鹿しくも愛おしい「普通の暮らし」、それを切望しながらも「奇跡でも起きなければ手に入らない」と言い聞かせていた7年前の自分に「奇跡あったよ」と伝える方法があればなぁ、と思う「抜歯後の日々」です。
(おしまい)
・・・いやー大変ですね
まだ 痛みが続いてましたか
しかしながら、いつもの文脈と筆致で 笑わせてもらえます
その 眠れると 食欲と 性格と 環境と 治療の仕方と。
同じ症状の人の 絶望から希望につながりますね。
はい、いつもながらスパルタの私の守護天使さまたちが、贅沢に慣れてたるんでいる私の頭を「初心忘るべからず」と、一発殴ってくださったとしか思えない、この度の「抜歯騒動」です。(笑)
合掌。