令和3年、あけましておめでとうございます (nya.1524)

冬の山 日の出

新( あらた)しき 年の初めの 初春(はつはる)の 今日降る雪の いやしけ吉事(よごと) (令和3年 元旦)

あけましておめでとうございます。

『にゅうがん4な私と風太(日本猫)のららら田舎生活』を通じ「ご縁」で結ばれた皆様、今年もよろしくお付き合いのほどお願い申し上げます。

令和3年が皆様にとって、豊かな時を過ごす一年となることをお祈りします。

冒頭の歌は、万葉集の最後の一首です。

新しい年の初め、初春の今日降る雪、この雪のように良い事がたくさんふりつもりますように

という意味の歌です。

1300年余り前の奈良時代末期、万葉集の編纂に関わったとされる大伴家持が、皇族から貴族、防人や農民まで、身分を分けることなく4500首あまりの歌を集め、どのような時代であろうとも、変わらぬ人の喜怒哀楽を網羅して編んだ万葉集。

最後に自らのこの歌を選んで納めていることの意味が、激動の時代を経験する今、しみじみと心に沁みます。

冬の山 日の出

毎年、新年のご挨拶をするにあたり、去年の私は元旦にどのようなことを呟いたかなと、前年のブログを読み返すのですが、2020年の元旦は、それはもう見事に、その後に訪れることになった世界の激変など全く予感していない「ビバ・現状維持」を寿いでいます。(笑)

人はともすれば「先を見通す」ことを良しとするものですが、先が見通せないからこそ、今の幸せを奇跡だと噛みしめることが出来るのですし、先が見通せないからこそ、見えない未来に「良いことがあるのだろう」と希望を抱くことが出来るのです。

ですから、2021年の年の初めに当たり、私の心には「今」自分がここにいる奇跡への感謝と、1年後の今日、2021年を通じて出会う様々な喜びに、きっと幸せを感じているであろうという「希望」があります。

冬の山 日の出

2020年の元旦、近所の氏神様に初詣をして手を合わせた時、その後に世界が一変するような時代の潮流が押し寄せてくることを知りませんでした。

2020年の元旦、その年の8月に、9カ所もがん転移の「再燃」を見ることになり、その後薬を変更したら、たちまち腫瘍マーカーの数値が下がって安堵するとは知りませんでした。

2020年の元旦、年末に訪れる有給の病気休職の期間が終わり、それを契機に退職するのだろうと思ってはいましたが、自分を長く縛っていた重いくびきから解き放たれて先々の不安や恐れが一掃され、心の有り様が一新された上で、「自分が心地よいと思う暮らしを選ぼう」と、迷いなく決断できるとは知りませんでした。

日の出 彩雲

『放てば手にみてり』 道元(『正法眼蔵/弁道話』)

「勇気を出して、大事に手に握りしめているもの放てば、あっという間に、より豊かな本当のもので、両手が満たされるだろう」というような意味でしょうか。

鎌倉時代初期の禅僧、曹洞宗の開祖道元(『正法眼蔵/弁道話』)の言葉です。

昨年の秋、心の有り様が一新された後、ふと読んだ本で出合ったこの言葉が、驚くほど心の深くに届き、今の私の「念仏」です。(笑)

「キングオブ凡人」の私に、禅の極意など「門前の小僧」にも及ばず、何を放てば、何が手に満たされるのかなど、生涯理解できることはありませんが、何となく「気分」はよく分かるのです。(笑)

「ああ、ほんとうだなぁ」と思うのです。

日の出 彩雲

これまでの人生の道程で、手のひらからサラサラとこぼれ落ちていく多くの幸せを見て溜息をつきながら、それでも手のひらに残っている幸せを数え、これもなかなかいいじゃないかと思って生きてきました。

今もそう思っています。

でも、よくよく考えてみれば、「自分のもの」だと思っている手のひらに乗る数少ない幸せもまた、人生で出会った様々なことが折り重なり「偶然という奇跡」に導かれた「今」、があってこその幸せであることに気付けば、自分の手柄のように数えること自体が誤りであると知ります。

日の出 彩雲

人生の進路を自分で選んだと思いたいのが人情ですが、「選んだ」時点で自分を取り巻き、その選択に導いたものの多くは、知力、体力、健康、容姿、財力、時代背景によるものが大きく、「選んだ」のか「選ばされた」のか、「自分」の境界線は曖昧です。

それは、野の花の種子がその時の偶然によって飛ばされた土地で、その種子にとって「合う、合わない」と思わず、その土地で懸命に根付き、芽吹き、花を咲かせ、種を結んで生涯を終えることと同じことなのだと思います。

乾いた土地を好む種が湿った土地に落ちて、雨が多すぎると「苦労」したとしても、湿った土地を好む種が渇いた土地に落ちて、雨が少なすぎると「苦労」したとしても、野の花は、生きることを止めたりしません。

日の出 彩雲

私もまた、数少ない手のひらの幸せに感謝しつつも、それらを失うことを恐れる心を「放てば」、野の花が僅かな雨に生かされるように、新たに手のひらに注がれる新たな幸せがあり、「満たされる」こともあるのだろう、と思っています。

2021年、何が「満たされる」のか楽しみです。

私は毎朝、自室の窓の正面に見える氏神さまに「ええように、してください」と手を合わせています。

私をここまで運んでくれた時の流れに心底感謝しているなら、これからも同じように流れに身を委ねることに微塵も不安はありません。

その時々に満たされる手のひらの上の幸せに感謝して、その時々にこぼれ落ちる手のひらの上の幸せを落胆せず、いいこともそうでないことも、楽しんで、面白がって、笑って暮らしていこうと思います。

今ような穏やかに時の流れる暮らしが心地よく、時折り散歩し、時折り風太と笑い、時折りブログを書く、今の暮らしの明け暮れが大好きだから「私はそれを選びます」と、きっぱりと思える自分が嬉しい、、、無職となった2021年の元旦です。合掌。

(おしまい)

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令和3年、あけましておめでとうございます (nya.1524)” に対して8件のコメントがあります。

  1. takako より:

    新しい年の初めに清々しいブログを読めて果報者です。
    1年を通して時々読み返したいので印刷しようと思ったら、あいにくカートリッジのインク切れでした。

    去年の「金継ぎ」や「金魚鉢」などのブログも、人生の指針として時々読み返したいものです。
    小冊子にまとめておきたいなと思います。

    ふるゆらさんの文章はプロのコラムニストも顔負け、もはや直木賞作家レベルですよ。

    今年もどうぞよろしくお願いします。

    1. ふるゆら より:

      takakoさん、明けましておめでとうございます。

      本年もよろしくお付き合いの程お願いいたします。

      いつもお褒めいただきありがとうございます。

      素直に嬉しいです♪♪♪

      やっぱり日本人ですから「言霊ってある」と思うんですよね。

      だから2021年も、できるだけ波動のいい言葉を綴っていきたいと願っています。

      とはいうものの「等身大」の自分でしかありませんから、どうなることやら、ですが、、、(笑)

      1日に1回は「もしかして、アホなんとちゃう、自分(嘆息)」と思うことがあるんですよねぇ。(笑)

      ともあれ、takakoさんの2021年が、穏やかで豊かな時の流れとなりますようお祈りいたします☆

  2. トモロー より:

    ふるゆらさん 風太さん
    明けましておめでとうございます!

    今年もたくさん笑って過ごしましょう

    元旦早朝から仕事でしたが、今日は休みだったので昼からビールを飲み録画していたガキ使を観ながら なんてことないお正月を過ごしました~
    満たされましたぁ。

    外は毎日氷点下ですが、澄んだ空気が気持ち良いです。今年も大自然に感謝して過ごします。

    今年もよろしくお願いしまーす!

    1. ふるゆら より:

      トモローさん、明けましておめでとうございます。

      こちらこそ、本年も何卒よろしくお付き合いの程お願いいたします。

      2021年も、大いに笑って、時折り感謝して、ゆっくりぽてぽて歩いていきましょうね♪

      1. トモロー より:

        はい!
        ゆっくり鈍行列車でいきます。

        31年間本当にご苦労様でした
        ふるゆらさんが職場でまいた種があちこちで実っていくんだろうなぁ~

        1. ふるゆら より:

          ありがとうございます。

          懸命に働いている時は、私が「ここにいた」という爪痕くらい刻んでいるつもりでしたが(笑)、私が巣ごもりしている間にも、時は止まることなく流れ、組織の新陳代謝は進み、私を見たこともない新人さんたちが、爪痕を残そうと励んでおられます。

          私が以前の職場に行けば、「あ、これ、私が苦労してシステム化したやつ、現役で役に立ってるじゃん♪」と思うものもあるでしょうが、新しい人にとって見ればそれが「当たり前」です。

          思わず、中島みゆきさんの『ヘッドライトテールライト』を歌ってしまいます。(笑)

          トモローさんは、爪痕を残すべく奮闘中ですね、お疲れさまです。合掌。

  3. sizu より:

    ふるゆら様

    明けましておめでとうございます。

    夜明けの美しい風景と美しい和歌から

    今年も始まりましたね

    今年も楽しみに おじゃま致します。

    焦らず、気をらず、ゆっくりと頑張りましょうね。

    1. ふるゆら より:

      sizuさん、明けましておめでとうございます。

      本年もよろしくお付き合いの程お願いいたします。

      生きていると色んなことがありますが、私という人間は、自然の中に身を置けば心が柔らかくなるから「お得」です。

      今年もポテポテ歩いて、2022年に辿り着こうと思っています。(笑)

      SIZUさんの2021年が、心豊かな時の流れとなりますようお祈りしています☆

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