4度目の「立春」が訪れました。合掌 (nya.126)

ねこ、風太 日向ぼっこ

わしは「違いが分かる男」これは立春の日差しじゃな。

「立春」は私にとって「特別」になりました (2017年2月)

田舎に住むことの「特典」は、四季の移ろいを存分に楽しめることです。

それぞれの季節にそれぞれの美しさがあり、優劣はありません。

山頭火に『山行水行』があります。

山あれば山を観る
雨の日は雨を聴く
春夏秋冬
あしたもよろし
ゆふべもよろし

本当に、その通りです。

自然は常に美しいのであって、それを「美しいと感じる心」の日と、「美しく感じられない心」の日が、人の心に生じるだけのことです。

ねこ、風太ん?「どの季節が好き?」と言われても困る、と思って生きてきた私ですが、「特別な季節」が出来ました。

それが「立春」です。

2014年2月、「私、乳癌かもしれない」と思って病院に車を走らせた時に見た景色。

 

「乳癌の可能性が非常に高いと思ってください。」と言われた針生検の帰り道。

「浸潤性小葉癌です。手術して、左乳房全摘、同時再建はしますか?」と癌告知を受けた日。

動揺する私の目に映ったのは「立春」とは名ばかりの「冬の山々」でした。

杉などの植樹をしていない私の田舎の山々は、自然のままの「雑木林」で、広葉樹が多いため、それらが落葉した冬の山は、寂しいような、清々しいような色になります。

それは決して単調ではなく、それぞれの木々の「個性」があり、赤みの強い茶色からグレーに近い茶色まで、落葉した木々の梢が折り重なって、柔らかい茶色のグラデーションです。

2014年以前は、「立春」を迎えて山を見ると「今はまだ変化が見られないけれど、近付いて見れば、梢にびっしりと木の芽があり、芽吹きの季節を迎えるためにどんどん膨らんでいるんだろう」と心弾ませました。

ねこ、風太ねそべる2014年、自分が乳癌だと知った時、同じ景色が「限りなく切なく、限りなく愛おしく」感じられました。

切ないのは、「あと何度、私はこの季節を経験出来るのだろう」と思ったからです。

 

愛おしいのは「私の大好きな四季の移ろいを見逃さず、胸に刻んで大切にしよう」と思ったからです。

私はどうも感性が他人様とズレているらしく、「近い将来、この世を卒業するんだ」と知った時、「最も名残惜しい」と思ったのは『あと数回しか四季の巡りを楽しめないなんて、ショック』ということでした。

人やものとお別れすることは、「避けられないこと」としてサバサバ受け止められるのに、自分の楽しみが「奪われる」ことがすごく残念でなりませんでした。

それからは、季節が巡る度に『来年のこの季節、私はどうなっているんだろう』と思わずにはいられません。

そして、4回目の「立春」を迎えることが出来ました。

この間、幸運にも、腫瘍マーカーが基準値以下に下がり、骨転移無数、リンパ節転移無数が骨転移4か所のみに激減し、気が付けば『あと何度』と思うことなく四季を愛でる自分がいます。

ねこ、風太うたたねそれでも、「立春」の景色は特別です。

芽吹きの気配すらなく、冬の山そのものの「立春」の山が、新しい私の『原点』になりました。

 

【乳癌ステージ4】の身体のまま現状維持が出来て久しく、今の自分を「当たり前」のように感じて生きている私に、「立春」の風景は『心して生きなければ罰が当たる』と、喝を入れてくれます。

あの時、「この山々の木々が芽吹く時、紅葉する時、私はどうなっているんだろう」と思い、「赦された時間を丁寧に丁寧に生きていこう」と思った自分を思い出させてくれるのです。

そして、今年2017年の「立春」は、さらに特別になりました。

2016年11月からアップし始めたブログが「100」を通過したのです。

自分が【乳癌ステージ4】だと分かったのは2014年でしたが、PET/CT画像が「真っ黒」に映るほどの末期癌です。

それ以前から体力が落ち込み、体調不良が続いていました。

もう長らく、私の生活の中心は「疲れない」ことであり、「静養」できる休日が待ち遠しいと思いながら、仕事をこなすばかりの毎日。

その時は知りませんでしたが、【乳癌ステージ4】の身体を宥めたりすかしたりで「手一杯」の状態が何年も続いていました。

ねこ、風太ねぼけそんな私が「新しいこと」を始められたのは、何年振りのことでしょう。

何か新しいことを始める余力を失っていることにも気付かないほど、疲れ果てていた私が、昨年の秋からブログを始めたことは、「画期的」な出来事なのです。

 

限定的ではありますが、いつの間にか私に「余力」が生まれるほどの変化が起きていたのです。

ありがたいことです。

心して生きねば罰が当たります。

11月にブログを書き始めた時「100本毎日ブログを書こう」と決め、「100本に到達するのは立春の頃かな」と気付いた時、何とも感慨深いものがありました。

書き始めた当初は「こんなんで、読んでもらえるんだろうか」と不安と焦りでジタバタしましたが、「100本」を過ぎた辺りからストンと、焦りもなくなりました。

何はともあれ、【乳癌ステージ4】の私が新しいことを始められたのです。

まずこの1点が、何より嬉しく、何より満足です。

「立春」はその名の通り、自然にも、人の心にも、新しい何かが芽吹くのだなぁ、と感心する次第です。合掌。

梅一輪

梅一輪いちりんほどの暖かさ

次は

です。

 

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