そうだ!!富士山を「見に」行こう (nya.69)
富士山にお会いできて光栄です。 (2014年11月)
8月に腫瘍マーカーが下がり、少し先のことまで考えられるようになった9月、まず取り掛かったのは、寒い冬になる前に「お風呂のリフォーム」をして『暖かい入浴』をゲットすることでした。(参照:「お風呂リフォーム」騒動記 (nya.66))
「お風呂のリフォーム」のことを考えていると、1週間ほど、家のお風呂に入れない期間があることに気付きました。
「どうせなら、この間に旅行したらいいんじゃね?」と思ったのが、きっかけでした。
どこがいいかな?私の身体の自由がきく間に見てみたい所があるかな?と、自問した結果、「日本人に生まれたからには、『生の富士山』をこの目でじっくり見てみたいものだ」と思いました。
「お風呂のリフォーム」中に家を空けることが不可能なことは、すぐに気付きましたが、一度心に芽生えた「生で富士山を見たい」という気持ちは、がっちり根を下ろしました。
せっかくだから、雪を頂いた富士山が見たいと思い、翌年の春でもいいかと考えましたが、「いやいや、【乳癌ステージ4】の私は、何事も先延ばしはすまい」と思い直し、11月の「お風呂のリフォーム」の完成を待って、富士山に行くことに決めました。
母親に声を掛けると「行く」と言い、友人も「やっぱ行く」と言うので、3人で2泊3日の「富士山を見る」ツアーです。
富士山の初冠雪のニュースと、旅行期間中のお天気にやきもきしながら、出発の日を迎えました。
初日は、富士登山鉄道に乗り「富士山が良く見えるホテル№1」に選ばれた宿に1泊、2日目は、観光タクシーを使い、北口本宮冨士浅間神社と富士五湖を回ってもらって、河口湖の湖畔の宿に1泊、3日目は、河口湖越しに「日の出の富士山」を拝みながらお風呂に入り、後ろ髪を引かれながら帰宅しました。
富士山を最初に見た瞬間、「ああ、本当に他の山とはまったく違うものだ」「これほど美しいのは、神さまがおられる山だからだ」と感動しました。
長々と伸びる稜線が美しく、何より大きく、他の山から独立して「ある」姿は、念願の「生」で見ているのにかかわらず、「非現実的」なほどの神々しさでした。
富士山の美しさは別格として、北口本宮冨士浅間神社のパワーの大きさと、忍野八海(おしのはっかい)の水の美しさにも感動しました。
北口本宮冨士浅間神社は、観光タクシーの行程に入っていて、「神社好き」の私には「お約束でしょ」的な気持ちで訪れたのですが、足を踏み入れた途端「恐れ入りました」と平伏したいほどの場所でした。
私の受けた感覚を例えると、それまで閉ざされた2mくらいの低い天井の通路を、うねうね歩いていたのに、突然屋上に出て「ぽっかりと空を見上げている」感触、でしょうか、とにかく「大きい」と思いました。
これまで私が旅行で訪れ、感銘を覚えた「場所」は、戸隠と熊野ですが、それぞれに異なる力を感じました。
戸隠は「下に向かう力が強く」ここが日本の「おへそ」なんだなぁ、と思いましたし、熊野は、圧倒的な水が「循環するパワー」を感じ、その象徴として「那智の滝」があるように思いました。
「富士山を見に行く」と思った時、富士山という神さまにお会いできるとばかり思っていましたが、富士山の玄関口をお守りし続けている『北口本宮冨士浅間神社』が、富士山のお力をいただいて「半端なく大きい」ことに感銘いたしました。合掌。
その後の「富士五湖巡り」に支障をきたすほど、滞留してしまいましたが、思いがけず北口本宮冨士浅間神社の空気に触れたことで、私の今回の旅行の目的が達成されてしまったような「満足感」です。
何ごとの おわしますかは 知らねども かたじけなさに 涙こぼるる
西行法師
西行法師が「伊勢神宮」を詠んだ歌とされているものですが、病身の私に、「かたじけなさに 涙こぼるる」としか表わせられない、ありがたいお力をいただいたと思います。
忍野八海(おしのはっかい)は、今までに見たことのない「水」でした。
あまりに透明で、あまりに深く、覗き込んでいるとこのまま「異世界」に引き込まれるのではないかと思うほどです。
何を見ても美しく、美味しいものもいっぱいいただいて「大満足」な旅行でした。
何より、【乳癌ステージ4】と診断を受けた私が、痛みもなく健康そのもので「富士山とお会いすることが出来る」不思議をつくづく思いました。
賢しらに先々のことを案じ、計画を立てても、人は先を見通す力はないのです。
「今」を重ねることしか出来ないのだと、肝に銘じて生きていこうと思った富士山への旅行でした。
次は
「梅エキス」我が家の常備薬から、万能薬に昇格する (nya.70)
です。