そして今年も、会社の健康診断は「異常なし」の怪　（2014年4月）

私が乳癌だと告げた時、私の親しい人達は、みな、「乳癌という病名」に驚きました。

そりゃそうです。誰でも『ドキッ』としますよね。

でもその後、口を揃えて言いました。

「今まで、何で分からなかったわけ？？？」

一様に、首を傾げます。

・・・と言うのも、私は、もうかれこれ15年ほど体調不良が続いていて、不定期ではあるものの病院に行き、その度にいろんな「検査」を受け続けているのです。

29才の時、「原因不明の微熱」を発症、大病院を2つはしごして、検査入院を3週間、その後３つ目の病院に通いましたが、「原因不明」のままでした。

38才の時、左乳房にしこりを見つけて乳腺科のある病院に行きました。

検査の結果、しこりは「良性」と診断されました。

43才の時、「クーラー病」の悪化で目眩を発症しました。

「きっと、更年期障害に違いない」と思い、婦人科を受診するものの異常なし。

「頭がひどく痛い」ので、脳神経科に行ってMRIを撮っても異常なし。

「聴覚過敏」の症状があったので、大学病院の耳鼻科に行っても異常なし（耳栓を勧められました、怒）。

漢方のクリニックで「自律神経失調症」の診断書をいただきました。

この間訪れた病院は6病院。

私の場合、微熱にしても、目眩にしても、原因不明だったので「それはもう」たくさんの検査をしているのです。

西洋医学において、「病名が付かない」ということは、「治療不能」「薬の処方不可」を意味しますので、「病名がつく」まで検査を繰り返し、それでも分からなければ「自律神経失調症」のカテゴリーに放り込まれます。

そして、治療は「精神安定剤」を服用することになるのです。

『実は』私は今に至るまで一度も、「人間ドック」を受けたことがないのです。

それは、私が「ぐうたら」な人間であること以上に、「いろんな病院で、何回も、いろいろ調べた」からなのです。

原因「解明」のために検査をする副産物として、医者から「微熱や目まいの原因が分からない」こと以外は「異常なし＝健康」という太鼓判を押していただいているのです。

また、私はサラリーマンなので、企業の義務として、年に一度の健康診断を必ず受けています。

レントゲンや尿検査、視力、聴力、問診に加え、35才以上になると、血液検査と心電図もします。

そこでも「異常あり」と言われたことは、一度もありません。

尿検査も血液検査の数値もすべて正常値の範囲に収まっていて、オール青信号。

これは、周囲の同年代の同僚と比べても「優秀」で、自分の健康に対する自信の「根拠」としていました。

本当に、自分が【乳癌ステージ4】だと「これっぽっちも」疑わなかったのは、このような経緯があったからです。

そして、親しい人たちが「この度、私が乳癌だと診断を受けた」ことに首をかしげるのは、そんな私の、15年に及ぶ「体調不良の日々と通院生活」を知っているからです。

だから、「あれだけ病院に通って、検査し続けて、癌が分からないってことあり?????」と驚くのです。

 

私だって、心底驚きました。

血液検査、尿検査、レントゲン、CT、MRIなどで、【癌を調べる】目的がなければ、【癌】を発見出来ないなんて、知りませんでした。

 

【癌】になったら、何らかの不調が検査結果に現れて、「引っかかる」のだと思っていたのです。

「ちゃんと、癌を探そうとして検査」しないと、【癌】が見つからないものだということを、【乳癌ステージ4】の診断と同時に知りました。

・・・知らなかったのは「うつけもの」の私だけ・・ですか？

こうして今、私は末期癌患者として生きていますが、一人でも多くの人に伝えたいのは、

「原因の分からない体調不良」が長く続いたら、医者が何と言おうと、「癌を調べてください」と、自分から申告して検査を受けるべきだ！！

ということです。

「【癌】という恐ろしい命を奪う病気ならば、病院で検査すれば分かるはず」と能天気に考えて疑いもせず、その後「末期癌」という「晴天の霹靂」の直撃を受けるのは、私一人で十分です。

本当に、私のような「うつけもの」が、この世に私一人ならいいのですが・・・、念のため、老婆心ながら、皆様にお伝えいたしました。

ちなみに、今年（2016年）の会社の健康診断も、「悪玉コレステロールが高い」他は「異常なし」でした。(笑)

 

 

次は、

放射線治療後に現れたあれこれ　（nya.37）

です。