「正式に」癌告知を受ける② (nya.10)
“扉の向こうには次の扉が トホホ”②(2014年2月27日)
「癌告知」の際に、診察室で、医者が説明した検査結果、針生検 (はりせいけん)で採取した細胞の分析は、『病理組織検査報告書』というタイトルの用紙に、次のように書かれていました。
乳腺CNB②豊富な膠原繊維性間質とともに、小型均質な異型上皮が細い索状胞巣を形成し浸潤しています。
細胞相互の結合性がやや緩く、浸潤性小葉癌に相当します。(一連の病変あるいは同側同時多発腫瘍と考えます。
わずかに、萎縮乳管内に腫瘍細胞が進展を示しています。
小葉内腫瘍成分は目立ちません。
波及度は少なくともfです。
石灰化なし、核異型軽度、ER陽性100%、PR陽性100%、HER2陰性、Ki-67陽性率6.0%
看護師さんは、これを「別室で」補足説明してくれた訳ですが・・・、はっきり言って、私の予習は足りませんでした。補足説明を受けても、さっぱり理解できません。完敗です。
この日、病院を出た時点で、私が理解出来ていたのは、
①大学病院で4月頃、左乳房全摘出の手術を受け、同時に乳房再建手術を受けることと
②その前にPET画像診断を受けて、転移を調べること
⓷浸潤性小葉癌の「浸潤性」とは、転移がある可能性があること
の3点だけでした。
予習の成果があったのは唯一、乳房再建について明確に「する」と決めていたことだけでした。ネットには、乳房再建することのメリットもデメリットも書かれていました。
でも、私が乳房再建「する」と決めたのは、ネットで得た知識ではなく、何より、「乳房が片方しかない自分というが想像できない」からです。
そのうえ、テレビでは毎日のように、性別男の「オネェ」様の胸に、立派に美しいバストが出来上がっているのを目にします。
性別男の胸に乳房が付くのなら、性別女の私に乳房が付かないはずはない、と思うのです(笑)。
病院の駐車場まで来て、「これからどうするかな」と考えました。
深遠な意味ではなく、この日も家族には「会社へ出勤」を装って病院に来ています。午後2時は回っていましたが、この時間に家に帰るわけにはいきません。
さらに、前もって癌のことを伝えておいた友人は、気を揉みながら検査結果を待っていますし、転移の有無はどうあれ「乳癌」であることが決定し、手術の予定まであるのですから、その他の友人や同僚にも伝えなくてはなりません。
「う~~ん、お腹すいた」と思った時、私は自分の健康すぎる食欲に感心しました。
「ファミレスにでも行って何か食べて、それからみんなにメールするか」と決めて、病院を後にしました。
見かけた道路沿いのファミレスに入り、メニューを眺め、今の自分の精神状態とお腹のすき具合を確認して、【焼肉定食】を頼みました。
ちょっと、非現実感があるものの、内臓の消化活動が止まるほどの衝撃は受けていないようです。
「これがテレビドラマとかなら、ミルクティーを注文して、手が震えて飲めない場面?」と思いましたが、私の身体が欲しているのは、【焼肉定食】です。
逆境に陥れば陥るほど、精を付けたくなる体質の私でした。
焼肉定食を食べながら、(職場の同僚と上司には、毎日会っているのですから、直接口頭で伝えることにして)とりあえず友人に「残念メール」を送りました。
一仕事終えた気分で、ぼんやりしていると「医者問題」が解決していることに気付きました。
針生検の際に「部分か全摘か」とやらかした「信頼感ゼロ」のあの担当医(参照乳癌の検査 針生検(細胞診)であやしい細胞を調べる(nya.4)乳癌の検査 癌告知について思うこと(nya.5))から、何としても逃れたいと思っていたのですが、「乳房全摘+乳房再建手術」を大学病院で受けることで、楽々「さようなら」できるではありませんか!!
今日、唯一嬉しいお知らせです。
でも、「せっかく猫を飼うと決めたのに、飼える日が伸びてしまった」ことにも気付きました。
今日の結果を持って家に帰り、親に乳癌のことを伝えて、『猫を飼う宣言』しようと思っていたのです。
「猫を飼うのが、2週間先になってしまったのがつくづく残念。早く猫飼いてー」と思いながら、ファミレスで時間を潰して、適当な時間に帰宅しました。
帰宅後、おもむろにPCの前に座り、検査結果の勉強をすることを放棄。
「子猫の里親募集」サイトの子猫を見て、「どの子にしようかな」と萌えているうちに、心が癒されるのでした(笑)
次は
です。