「フェソロデックスは痒いが良く効く薬です」騒動記(nya.1615)
贅沢な愚痴だという自覚はあります。(笑) (2021年4月2日)
さてさて、先週のブログで3月に受診したPET画像診断の結果、がんの転移が「9→3」になっていましたという「残り3は置いといて、私的に朗報」をお伝えしました。
そのような好結果をもたらした主な要因は、新しく試すことになったホルモン療法の薬「フェソロデックス」と私のがん転移の「体質」のマッチングが優れていたからです。
がんの治療で「万人受け」が難しいことは承知しておりますが、こうして「私的には良く効いている」のも事実で、その体験談をご報告して、たまにはこのブログが「がんブログ」であったのだと胸を張れるようにしたいと思った次第です。(笑)
2014年3月に乳がんステージ4のがん告知を受けた後、(狐につままれた感100%)骨転移無数、リンパ節転移無数から骨転移3つにがん転移を抑制できたのは、強制閉経状態をキープするためのリュープリンとタモキシフェン(毎朝1錠ポッキリが嬉しい)が「神さまの領域の博打」で大当たりを引いてくれたお陰です。
その後もこのビューティーペア(昭和だなぁ)が見事にがん転移とのデスマッチのリングで連勝し続けてくれたお陰で、2019年4月、長らく穏やかに共生してくれていた3つのがん転移に「高集積が見られる」とのPET画像診断の所見を受けて、2度目の放射線治療を受けるまで「ゴールデン現状維持タイム」を満喫出来ました。
同年8月のPET画像診断ではなんと「がん転移がゼロ!!」という快挙を達成したものの、思えばこの頃からタモキシフェンの薬効が低下していたのでしょう、翌年の2020年8月のPET画像診断で、衝撃の「がん転移9カ所再燃」という所見を頂戴しました。(嘆息)
すぐさま、今も継続中のフェソロデックス筋注に切り替えると「え?早くないですか?」というタイミングで腫瘍マーカーが下がり始め、2021年3月のPET画像診断で、がん転移が「9→3」になっていたという好結果をGET、二度目の「神さまの領域の博打」でもどうやら当たりを引いた模様です。
フェソロデックス(=フルベストラント)とは、
〈特徴〉
フェソロデックスは抗エストロゲンステロイド性という種類のホルモン療法薬です。閉経後の再発乳がんまたは、進行乳がんの治療藥として、すでに1種類以上の他のホルモン療法を実施している乳がんを適応としています。フェソロデックスはエストロゲン受容体に対するエストロゲンの結合を阻害するだけでなく、腫瘍内のエストロゲン受容体を減少させることができます。
おもな副作用として、注射部位疼痛、注射部位硬結、ほてり、注射部位そう痒感などが比較的多くみられます。
〈用法及び容量〉
通常、成人には本剤2筒(フルベストラントとして500mg含有)を、初回、2週後、4週後、その後4週ごとに1回、左右の臀部に1筒ずつ筋肉内投与する。
https://oncolo.jp/drug/faslodex
今回お話しするフルベストラントは、タモキシフェンと同じようにエストロゲン受容体に結合するタイプの、新しいお薬で、SERDとも呼ばれます。今までのタモキシフェンと違い、エストロゲン受容体の働きを邪魔するだけではなく、受容体そのものを分解してしまうため、より高い効果が期待されるお薬です。
タモキシフェンは閉経前、閉経後両方の女性に用いられますが、フルベストラントは、ホルモン受容体陽性の閉経後の女性で、しかも再発した後に用いられるお薬です。
アロマターゼ阻害薬のあと、次にどのホルモン剤を使うと最も効果が高いか、この点は明らかではありません。しかし、アロマターゼ阻害薬に耐性となっても、エストロゲン受容体は働いています。従って、エストロゲン受容体そのものの働きを阻害し、受容体を分解する作用のあるフルベストラントは、アロマターゼ阻害薬に耐性となったがんでも、効果を発揮するものと期待されます。さらに、受容体を減少させる作用を持っていますから、効果もより長く続くことが予想されます。
海外における臨床試験の結果によると、362人中、165人、46%で癌が縮小するか、あるいは24週間以上、癌の増殖を止めることができました。このように、フェソロデックスを使った患者さんの、約半数に効果が認められています。さらに、効果が認められた患者さんでは、癌の増殖を止められた期間の中央値は、16.6ヶ月でした。これは、フェソロデックスの効果があった患者さんのうち、半数以上で1年を超える治療効果が得られたことを示しています。
このようにフルベストラントは、他のホルモン剤に対して耐性となった患者さんにも、長期間効果が期待されるお薬です。
http://medical.radionikkei.jp/suzuken/final/120112html/index2.html
ううむ、久々に「がんブログ」にふさわしい内容で誇らしいですね。(笑)
要するに私の場合、タモキシフェンを飲み続けて「耐性」が付いて薬効が低下したので、「すでに1種類以上の他のホルモン療法を実施している乳がん」「ホルモン受容体陽性の閉経後の女性(※46才から強制閉経しているので閉経後と見做すそうです)」に該当するのでフェソロデックス(=閉経後の再発乳がんまたは、進行乳がんの治療藥)を試してみましょう、53才にもなったのに「自然閉経」はしていないから(号泣)リュープリンは継続で、という流れです。
2014年3月にホルモン療法を始めるにあたって、数年後には必ず薬効が落ちる時が来ると言われて始めた治療ですし、今回の「がん転移再燃」を聴いた時も「来るべき時が来た」という心境で、新しい薬フェソロデックスに希望を託しました。
私の変人主治医は、「やっぱ、これが良いかなぁ、他の人でも良く効いているし、うん、どう?」と至ってカジュアルにフェソロデックスをおすすめされました。(笑)
私も「はぁ、まぁ、先生がそう言われるならソレで」と答え、その日の診察後に、サクサクと両方のお尻に筋肉注射をして貰って帰りました。
がん転移が再燃したことは嬉しいことではありませんが、このような次善の策があり、選択可能な時代、国に生まれた私は本当に幸せ者です。
さてさて、ここまでが経緯、ここからが「騒動記」です。
フェソロデックスをお尻に筋注する注意点として、「坐骨神経等の重要な神経に近接する臀部背側にやむを得ず投与する場合は、神経の損傷に注意すること。」ということがあり、「最適な場所」が厳密に決められているため、初回は看護師さんが二人がかりでお尻を触りまくり「討論」しながら場所を選定されました。(笑)
※うつぶせになった私の豊満な肉付きの臀部に手こずったことも一因です。(嘆息)
また注射する薬剤はサラサラした液体ではなく、トロッとしたもののようで、「注射は、1-2分かけて緩徐に行うことが望ましい。」とされているため、筋注の痛みが長いのも切ないです。
注射の頻度は「初回、2週後、4週後、その後4週ごとに1回」ですから、最初は2週間おきに3回筋注、、、はぁ、切ないです。
※この筋注の痛み、2回目以降は「入念なストレッチ(=病院へ行く日の朝、自宅で腰回りの筋肉をほぐしてから筋注に臨む)」によって驚くほど軽減されました。筋注を受ける際はストレッチをお試しください。
注射後は薬剤が入った箇所(直径5cmくらい)が固くなり、寝返りを打つと「打ち身」のような痛みが2、3日続きます。
気になると言えば気になりますが、「そんなもの」で私の安眠は奪われることはありませんので、まぁ、気になりません。
8月末からスタートし、2週間隔で9月に2回、その後は4週に1回ペースになり順調に回を重ね、驚くことに10月の血液検査で、早くも腫瘍マーカーの数値が下がり始めましたので、副作用という程のこともなく、好結果が得られる私は、幸運に恵まれているなぁと思いました。
でも、、、そんなに順調なら「騒動記」とは言いませんよね、、、異変はこの頃から現れてきました。
最初は筋注後、始めはその場所が固くなる程度であったものが、徐々に「地腫れ」のように熱を持ち痒くなってきたのです。
10月のフェソロデックス筋注で4回目だったのですが、この時には痒みを医者に伝え「痒み止めの軟膏」を出してもらいました。
しかし症状は更に進み、痒みが引くのに1週間、熱を持った地腫れは2週間くらい続くようになりました。
とはいえ、「鉄板の熟睡体質」の私からすると「ちっ、鬱陶しいな」「でも副作用らしい副作用がこれくらいで済めば御の字かな」と思っていました。
4回目から4週後の5回目には、それまでは注射後に固くなっていた「注射跡」が次回までには吸収されて消えてしまっていたものが、小さくなってはいるもののしこりのように残ったままとなり、しかし筋注できる場所は限られているため、そのすぐ隣に5回目のフェソロデックスは注入されました。
そして5回目のフェソロデックス筋注では、痒みもさらに酷くなり、熱を持った地腫れの範囲は拡大し、4週後の6回目まで治まりませんでした。
改めてフェソロデックス筋注の副作用をググってみると「おもな副作用として、注射部位疼痛、注射部位硬結、ほてり、注射部位そう痒感などが比較的多くみられます。」とあり、さらには「注射部位に壊死、潰瘍があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。」とあります。
さすがに「ちょ、これ、ヤバいんじゃ?」と思い、乳がんステージ4の私の乳房への触診も年に1度、フェソロデックス筋注で痒みを訴えても「診ようとしない」変人主治医に、危機感を持たせるべく診察日の事前に「電話で症状を状況説明」をして、「壊死、潰瘍」に至っていないかを確認するよう「申し入れ」しました。
、、、ま、変人主治医とも長い付き合いとなりましたから、「これくらいしないと」動かないことは学習済みです。(笑)
、、、で、結論から申し上げますと、変人主治医は一応触診し「壊死、潰瘍には至っていないし、腫瘍マーカーの数値は下がっているしでフェソロデックスを変えたくないから続けましょう」と言って終わり(嘆息)、私が「電凸」までして切羽詰まっていることを聞きつけた看護師さんが「じゃぁ、筋注の場所は変えられないから、注射針を長いのに変えてもう少し深くに筋注しましょう」と親切な提案をしてくださり、6回目のフェソロデックス筋注をその通りにすると【ああら不思議♪】、痒みがほぼ消えたのでした。パチパチパチ。
どうも私の豊富な皮下脂肪であっても、表皮近いと神経が刺激されそれが痒みになっていたようで、神経の感知しにくくなる深さに注入すれば、解決するものだったようです。
猛烈な痒みも熱を持った地腫れも、1日ほどで気にならないくらいに落ちつきました。
がん治療の「副作用」と言えば、もっと重篤な症状に耐えておられる方が多くいらっしゃる中、この程度の副作用など「チャンチャラ可笑しい」部類であることは承知していますが、53才にもなって「尻に掻き毟り跡」があってはちと肩身が狭いので(笑)、それが解消されたことに安堵した次第であります。合掌。
(おしまい)
先生からは、もしかしたらくる可能性もないこともないけどあったとしても「ちょろっと」だと思うって言われました~
ちょろっとって(笑)
昨日の日記は、久々の、、、らしいブログで、治療中の方の
参考になりますねと思って拝見しました。
日頃がに優しいから。
、、、ところで、私はギックリ腰になり、痛い!!痛い!!痛い!!
同じ姿勢をしないようにソロソロ動きが又、困難!!
歩ける、立ち上がる、横になる 何気ない事ができるのが、幸せ!!と、
久々に思い知らされた春です(泣き笑)
ぎっくり腰、お見舞い申し上げます。
私はなったことがないので「これがいい」という程のアイディアがないのですが、YouTube先生にいろんな「効果的なストレッチ」が紹介されているのを見たことがあります。
再生回数とかを指標にして、出来そうなものをやってみるのはどうでしょう?
お大事になさってください。
ありがとうございます 参考にします
主婦業の間に 4回目の経験者(笑) 今回はちょっと重い物を持って床に
置いた途端!! 年齢ごとに違う感じです
今は腹帯60センチに巻いて背骨の固定して 真っ直ぐ座りと
ゆっくり歩き!一週間は外歩きはできないでしょう(涙)
痛さは半端ないから、ふるゆらさんは経験ないのは幸せです
動作は慎重に!が自戒です。
私はもともと体の固い人間で、「ストレッチが大嫌い」な分、ストレッチを続けるために「体が硬い人向けのゆるいストレッチ」を求めて彷徨いました。(笑)
その時「ぎっくり腰」対策のストレッチにも多く出会ったのです。
なるほどこれは「革命」が起きたのだと思いました。
ネット環境がない時には、名医を求めて必死にならなければならなかった「ぎっくり腰」も、腕に自信がある整体師の方々がYouTubeで対策を無料で紹介しています。
もちろん玉石混交ですが、その点は昔の「口コミ」も同じなので功罪で言えば功が勝つと思うのです。
そうですね
私もストレッチ苦手で、良い加減ですから、いけません。
ほんとに革命を享受しています
youtubeの動画、さまざまジャンル、ついつい見てますが
携帯の出現世の中変えました。玉石混交ですが、
広く学べます。
色々と勉強になりました!
ありがとうございます。
副作用解消されて良かったですね。
リュープリン注射とは全然違うんですね~
お腹の注射はあまり痛くなかったけど、フェソロさんは強敵だなぁ。
私はリュープリン3年で最後の注射から約1年になりますがこのまま閉経でしょうね
きてもらっても困る(笑)
う、羨ましいです、トモローさん
「ネバーエンディング・ホットフラッシュ」の私が、待ち続けているものが「ソレ」です。
私も早く楽になりたいです。(涙)