ふるゆらの好きな本たち『ムーミン谷の冬』トーベ・ヤンソン著 (nya.810)
「ぼく、雪って、下からはえてくるんだと思ってたよ!」byムーミン (2019年1月18日)
昨年の1月1日から休職している私は、フルタイムの仕事をする体力がなくて休職を選択したものの、大学卒業から28年間働き続けた「慣性の法則」から、働かない自分がどうにも居心地が悪く、ジタバタ、悶々、七転八倒、五里霧中、呆然自失を経て、ようやく「休む自分」を自然体で受け入れることが出来ました。
、、、そうなると、もともと「出不精」と「引きこもり」の境界線上にいる私ですから、すっかりダラダラとゆるゆるとまったり過ごす毎日をエンジョイしています。(笑)
、、、そうなると、毎日アップしているブログの『まいにち風太、まいにち田舎』は、有り余る自然と自然体の風太のお陰で楽々こなせるのですが、週に一度は近況報告をしようと思って続けている「金曜日の週報」のネタが詰まってきました。(嘆息)
何しろ、れっきとした凡人であることを自負する私が、四季の移ろい以外に刺激のない田舎で引きこもっているのですから、そうそう人様にご披露できるようなイベントもありません。
「はぁぁぁ~、何にも思い浮かばないなぁ」と深い溜息をつくこと数日、、、末期がんの私がこうして退屈な暮らしを送れていることこそ僥倖なのだと気付き、穏やかな日常を過ごせていることへの感謝の念が薄い自分の凡人ぶりに、再度深い溜息をつきました。(笑)
でも考えてみれば、今の平穏な日常に取り立ててイベントがなかろうと、そこは、ホレ、51年も生きているのですから、頭の中を引っ掻き回して「引き出し」を探せば何か見つからないはずはない、、、のです。
「・・・・・・・・(嘆息)・・・・・・・・(嘆息)」
「おおお♡そうだ、最近スマホでアニメばっかり見てるけど、私の唯一の趣味は読書でした。」と捻り出しました。(笑)
「そーだそーだ、そーしよう♪」と安直に「読書感想文」に逃げることにしました。(笑)
実はコレ、ブログを書き出してすぐに「思いついた」こともあるのですが、好きな本について書こうと思えば、「本を読み返し始める」自分がいて、そーなると「勢いがついて読み続ける」自分が簡単に想像でき、したがって、「本を読むばかりでブログを書く時間がなくなる」自分が、簡単な三段論法で導かれたため、諦めた経緯があります。(嘆息)
フルタイムの仕事をしていては、時間的自己破産することが自明の理であった「読書感想文」も、今の引きこもりの私なら出来るでしょう♪という訳です。(笑)
そして「好きな本、、、、好きな本、、、、ねぇ、、、。」と考えること暫し、煮詰まりました。(嘆息)
これまでに読んだ本は数え切れず、自室の本棚には常時1,000冊を遥かに超える本が詰め込まれていて、しかも好きなジャンルも曖昧かつ玉石混交、、、途方に暮れました。(涙)
「いやいやいやいや、深く考えるな、気楽にいこう」と自分に言い聞かせて、選んだのが今日の『ムーミン谷の冬』トーベ・ヤンソン著です。
以前にも触れましたが、私は高校を卒業するまで、教科書と大量の漫画と夏休みの課題図書以外の活字に触れることなく大学の「国文学科」に入学した人間です。
子供向けのお話の大半は、我が家にあった母親の省エネ「童話の読み聞かせレコード」が十数枚と、テレビ放映されていた「日本昔ばなし」、『カルピスこども名作劇場』や『ハウス食品・世界名作劇場』で、活字に触れることなく吸収しています。(笑)
高度経済成長とともに成長した私たちの幼年期は、誠に幸運に恵まれていました。
良質な子供向けのテレビアニメがふんだんに放映され、今日採り上げた『ムーミン』、『はじめ人間ギャートルズ』『バビル二世』『小さなバイキングビッケ』『タイムボカンシリーズ』などなど、現在の私の血肉となっています。
親に叱られながら、硬軟織り交ぜたアニメをアホのように見ていれば、それだけでボキャブラリーが増え、人として大切なことが学べました。
それなのに、その上「本を読む」必要性はさらさら感じるものではありません。
なおかつ、そんな私の国語の成績は小中高一貫してトップクラスでしたし、作文コンクールでは度々賞をいただいていました。パチパチパチ。
漫画とアニメ、そして、ドリフターズとひょうきん族が、私の情操教育を含む成長の糧の「すべて」だったと確信しています。(笑)
そんなこんなな私ですが、我が家には、「読書好き」の兄のために揃えられた児童書がふんだんにありました。
そんなこんなで、その中で私が読んだ本は『百一匹わんちゃん』と『世界と日本の神話・説話』の2冊のみでした。
なぜ、活字に親近感が持てない私が、子供心に「しんわ」という音の響きに引力を感じて読みたいと思ったのかは、今もって謎です。
ただ、暇を持て余したある日、20冊程度の児童書シリーズがフルセットで並ぶ背表紙をつらつら見て「神話か、神話なら読んでもいいな」と手に取った記憶があります。
内容は全く覚えていないので、たいして面白くもなかったと思われます。(笑)
そんなわけで、本と無縁に成長していた私が中学生になり、教師から生徒全員に「読書週間」なるもの強制され、いやいや図書室に行ってしぶしぶ選んだのが『ムーミン谷の冬』トーベ・ヤンソン著です。
これなら、テレビで観たことがあるムーミンなので楽勝だろうと、その頃からかなり打算的な計算の出来るお子様でした。(笑)
たぶん、、、ムーミンシリーズは全9冊ありますので、この『ムーミン谷の冬』だけを読んだのではなく、「読書週間」の期間中にシリーズの最初から読み進めて、この作品に至ったのだと思いますが、、、他は全く覚えていません。(笑)
『ムーミン谷の冬』の内容も、やっぱりまったく覚えていないのですが、ムーミンの
「ぼく、雪って、下からはえてくるんだと思ってたよ!」
というセリフに出会った時、生まれて初めて「本も面白いな」と思った記憶のみが残っています。
今でも、雪が積もる度にこのムーミンのセリフを思い浮かべるのです。
「発想の転換」、降り積もった雪に限らず物事を異なる視点から見れば、まったく違った風景が見えてくることを知りました。
そして、視点を変えて物事を見る習慣ができました。
ほんとうに、ほんとうに、人生を生きる上で有用な言葉に出会ったのだと、今もムーミンに感謝しています。
まず、テレビですっかり知っているつもりでいたムーミンに出てくるキャラクターの多くが、寒い冬の間は冬眠する種族たちだということに愕然としました。(笑)
冬眠するムーミンたちは、冬の間に自分たちの周りで起こっていることを知りません。
春になって目覚めることを繰り返すムーミンは、雪が積もっているのも、降っているのも見たことがないのです。
そんなムーミンが、ひょんなことから冬眠中に目を覚ましてしまい、一人で外を冒険しているうちに雪が降り、そしてあのセリフを言うのです。
以下、その場面を引用します。
ひとひら、またひとひらと、まいおりてはムーミンのあたたかい鼻面でとけて消えてゆきます。
思わず、空に向けて前足をのばし、とまらせた雪に、うっとり見とれてしまいました。
天をあおぐと、雪が、ムーミンの顔をめがけて集まってくるみたいに落ちてきます。
トロールは、羽毛のように柔らかく軽い雪が、こんこんこん、ふってくるのに見入っていました。
(雪って、こんなふうにふってくるんだ・・・)
ムーミントロールは、つぶやきました。
「ぼく、雪って、下からはえてくるんだと思ってたよ!」
出典:ムーミン谷の冬
次は
です。
ふるゆらさんの思うままにこのブログを続けていただきたいです。
やっぱりふるゆらさんの文才は昔からなんですね~納得。
私はふるゆらさんの漫画のベストテン知りたいです(笑)
北海道は冷え込み厳しく道路はガチガチに凍ってます!春が待ち遠しいです。
ともろーさん、ありがとうございます。
心のままにブログを続けます♪
私が全てのコマ割りを記憶するほど読み返した漫画と言えば、、、ジャンプの『すすめ!!パイレーツ』(江口寿史著)でしょうか、、、(笑)
ノリツッコミの高等技術を教わりました。(笑)
ふるゆら様
ふるゆらさん、ゆうこさんのに ごもっとも、ほんとに そうですね、としか
書けないですが、今日の写真!!冴えに冴えています。very 2 good !
sizuさん、ありがとうございます。
写真は、随分前に行った「戸隠」の初秋の風景です。
冒頭に置いた写真は「神の道」で、神さまがあそこを通ってお渡りになる神事が行われるそうです。
「鏡池」は、いろんな条件がそろわないとなかなか「鏡」にならないそうですが、私が訪れた午前中はドンピシャ「鏡」でした。
戸隠の神さまに歓迎されているようで嬉しかったです。
ふるゆら様
そうなんですか、私は見たことのない景色ですが、とても良いですね まさに鏡池ですね
神の風が通る道に 相応しい感です
来年度カレンダー!期待します(早!来年の話、それこそ神に、鬼に
笑われそうです)
はいはいsizuさん、今年もたぶん、偶然による傑作が生まれるのだろうと私もワクワクしています。
sizuさんのお気に入りをピックアップしておいてください。
カレンダーを作ってみて、何より労力を奪われたのは写真の選定だったのです。(笑)
よろしくお願いします。
ふるゆらさま
ほんとにそうですね
自分で携帯にとっている写真や、もらった写真も 捨てがたくいっぱいに
なりますし、そこから選ぶなんて、相当労力使いますものね。
愛着のあるものは特に...
ふるゆらさんの その時の気持ちで、必要以上に
迷わないでいいのです。
私は 何日のこれ!って何枚か入れてもらおーっと(笑)
sizuさん、ほんとによろしくお願いします。(笑)
もう、セレクトの最後の方、頭がわちゃわちゃになったんです。(涙)
.☃︎.’.°☽.☃︎.’.°☽自分に何かを課すということからの解放.☃︎.’.°☽.☃︎.’.°☽
ふるゆらさんは今まで800回以上もブログをアップしてきました
まず このことが もう 驚異的なことです
毎日ひとつアップするなんて誰も出来ないことを成し遂げたのです
まずそのことを称賛したいと思います ありがとうございます
これからは不定期に何か書く気分の時だけアップしたらどうでしょうか
書くネタに四苦八苦して病状が悪化したら本末転倒です
「書く」って芸術です
ムーミンの言うように雪は下から生えて来るものでなくて上から降って来る
ものです
書く ということもまた天上から降って来るものだと私は思っています
何もせず何も考えないという禅のようなことをし続けるのです
しばらくすると闇でも明るくもない空間がふるゆらさんの奥の奥
中心の中心にあることに気付くはずです
何もなくてガラーンとしていて薄暗い静かな誰も侵入不可のふるゆらさん
だけの場所です
そしてこここそがすべての気づきとインスピレーションがやって来る場所です
そうなるとここはネタの宝庫です
神様のしてることをご覧下さい
毎日毎日同じことの繰り返しです
地球を一回転させ 太陽の周りを一年かけて一周させ 引力で全てのものを
地上に引っ張ってくださってるので私達は空中にぷかぷか浮かなくて
済んでいるわけです
神様が時に星の運行をやめたり引力を気まぐれに弱めたりしたら
大変ですし私達は神様への信頼性を失うでしょう
飽き飽きするほど同じことを延々と繰り返してくださっているから
私達は安心して毎日暮らすことが出来るわけです
そして平凡で退屈な日常というのは実は壮大で偉大でこれ以上ないほど
エキサイティングなのです
ふるゆらさんの書くネタがない という記事だけでこんなにコメントが
書けてしまいました
自分に何かを課す ということを辞めてみると 心が更に解放されて
思っても見なかった角度と視点から新たな発見がたくさんありますよ
ありがとうございます、ゆうこさん。
私にとって「書く」という作業は、自己メンテナンス作業的なものが含まれていて、曖昧模糊とした日常を漠然とした感情で暮らしているものを「言葉」という形を与え、並べることによって「はははん、こんな風に考えていたのか、私」と、自分の心に気付くことが多々あります。
もちろん「言葉」というものは「言霊」というパワーがあり、言葉に引きずられることも言葉に酔うこともあって、取り扱い注意なのですが、、、。
それに私の場合、有難いことに、一旦テーマを決めて書き始めると言葉に詰まることがなく書き進められます。合掌。
その上、書き終わった文章を読み返して、てにをはと語尾を訂正する以外にほとんど校正や書き直しもしないという、、、、。合掌。
ですので、「ネタ」に詰まらない限り結構「やっつけ」られるのです。(笑)
浸潤性小葉癌で末期がんの体でブログを書き始め、こうして「ネタ」が枯渇するような穏やかな時間が過ぎているという幸運に感謝感謝です。
このブログを読まれる方は、私と同じような病気の方かそのお身内の方ではないかと思い、そんな方々へ金曜日の週報で「こんなにくだらなくも平凡な日常を過ごしている奴がいる」ことをお伝えすることで、不安で悶々とした心が少しでも明るくなることもあるのではないかと思っています。(笑)
私の何気ない言葉の一つが誰かの心に届いて、「生きるって面倒臭いけど、楽しいな」と、、、。
もう少し、このまま続けてみますね。
「読書感想文」の他に「四季のお散歩シリーズ」「風太とお散歩シリーズ」を増やして、更に楽をしようと目論んでおりますのでご安心ください。(笑)
すげえ。一本取られましたね
ネタがない というネタだったんですね
ネタがないというわりにはムーミンのお話しは心に沁みました
ふるゆらさんが教えてくださらなければ知らないままでした
心を潤すセリフですね 星の王子様と似てるような。
Purityというんでしょうか
ひとひら また ひとひらと舞い降りてはムーミンの暖かい鼻先で
とけて消えてゆきます ってところ
私も夜道を歩いていて降り始めた初雪を見上げて
なんで恋っていつも雪のように降って来るんだろう と
思ったことがあります
ムーミンの幻想を打ち破って現実を知った厳かな瞬間ですね
ふるゆらさんのブログは毎回毎回もっと素晴らしいのです
白菜の漬物の回でも冬支度の回でもです
ふうたちゃんのケガや すみればあば様がホテルの鍵を自分の
ポケットにあるのを忘れてた話やお友達とのメールで
齟齬を来した話も楽しかったですが冷静に考えれば
ふうたちゃんはケガをしない方が良かったのですし
鍵の紛失も心臓が凍るような思いをなさったでしょうし
お友達ともトラブルが無い方がいいわけです
書くような出来事がないというのは日々是好日ということで
誠に喜ばしいことですね
物質の領域(相対の領域、経験する領域とも呼ばれる)の終焉です
霊+物質(スピリジカル)な領域(霊的な領域と物質の領域が
交差するところ。純粋な存在の領域とも呼ばれる)の幕開けですね
これからもどんどんいろんな本のいろんなエピソードを
ふるゆらさんがスパッと切った切り口で教えてくださいね
ムーミンの「ぼく、雪って、下からはえてくるんだと思ってたよ!」という呟きに出会わなかったら、それでなくても近視眼的思春期が、さらに泥沼だっただろうと思います。(笑)
そして、この年になっても、この呟きに度々救われることになるとは、お釈迦様でもご存知ないことです。(笑)
固定概念を破壊する発想の転換と、「知らない」ということの危うさと同時に、飛翔の力の大きさを知りました。
「雪が下からはえてくる」と思ってもいいんだ、という心の「自由」を手に入れました。
本当にもう。。。
なんちゅう心の・・
広すぎて。。
宇宙~~~レベル?
とにかく はあー(笑)
いつも、、、
ありがとーーーー
ははははは♪
ムーミンのつぶやきを気に入っていただいたみたいですね。(笑)
受け止める側の、心の柔らかさや体調や感情のアップダウンが複合的に作用して、時折り驚くほど心の奥の方に飛び込んでくる言葉ってありますよね。
思春期の私の心に、ムーミンは刺さりました。(笑)