「抗がん剤」について「私が」思うこと (nya.55)
やっぱり「抗がん剤はいらない、私」 (2014年6月)
自分が【乳癌ステージ4】と知り、3ヶ月経って、趣味の読書を実益に向けることを「ようやく」思いつき、とりあえずの「入門編」として、近藤誠医師の『がん放置療法』を読んでしまう、私という人間・・・。(涙)
『菊池寛賞』を受賞するほどの近藤誠医師の本ならば、「癌について、中庸で広範な知識を得られるだろう」と思ったのです。
希望通り、「癌について」「抗がん剤」について、学んだのは間違いありませんが、それは「入門編」ではなく【劇薬】でした。
今現在、一般的に癌が発見されれば「手術、抗がん剤、放射線」のフルセットを治療として受ける場合が、圧倒的に多いと思います。
それが「世の中の常識」であり、多くの医師が「患者の命を救うため」に選んでいる治療法が、近藤誠医師によって否定されてしまいました。
近藤誠医師の提唱する『がん放置療法』に、「賛同する」と手をあげる医師も患者もおられますが、「少数派」です。
ぶっちゃけ、大多数の医師が選択し行っている治療が、近藤誠医師の言われる通り「間違っている」なんてことがあるのだろうか?と、近藤誠医師の説を信じきれない思いがあります。
でも、「そんなことないない、近藤誠医師が間違っている」と、きっぱり否定しきれないのは、抗がん剤の「承認基準」を知ったからで、なぜならこれは、近藤誠医師が決めたものでもなければ、近藤誠医師の都合で「解釈を変える」ことが出来るものではありません。
抗がん剤が効いたと判断される基準
腫瘍縮小の基準は「がん患者に抗がん剤を投与して、4週間の間に2割の人に50%の腫瘍縮小が見られれば効果あり」という事になっています。
被験者の8割に効果が見られなくても承認される可能性があり、腫瘍縮小も腫瘍が半分程度に縮小すれば承認基準は満たすことになります。
はじめてガン保険 > がんの治療法 > 化学療法 >抗がん剤の承認基準・条件
http://www.paci-gan.com/gan-tiryou/kagaku/2949/(文内の強調は、私がしたものです。)
これは、近藤誠医師の説とは無関係な「事実」です。
近藤誠医師の『がん放置療法』の是非や賛否とは別に、この度得た「抗がん剤」の知識をどう思うのか、です。
「事実」ならば、受け止めなくてはなりません。
「事実と認める」ならば、どう判断するのか、です。
いろいろな考え方や、受け止め方が、人の数だけあるのでしょうが、「私はどうしたいのか」を考えなくては、と思いました。
私は【乳癌ステージ4】と診断されていて、それも、全身に「骨転移無数、リンパ節転移無数」であり、PET/CT画像は「真っ黒」、「手術は無意味」という状況まで乳癌が進行しています。
治療は、骨転移が大きく進んでいる3か所(胸椎、腰椎、左大腿骨)を選んで放射線治療をし、その後はホルモン療法で、乳癌のエサである女性ホルモンを薬によって抑え、乳癌を「兵糧攻め」にしています。
乳癌のホルモン抑制の薬は何種類もあり、試しているホルモン剤が効かなかったり、今のホルモン剤が効かなくなる時が訪れたら、別のホルモン剤を試し、ホルモン剤の「万策が尽きた」場合、抗がん剤切り替える、というのが、医者から聞かされた『治療方針』です。
私は、この『治療方針』を聞いた時、「直感」的に「抗がん剤はいらないな」と思い、医者にもそう伝えました。(参照:【病理組織検査報告書】vs【ホルモン療法】=神さまの領域 (nya.19))
漠然としたイメージで「抗がん剤をしてハッピイになっている人を見たことないな」と思っていたからであり、(誰でもそうですが)自分が抗がん剤の副作用の「身体の不調や吐き気」を耐えることが嫌だったからです。
しかし、そう思ったのは【乳癌ステージ4】と診断を受けた後のことで、実際問題、私は癌治療のフルセットを「受けられない」と知った上でのことです。
自分が【乳癌ステージ4】だと知る前、医者から「左乳房全摘、乳癌同時再建手術」を大学病院で受けるように言われた時(参照:「正式に」癌告知を受ける① (nya.9))は、何の疑問も持たず、医者の指示に従うつもりでした。
具体的に医者から「抗がん剤治療を受ける」と、聞かされてはいませんが、それまで「乳癌の手術」について勉強してきたことから、手術前後に抗がん剤治療や放射線治療をするのは「当然」のこととして受け入れていました。
もし、あのまま「左乳房全摘、乳癌同時再建手術」を受けていたら、今のように「抗がん剤」を拒否する気持ちを持たないまま、抗がん剤治療を受けていたことでしょう。
実際その時の私は、抗がん剤治療を受ける、受けないという「選択肢がある」こと自体、頭を過ぎりもしませんでした。
「セカンドオピニオンが大事」と、世間で言われていることも「知って」いますし、癌の治療方法が一種類ではないことも「知って」いましたが、【癌告知】の衝撃でノックダウンした私の脳に、広い視野を持てというのは酷な話です。
ボクサーに例えるなら、見事なアッパーカット(癌告知)を受けてノックダウン、マットに沈んだ心をようやく立て直し、ふらつく足で立ち上がり、「ファイティングポーズ」をとって試合続行の意志を見せたものの、目の焦点の合わず、ふらついているボクサーを見たレフェリーが、目を覗き込んで脳震盪のダメージを判断しているような状態で、セコンド(医者)から「手術、抗がん剤、放射線」のフルセットの指示が出されるのです。
それまで散々セコンド(医者)の指示で検査を受け続けているボクサー(癌患者)は、アッパーカット(癌告知)のダメージで朦朧とした中、セコンド(医者)の指示を聞けば、疑問を持つより先に従ってしまいます。
私がまさに「そう」でした。
私は、医者から手術を受けるように言われましたが、そこに「選択肢」はありませんでした。
そして、私自身、「選択肢」の有無を思いつくこともなく、「不可避の受難」として抗がん剤治療を受け入れていました。
皮肉なことに、今の私には「選択肢」があります。
万が一、心変わりをして抗がん剤治療を受けるのならば、事前に癌の遺伝子検査を受けると決めました。
最初に、私が「抗がん剤はいらないです。」と医者に言った時、医者が「癌の遺伝子を調べて、抗がん剤が効くか効かないか分かる方法もあるし。50万円くらいかかるけど」と言っていたのを思い出したのです。
「抗がん剤をするならそれを受ける。無駄に副作用で苦しまなくて済むなら、50万円払える」と、私は即断しました。
また、そんな方法があるなら「なぜ抗がん剤治療を行う際の、標準治療の中に組み込まれていないのか?」という疑問を持ちました。
折しも先日、NHK特集で『“がん治療革命”が始まった ~プレシジョン・メディシンの衝撃~』(2016.11.20)という、「癌の遺伝子検査」に沿った癌治療について放映されていましたが、これから数年後には「これ」が主流になるのだそうです。
最大8割の人に「効かないかもしれない」抗がん剤を使い、「効果なく、副作用の苦しみだけ」与えるかもしれないのであれば、事前に癌の遺伝子を調べて効率を上げることは「当然」です。
今現在も抗がん剤治療の副作用で苦しんでおられる方が大勢いるのですから、一刻も早く確立して欲しいと思いますし、「保険適用」になって欲しいと思います。
番組で紹介されていたのは、北海道大学病院の取り組みでしたので、費用等詳しい情報は
http://www.huhp.hokudai.ac.jp/hotnews/detail/00001144.html#a2_2
↑↑↑↑↑で見てください。
他に国内では国立がん研究センター中央病院、京都大学病院、岡山大学病院で、同様の検査を受けられるようです。
いやはや、「抗がん剤について」学べば学ぶほど『ラビリンス(迷宮)』です。
私は今のところ、幸いにもホルモン療法が良く効いていますので、「抗がん剤治療」が目前に迫ってはいません。
その上で、現時点の私自身の結論は、このままホルモン療法で行けるところまで行き、その後の抗がん剤治療は、「やっぱりいらない」と思っています。
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次は
です。
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