「テレビでネットスーパー」をゲットした夏 (nya.314)
さてさて、今日のブログは、本来先週にアップする予定で用意していたものです。
ところが、「骨折事件」が勃発し(参照:こけて骨折→手術、でも骨転移とは無関係(笑) (nya.307))、緊急速報をアナウンスしたため、今日やっと「日の目」を見たしだいです。
「骨折事件」後のアレコレ「幸運」だったことの一つに、2階の自室からスムースに1階の「新・自室」にPC環境を移せたことを挙げましたが、それは、これからお話する「前段階」があってこその「幸運」でした。
ではでは、始まり始まりです。
気が付けば「貧乏」、2017年は「散財」の1年として記憶に残るであろう・・・。(2017年9月1日)
自分が【乳癌ステージ4】だと知った時、当然ながら、自分はもう長くは生きられないんだと思いました。
「長く生きられない」ということが衝撃ではありましたが、それがどういうことを指すのか、具体的にはよく分かりませんでした。
アラフィフの私ですから、同年代の友人や知人の何人かが亡くなっています。
小学校の同級生、高校の同級生、同期入社の同僚。
【乳癌ステージ4】だと知ったのは46才の時でしたが、彼らは、その時の私より遥かに若くして亡くなっています。
早逝した彼らと比べて長い時間をかけて生きてきた今の自分が、取り立てて「何も成し遂げていない」ことに愕然としました。
建設的な人生を送っていない者にとって、「長く生きられない」ということは、あまり大きな喪失ではないような気がしました。
私に配偶者がいて、慈しみ育てられることを必要とする子供がいたなら、大切な時間を奪われることに対して憤る気持ちを持ったことでしょうが、それらを持たない私にとって「喪失感」という感覚は遠いものでした。
では、さばさばと「この世にお別れ」ときっぱり思えたのかというと、私の場合、「あと数回しか四季の移ろいを愛でられない」ということが実に残念に思えたのです。
私にとってはそれが、最も「喪失感」「未練」に近い感情でした。
そんな私ですので、「長く生きられない」という衝撃を受け止めた後は、「今まで通りの普通で平凡な生活を体調が許す限り、やれるところまでやる」と決め、「でも、これまでよりずっと丁寧に、日常を楽しもう」と思った時には、ストンと心が定まりました。
「 知らざるを知らずと為す是知るなり 」《「論語」為政から: 知らない事は、知らないと自覚すること、これが本当の知るということである》というと、あまりに賢しらに過ぎますが、【例え100年の命を許されようと、私という未熟な人間が完成されるものではない】という深い自覚がありましたので、生きることを赦された時間の長短にこだわることができなかったのです。
それでも自分が【乳癌ステージ4】だと知った当初は、これまで当たり前だと考えていたアレコレが、【乳癌ステージ4】の私にとっては当然ではなくなっているという事実に随分戸惑いました。
現実を生きる中でそのように感じる度に、一つずつ「価値観の置き換え」をし、「長く生きられない」立場の者として「感じなおして」いく作業が続きました。
最初に経験したのは、お財布を買った時です。
それまで使っていたお財布が古くなり、前年の秋頃から新しいものを買いたいと思っていたのですが、「どうせなら【春財布】にしよう」と、タイミングを図っていました。
秋は【空き】に通じ、春は【張る】に通じていて、【春財布】の方が金運アップとされているのです。(笑)
待ちに待った「春」になり【春財布】を買った時、秋には知らなかったけれど、自分が【乳癌ステージ4】だと知っていました。
その時「ああ」と思ったのは、「これが私の買う最後のお財布なんだ」ということです。
浪費家なくせに貧乏性な私は、一つの財布を5年は使い倒します。(笑)
今新しく買ったお財布を買い替える時が来るとは思えませんでした。
買い物を終え、車に乗って帰宅しようとすると、車もまた「最後の買い物」であったことに気付きました。
自分が【乳癌ステージ4】だと知った時、将来を考える仮の基準として「5年後、この世を卒業」と決めていたのです。
そうして自分の周囲を見回してみると、サイクルの長いものは、そのつもりもないのに「最後」になってしまうのです。
初めて「長く生きられない」ということの意味の一部分が腑に落ちました。
「ああ、そーゆーことなんだ」(嘆息)
あと5年と思えば、いろんなことが「これが最後」でした。
寂しいような、逆にサバサバしたような気持でした。
そう思うと「身辺整理」も進みました。
「いつか、必要になるかもしれない」と思う未練を持たなくていいのです。
また、意外な感想も持ちました。
「政治家は、やはり40代くらいの若い人になってもらわなければ駄目だ」と思いました。
自分が【乳癌ステージ4】と知る前は、当然のように「あと30年は生きるだろう」と思って、社会情勢を見ていましたので、「2030年にはこのような事態になる」というような情報をリアルに感じていたのですが、「あと5年」と思うと、同じような未来予想を聞いても「その時、私はこの世にいないし」と、少し他人事として受け止めている自分にびっくりしました。
末期癌患者の私が「そう」感じるならば、70才や80才で政治をやっている人たちもまた、10年後の日本や世界についてリアルに感じられていないのではないかと思ったのです。(嘆息)
閑話休題。
ともかく、【乳癌ステージ4】だと知った私は、後期高齢者の両親、くも膜下出血で障碍者である兄、という家族の状況も加わって、どんどん「身辺整理」を進め、どんどん「身の回りの物を減らしていく」のだと思いましたし、実際そのように物事を進めました。
そして3年半が経過した今、末期癌でありながら「普通で平凡な日常」を送ることを赦された私は、当初の決心から大きく進路を逸れ、どんどん「ものを増やす」方向に向かっています。
本当に、ほんとーに、「この世はままならない」ものだと思います。(嘆息)
どーしてこんな事態に陥り、どーして散財し、どーして貧乏になったかというと、「諸行無常」だからです。
『ゆく河の流れは絶ずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人と栖と、またかくのごとし。』(河の流れは絶えることなくどこまでも流れていき、しかもそれは元と同じ水ではない。よどみに浮かぶ泡は一方では消え一方ではでき、長い間留まっているということがない。世の中の人とその住居とも、同じようなものだ。)『方丈記』の冒頭部分
中学、高校で読んだ時「へえええ」と思いましたが、この3年半で心に沁みました。(嘆息)
本当に、この世では何一つ「同じ所に定まる」ことは出来ないのです。
「ちっとも進歩のない自分」であっても、時の流れが容赦なく「変化を促す」のです。
私は末期癌で体力がどんどん衰えていくという予想に反し、【乳癌ステージ4】だと知った時点から思えば微妙に体調が上向いていますし、両親と兄は確実に「衰えて」います。
そうした変化に合わせて、新しく「必要なもの」が生まれるのです。
今年の私は電化製品を買い続けています。(涙)
2月、ノートパソコンに繋げるモニターを買いました。
我ながら思いがけず、ブログを書き始めてしまったので、ノートPCの小さい画面で作業するのが苦痛になり、大きな画面のモニターを接続することにしました。(嘆息)
3月、餅つき機を買いました。
それまで我が家で使っていた餅つき機は20年物の大型かつ重量級なもので、握力が衰えた母親が持ち運べなくなったため、最新の小型軽量化したものが必要になったのです。(我が家では、春、秋のお彼岸、お盆、お正月、の年中行事に加え、父親が雑煮好きで年中餅を食べます)
4月、精米機を買いました。
それまで使っていたものが壊れたため買ったのですが、どーせならと奮発して玄米の保冷機能と精米機能が一体化したものにしました。(これまた、重い物の持ち運びが厳しくなった母親の負担軽減のためです)
6月、水素水生成器 水素風呂 マルーンを買いました。
これは純粋に「自分の楽しみ」のための衝動買いです。(藤原紀香の引き出物になったアレです。約40%OFFになっていても高い買い物なのに、こらえきれませんでした。号泣)
そして8月、4Kの43型テレビ、Wi-Fi中継機x2、スティックPC、無線キーボード+マウス、録画用の外付けハードディスクを買いました。
母親が「イオンネットスーパー」で買い物をするためです。
はああぁああぁああぁああぁああぁ~(嘆息)ひつじ年の女に生まれた自分が憎い、です。
どーしてこんなに「散財」が上手なのか。(涙)
毎年旅行していると、年々歳々、母親の歩くスピードは遅くなり、体力が衰えていることを実感します。
これまで彼女は「元気な」老人でしたが、今は「普通の」老人のように振舞うようになりました。
料理上手な母親ですので、台所は彼女の「聖域」であり、自分で車を運転し2km先のスーパーに食材を買いに行き、知り合いと立ち話をするのを楽しみにしていましたが、今年に入って、重い食材を運ぶことが手に余るようになりました。
先日、買い物を済ませた母親が、車に買い物を積み込もうとした際、僅かに傾斜しているスーパーの駐車場だったため、カートが重力の導きのまま走り出してしまい、気が付けば10mも先に・・・、「あわわ、あわわ」と言っていると、見ず知らずの男性がキャッチして事なきを得る、という痛ましい出来事がありました。(笑)
重い物を一度に買おうとせず、分散してはどうかと、再々提案していましたが、田舎者は身近に商店がないため、どうしても備蓄分を買わずにいられないのです。(嘆息)
ここが「攻め時」と判断した私は、「それなら生協に加入して、重いものは届けてもらうようにしたら?」と提案すると「生協は注文してすぐ届かないのがいや」と言います。(嘆息)
生協ならパンフレットがあるのでゆっくり見て決められ、「設備投資」が必要ないのでおススメしたものの却下され、「・・・では、イオンネットスーパーを我が家に導入しましょう」ということになりました。(嘆息)
テレビをPC機能内蔵のものにすれば、テレビで「イオンネットスーパー」ができるだろうと思い、ちょうど8月のバーゲンシーズン、電化製品も廃番品の「掘り出し物」が出る時期でもあり、インターネットで「ポチッと」購入し、実現に向け始動。
無駄に広い築120年の古民家の我が家、無線ランでWi-Fiを台所のテレビに飛ばすのも「土壁」が障害となって、中継機だけでも2台必要でした。
延長コードに中継機をセットし、「電波を求めて」家の中を彷徨いました。(笑)
風太のキャットタワーを組み立てた時も、「この手の作業は真夏にするものではない」と深く心に誓ったにもかかわらず、また真夏に大型テレビを設置するという苦行を選んでしまう、自分という人間の浅はかさに絶望を覚えます。
散財の「罪滅ぼし」に『設置費1万円』をケチって、自分でテレビをセッティングし、大汗を流しました。(涙)
そして、やってみると・・・・・、テレビでPCということは、テレビのリモコンと音声認識でカーソルを動かすことになることを発見し・・・・・、この操作を76才の母親に教え込むことは「不可能」だと断念しました。(涙)
でも、ここで諦めると、「重い食材の買い物当番」は永遠に私です。(涙)
何が何でも!!「テレビでイオンネットスーパー」を諦めることは許されません。
職場でPCに詳しい人に相談し、スティックPCをテレビに装着し、無線のキーボードとマウスで普通のPCとして使うことにしました。
そーです、神に祝福あれ!!
実は我が家は電脳一家!!兄と私はもちろん、両親もそれぞれ「自分の」PCとホームページを持っているのです。
田舎の「ふれあいセンター」に集うひまで元気な年寄りたちを対象に「シルバーパソコン教室」なるものがあり、その中で「ホームページを作ってみよう♡」と作ってみたらしいのです。(パチパチパチ)
ああ、人生に無駄なことは何もないって本当ですね。
仕事で端末入力をしていた母親は、キーボードに触れていたこともあり、田舎の年寄りの中ではPCのエクセルで同窓会名簿が作れるという才能を開花させ、「シルバーパソコン教室」の優等生として尊敬されているのです。(パチパチパチ)
ブームが去り、母親のPCは、もう10年ほど見向きもされず放置されていますが、「初心者」よりずっとましです。
そうして紆余曲折を経て、無事、「テレビでイオンネットスーパー」が実現されたのです。合掌。
ちょうど兄がお盆で帰省している時に導入したので、兄は4Kテレビでユーチューブが見られることに大喜び。(笑)
母親は、インターネットで注文すると翌日バナナが届くことに大喜び。(笑)
私は、「重い食材の買い物当番」から逃れられて大喜びです。(笑)
私の財政が「緊急緊縮財政」に突入したこと以外、本当にいいこと尽くし、苦労した甲斐がありました。
本当に、煩悩を抱える人間が「身仕舞い」するって難しいものだと実感した夏でした。(涙)
追伸1、テレビは必要もないのに4Kを買いました。だって、もうすぐワールドカップラグビーと東京オリンピックがあるのです。(鼻息)
これくらいの「贅沢」は許されると思っているところが、散財する理由ですね。(号泣)
追伸2、そして右足首を骨折した私・・・・・。
準備万端過ぎて笑ってしまいます。
追伸3、このブログがアップされている頃は、私は病室で、「はぁ、飽き飽き」とぼやきながら、明日の退院を待つばかり、・・・・・・・のはずです。(汗)
次は
です。
ふるゆらさん
退院おめでとうございます!
静養とリハビリ頑張った下さいね。
お母さんエクセル出来るなんて凄い!尊敬です。ネットスーパーに慣れたらきっと便利になりますね。
ののはなさん、ありがとうございます。
ご心配をおかけしましたが、もうすっかり落ち着きました。
「すみればあば」にネットスーパーの買い物のやり方を説明しながら、私が「ポチッと」すること数度。
どうやら「すみればあば」の中で「このやり方(私にさせる)のがベスト」という結論に至った気配がします。(笑)
私が一番安いスティックPCを買ったっために、立ち上がりがスムースではないこともあり(涙)、仕方がないかと思います。(嘆息)
ただ、「重いペットボトルや魚の切り身まで、玄関先に届けてくれる」ことは本当に便利なことなんだ、と納得してくれたようなので、良しとします。(笑)
ふるゆらさん
無事退院されたようですね。良かったです。
しばらくは不自由でしょうが、他の病気と違って骨折そのものはいずれ治るのでしっかり治しきってくださいね。
長年、胆石症(20歳代胆のう摘出)で胆道に石がたまり数回内視鏡手術していますが、未だに石を溶かす薬を飲み続けています。それでも命に関わる深刻な気持ちにはなったことはなく、癌になるとしたら胆道癌だとばかり思っていたほどですが、乳がんになってびっくりでした。その途端に深刻に命の重みを感じています。
心が折れる時は頑張っている人の温かみが身にしみています。
ご無理なさらず、ゆっくり養生してください。
ココアさん、ありがとうございます。
先ほど念願の「我が家で入浴」を済まし、『あああああ、シャバに戻って来たなぁ』としみじみしました。
1カップのお塩にお酒をヒタヒタにして、全身を洗うと「何だか知らないいろんなもの」が流れていって気持ちいいです。
【乳癌ステージ4】と知り、「命に限りがある」と知り、心底「生きていることが楽しい」私は幸せです。
「いろんなこと」がありますが、『 山あれば山を観る 雨の日は雨を聴く 春夏秋冬 あしたもよろし ゆふべもよろし』(種田山頭火句集 草木塔 『山行水行』)、「いろんなことがあるから」楽しいです。
本日の名言
<煩悩を抱える人間が「身仕舞い」するって難しいものだ>
深く深く深~~~く共感です(嘆息&号泣)
金太郎さん、ご心配をお掛けしました。
先ほど、無事退院し、我が家に到着です。(万歳)
「まったく」バリアフリーではない我が家です。(涙)
今度こそ「きっちり松葉杖生活」です。(嘆息)
はい、その通り「お調子者の私」です。(嘆息)
二次災害に気を付けて、用心して暮らします。(笑)
おかえりなさ~い
しばらくは術後の方がかえって動きの制限があるようですね。
かつて肉離れで歩けなかった時、大事には至らなかったもの松葉杖でこけたことがあります。
われながら不可解で憮然としました。
で、その後はキャスター付きの椅子で家庭内移動をしていましたが、子どもたちに楽しんでるねと見破られるほど快適でした。
障害物が多いとお勧めできませんが。
くれぐれも2次災害にご用心。
自覚があるようですから大丈夫だと信じておりますがお大事に。
金太郎さん、ありがとうございます。
主治医から「こける時は変にかばわず、思いっきりこけるといい、その方が無傷な者が多い」と暖かい助言をいただいております。(笑)
『キャスター付きの椅子で家庭内移動』いいですねぇ、やりたいなぁ、楽しそうだなぁ、私の「新自室」内に限って出来そうなので、「インターネット様にお願い♡」です。
「ポチッと」しようと思います。(笑)
有用なご助言、かたじけない、合掌。(笑)
もう、こうなったら「泣き面に蜂」「破れかぶれ」「自暴自棄」「貧乏上等!!」です。(笑)
楽しい「リハビリライフ」実現のための必要な投資だと割り切り、上限5万円を許すことにしました。(嘆息)
・・・で、「ポチッと」しまくっています。
ネットショッピングできる時代に「骨折して良かった♡」と、「ポチッと」を楽しんでいます。
入院前に『初めてのギプス生活・お助けセット。ギブスサンダル&めちゃのび靴下&防水シャワーカバーのセット。かいかい棒と簡易シューカバーのおまけ付 4,800円』を見つけた時は「キャッホウ♡」とガッツポーズをしてしまいました。(笑)
ふるゆらさん、体調はいかがですか? 明日、退院ですね、お疲れ様でした。早く、風太くんに会いたいでしょう。ふるゆらさんの入院期間も、すてきな写真とブログが毎日UPされてて「すごい!!!」感動でした。よく、短期間でここまで用意できましたね。楽しませていただきました。家での療養中は、無理せず、のんびりしてくださいね。早く良くなりますように。
絵里さん、ご心配をお掛けしました。
先ほど、無事退院し、我が家に到着です。(万歳)
「まったく」バリアフリーではない我が家です。(涙)
今度こそ「きっちり松葉杖生活」です。(嘆息)
はい、その通り「お調子者の私」です。(嘆息)
二次災害に気を付けて、用心して暮らします。(笑)
おかえりなさい。疲れたでしょう。感動の再会で、風太くんも大喜びですね。ゆっくり体を休めてください。
はぁい、ありがとうございます。
絵里さんの体調はいかがですか?
「お互いに」用心しながらの日々ですね。
がんば!!