夕暮れ時のマジックアワーは「鬼百合とクモの巣」 (nya.2098)

夕暮れ時 一叢の鬼百合

夕暮れ時 一叢の鬼百合

「絶景」に会うために遠くに行く必要はないのです。 (2022年7月29日)

日没直前の30分間ほど、低い角度から射し込む夕日が、黄色味を帯びた光で包みこんで何もかもを輝かせる時が、時折り訪れます。

その暖かな光は、飽きるほど見慣れた日常の風景をよく似た別の惑星の風景のように見せてくれます。

そんな時がいつ訪れるのか、どれほど天気予報を吟味しても予測することは叶わないので、ただただ偶然を待ち、出会った時にはその幸運を喜び、うっとりとします。

「絶景」を求めて遠く離れた場所に旅をする必要はありません。

「その時」に出会えば、「ここ」が「絶景」です。

私の頭の中ではいつも同じ歌が流れます。

『千と千尋の神隠し』のエンディング曲『いつも何度でも』の一節です。

海の彼方には もう探さない
輝くものは いつもここに
わたしのなかに 見つけられたから

 

夕暮れ時 鬼百合の群生

夕暮れ時 鬼百合の群生

夕暮れ時 鬼百合の群生

その日は、母を車の助手席に乗せて自宅へ帰っていました。

自宅まであと5分という「いつもの道」、今日は夕焼けがきれいだなぁと思いながら西の空を見た時、黄色い光に包まれた鬼百合のオレンジ色が輝いているのが目に留まりました。

「おおお、これはこれは」と、私の中の「カメラ小僧魂」がときめきましたが、隣に母を乗せていたのでは落ち着いて撮影できません。

私は車のアクセルを踏み、猛ダッシュで帰宅して母を自宅で下ろし、この場所へ引き返すことを決めたのでした。(笑)

夕暮れ時 鬼百合の群生

夕暮れ時 鬼百合の群生

とは言え、私が競っているのは「日没」です。

あっという間に日は沈みますし、西の空に雲があれば日没を待たずに、この奇跡のような光は消えてしまいます。

心の中で「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」と、意味不明の雄叫びをあげながら急ぎ、、、そして間に合いました。合掌。

夕暮れ時 鬼百合の群生

夕暮れ時 鬼百合の群生

夕暮れ時 鬼百合の群生

通行の邪魔にならない路肩に車を停め、カメラを持ってあぜ道に立ち、田んぼと草叢しかない西の空の夕陽を角度を変えて激写する私。

道端で「何もない」空間に向かって立ち尽くす私はかなりの「不審人物」であり、田舎道にしては交通量のある帰宅時間と重なって、私の後ろを通りすぎる車がしばしば減速したのも無理はないことでしょう。(笑)

まぁ、いいんです。

鬼百合が満開になるタイミングで、マジックアワーに「嵌まる」ことなど、この後数年待ったとしても出会える保証はないのですから。

夕暮れ時 蓼と蜘蛛の巣

夕暮れ時 蓼と蜘蛛の巣

 

夕暮れ時 蓼と蜘蛛の巣

 

夕暮れ時 蓼と蜘蛛の巣

・・・と、夕陽に光る鬼百合という貴重な瞬間に立ち会えたことに満足し、これ以上「不審者」として悪目立ちすることも避けたいので、再度家路に着こうとした私ですが、運転すること3分、再度「不審者」となりました。(笑)

鬼百合を撮った田舎道から分岐した、さらに細い田舎道に差し掛かった時、金色に輝く休耕田とピカピカと煌めく蜘蛛の巣の風景に出会ったのです。合掌。

今度は停車できる路肩もなかったのですが、私の暮らす集落にのみ通じていて、行き交う車が滅多にないこともあり、細い田舎道の真ん中でブレーキを踏み、車に乗ったまま激写しました。

夕暮れ時 蓼と蜘蛛の巣

夕暮れ時 蓼と蜘蛛の巣

夕暮れ時 蓼と蜘蛛の巣

なんとまぁ、美しいことでしょう。

秋の優しい夕暮れ時とは明らかに違う、フルパワーの夏の太陽が放つ輝きと、フルパワーで繁茂する夏の草叢が拮抗している夕景です。

その狭間では、どんなに目を凝らしたとしても、昼や夜では気付くことが出来ないだろう蜘蛛の巣が、キラキラと中空を舞っています。

夕暮れ時 蓼と蜘蛛の巣

夕暮れ時 蓼と蜘蛛の巣

夕暮れ時 蓼と蜘蛛の巣

刻一刻と色調を変える夕陽と、僅かに角度を変えるだけで陰陽を置き換える草叢と蜘蛛の巣。

休耕田の奥には、青々とした稲の田んぼもあるのですが、数か月先の稲穂が実った田んぼのように、この時ばかりはオレンジ色の光に染め変えられてしまいました。

「絶景」です。

夕暮れ時 蓼と蜘蛛の巣

夕暮れ時 蓼と蜘蛛の巣

夕暮れ時 蓼と蜘蛛の巣

何もない田舎ですが「絶景」ならある、という矛盾が楽しいひと時でした。

数分後、ようやく田舎道にも後続の車が現れたので、日没の瞬間を捉えることは諦め、今度こそ帰途についたのでした。

(おしまい)

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夕暮れ時のマジックアワーは「鬼百合とクモの巣」 (nya.2098)” に対して2件のコメントがあります。

  1. sizu より:

    …..陽と草叢と蜘蛛の巣の光り方、キラキラと意外な綺麗な様でしょう

    広い草叢ですから、蜘蛛さんも

    思い切り活発活動ですね(笑)

    蜘蛛の糸については我が家もいつもにない面白い

    蜘蛛との格闘がある夏です

    早い暑さのせいか、いつもは目にしたことない場所に

    門の戸の開けない側だけど、左はいつも開けて通る所

    その20×10のノブの3㎝程の隙間に、それはそれは細かく、

    レース編みのごとく、編んであるのに気ずいて、えーーー!と取ったのです。

    その可愛い格闘が、何回も。

    いったいどこに巣があるのか丁寧に見てもなく、夜のうちに

    働いているのでしょうが、そんなところに糸を張っても虫など

    かかるわけがないでしょうに。他の場所にすればいいのにと

    蜘蛛に同情しながら、人の通る入口ドアだしとせっせと取る訳です。

    今年はその代わりに蚊が少ないと感じます。

    コロナもまた増えています。

    暑さ寒さも彼岸まで、ふるゆらさんもご自愛くださいね。

    1. ふるゆら より:

      やはり、sizuさんの地方でもそうですか、私の暮らす田舎でも、去年からびっくりするくらい蜘蛛が多く、今年の夏は蚊が少ないです。

      我が家のような古民家では、ドアノブと言わず、家中蜘蛛の巣かけ放題です。(笑)

      今やこまめに取り去るモチベーションが下がり、気が付けば蜘蛛の巣、気が付けばその蜘蛛の巣に風太の抜け毛が絡まっているのを見ても驚かなくなりました。

      拭き掃除のとき両手に手袋をして、目についたものを消しています。

      蜘蛛は虫を減らしてくれる「益虫」、蜘蛛を減らすと虫が増えると思うと、、、痛し痒しですよね。(嘆息)

      ともあれ、人間も自然界の一部であるのだから、人知を越えたサイクルに適応するのみです。

      連日猛烈に暑い日が続きます、sizuさんもご自愛ください。

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