「お風呂リフォーム」騒動記 (nya.66)
はあああぁぁぁ、「家族ってメンドクサイ」 (2014年9月)
8月に腫瘍マーカーが下がったことで、最も変化したのは、私の中に「このまま続けていいんだ」と思う気持ちが芽生えたことだったと思います。
2月に自分が乳癌だと知り、3月には【乳癌ステージ4】だと告げられて、手術がなくなり、抗がん剤もなくなり、10回の放射線治療を3月中に終えた後、残る治療は「ホルモン療法」のみになりました。
ホルモン療法は立派な治療ですし、何の過不足もないのですが、(贅沢な悩みで恐縮です)癌と闘っている「手ごたえ」がないのも事実です。
私は「体育会系」の人間なので、何かの目標に向かう時は「自主トレ」をすることで安心するタイプなのに、「ホルモン療法」の効果をより高めるための手段が分かりません。
手っ取り早く、毎日「うさぎ跳び10往復」(昭和の筋トレ、今は膝を痛めるので禁止されてます)のような、「努力目標」を与えて欲しいのですが、治療は、3週間に一度の通院のみで「野放し」です。(笑)
そこで、手当たり次第に「良さそうな」ことに飛びついて、「にんじん、りんご、レモンジュース」や「黒豆、セロリの葉、りんご、シナモン」の健康茶を毎日飲むことで、「うさぎ跳びをしたい」欲求を慰めていたわけです。(笑)
私が取り組んでいることが、「果たして正しいのか、間違っているのか」「効果があるのか、逆効果なのか」誰にも分らず、誰にも聞けないまま、時間が過ぎていきました。
「腸が健康であることが大切」と信じて、毎日飲んでいるヨーグルト一つとっても、やはりみんなが言う通り、乳製品の「ヨーグルト」は乳癌には良くないのかもしれない、と心が揺れました。
8月に腫瘍マーカーが下がったことで、「このままを続けたらいいんだ」と思えたことは、私の心をとても安定させてくれました。
心が安定したついでに、これまで考えられなかった「数ヶ月先」のことが考えられるようになりました。
今は残暑厳しい9月ですが、秋が来たということは、次に訪れるのは「寒い」冬です。
自分が【乳癌ステージ4】だと知る前、体力の落ち込みが激しかった私は、仕事から帰宅すると自室に篭り、とりあえず1時間は横になってからでないと、食事や入浴のような「建設的」なことをする気力が湧きませんでした。
夕食という名の「晩酌」を済ませると、途端に睡魔に襲われて寝てしまいます。
「1時間ほど寝たらお風呂に入ろう」と思って、照明もテレビも付けたまま寝たはずが、ふと目覚めると決まって午前2時頃、おもむろにシャワーを浴び、再度朝まで寝る、という生活を繰り返していました。
しかし、自分が【乳癌ステージ4】と知ってからは、体調を整えるためにも「湯船に浸かる」方がいいだろうと思い、シャワーを止めてゆっくり温まることを心掛けてきました。
強力な睡魔に勝てないことは、これまで十分に証明されていましたので、夜の入浴は諦め、朝5時起きをして、出勤前にお風呂に入ることにしました。
朝、お風呂に入ることの利点は、これまでは夜の入浴後と朝の出勤前、二度、顔に化粧水や乳液を塗りこみ、髪を乾かしていたところを、朝の一度で済ますことが出来るということです。
睡眠時間の確保につながる時間短縮ができ、「おお、これは便利」と得した気持ちになりました。(笑)
こうして「朝風呂」の習慣を身に着けた私ですが、秋が来て冬を思う時、我が家のお風呂が「冬にめちゃくちゃ寒い」ことを思い出したのです。
その時の我が家のお風呂は、私が中学生の時、ようやく「五右衛門風呂」から給湯設備を持つ「普通のお風呂」にリフォームした時のものです。
私の年代でも「五右衛門風呂」経験を持つ人間は少数で、夏のキャンプで「飯ごう炊飯」する時など、「焚き付け名人」として重宝がられました。(笑)
かれこれ30年が経過してるものの、特に壊れている箇所はありません。
けれども、壁は漆喰仕上げで、3ヶ月に一度は「カビ退治」が必要ですし、兄が半身不随なのに「手摺はタオル掛け」、床はタイルでツルツル、もちろん「浴室暖房」などありません。
その上、冬のお風呂場はとにかく寒く、高齢者でなくても「ヒートショック」になりそうで、入浴前にはシャワーで5分ほど熱湯を上向きにして放出し、浴室をミストサウナ状態にして「寒さ除け」にしていたのです。
『冬になる前に、暖かいお風呂にリフォームしたい。滑りにくい床と、手摺も欲しいな』
一度心に浮かぶと「強迫観念」のように、心を占拠しました。
しかも私には、「想定以上にリーズナブル」な治療費のお陰で、貯蓄に回すことができた「がん保険一時金」というまとまったお金があります。
保険屋のおじさんから「無駄遣いしないでね」と警告を受けていましたが、「いや、これは無駄遣いではない」「体調管理に必要な環境を整えるために必要な投資なんだ」と、胸を張って言えます。(笑)
私の心の中で『やる』ことが決定しました。
今は9月、見積して着工して完成までの工程を思うと「急がねば」なりません。
しかし、私には残されたハードルがありました。
それは、「私の父親」(79才、いのしし年)です。(涙)
後期高齢者の彼は、いたって真面目、いたって健康、これまで病気一つしたことがなく、虫歯すらない人なのです。(笑)
田舎の百姓の「爺さん」の典型として、ナチュラルに「家父長制における男尊女卑」思考の持ち主であり、我が家では、彼の杓子定規な真面目さを「歩くNHK」、独断的な性格を「我が家の金正日」と陰で呼んでいるのです。(笑)
しかも最悪なことに、その上彼は「ケチ」なのです。(涙)
私が「お風呂のリフォームをしたい。費用は私が払う」と言っても、現状どこも壊れていないお風呂にお金を掛けることに、彼の「ケチ」魂のスイッチがON、「そんな(無駄遣い)をする必要はない」と言うのに決まっています。(涙)
彼は、自分の価値観と異なる意見を、何の疑問も持たず「間違っている」と信じられる独裁者、それが「女、子供」の意見ならなおさらです。
私が「お風呂のリフォーム」を強行した場合、彼が「かんかんに怒りまくり」「へそを曲げる」ことは、長年の経験から間違いなく想定できますが、こればかりは私も譲れません。
【乳癌ステージ4】の私の体調管理のための早朝入浴、半身不随の兄の入浴の安全確保、後期高齢者になった母親のための浴室暖房、これらを手に入れるため、私は戦いに挑みました。。
心の中で「はぁぁぁ、メンドクサイ」とぼやきながらも、父親に「お風呂のリフォームをしたいと考えているんですが」と切り出し、戦いのゴングを鳴らしました。
万が一、ひょっとして、ひょっとすると、もしかして、もしかすると「末期癌を患う娘の希望」を、「猫を飼いたい」と言った時のように、父親がすんなり認めることも、ないわけではないかもしれないと、思わないでもない、と一縷の期待を持っていましたが、案の定、揉めました。
9月早々に闘争のゴングを鳴らし、激闘は10月上旬まで続きました。(笑)
今回の件を除いても、父親と私には「長い闘争の歴史」があります。(笑)
「NHKな」彼と「民放系な」私、価値観が違うのです。
しかし、粘り強い交渉と罵り合いと恫喝の結果、「好きにしたらいい」と、父親に吐き捨てさせることに成功しました。(笑)
娘が「末期癌」だと知ってなお、自分の価値観を貫く彼。
「ご立派」です。
ともあれ「家族の同意」が得られましたので(笑)、お風呂のリフォームをすることに決定です。
黄道吉日を「そっちの方面」の方に相談し、11月に工事に着工しました。
そして、寒くなる前の11月上旬にリフォームは完成しました。
私は「冬の温かいお風呂」をゲットできたのです。パチパチパチ。
なお、「腹立ちが治まらない」父親が、お風呂リフォームの着工の日の朝、大工さんの目の前を「パンツ数枚をわしづかみ」にして横切り、車に乗って「プチ家出」をしたことを追記させていただきます。(笑)
79才、いのしし年、元気です。
次は
です。
こんにちは。
いつも楽しくて、為になる情報を共有して頂き、ありがとうございます。
お風呂リフォームの勝ち取り、おめでとうございます!さすがです。
お父様、ご健康で何よりです。私の父も似たタイプなので、とてもよくわかります。私はお風呂の時間が生活の大きな楽しみの一つなので、暖かいお風呂、安全で使い勝手がいいお風呂を満喫されてる事を心から嬉しく思います。お風呂、大事です!1日、1日、毎日が大事ですよね 風太くんによろしく。私にもシャキーラくんが居てくれます。
シャキーラさん、はじめまして&コメントありがとうございます。
そーですか、シャキーラさんのお父様も「可愛らしい」キャラでいらっしゃるのですね。(笑)
私の場合、どんなに急いでいても、のんびりお風呂に入っても、なぜか1時間かかってしまうので、お風呂が快適なのは人生のクオリティーを左右するといっても過言ではありません。
すったもんだしたお風呂のリフォーム、がん保険で受け取ったお金をつぎ込みましたが、、、、一度も後悔したことがありません。
「ばばんばばんばんばん♪はぁ~こりゃこりゃ♪」です。(笑)
シャキーラさん、これからもよろしくお願いします。合掌。
お風呂 おめでとうございます。
はい、ありがとうございます。
「お風呂が寒くない」って素晴らしいです。(万歳)
兄が盆暮れに2週間ほど帰省するのですが、シャワーだけなので「とても寒い」思いをさせていたのも、決心するきっかけでした。
「浴室暖房」さまさまです。合掌。