「抗がん剤」について学ぶ (nya.54)
やっぱり、自ら学ぶことが大切だと思いました。 (2014年6月)
「まず手始めに」と思い読み始めた近藤誠医師の『がん放置療法』の本。
近藤誠医師は、第60回の『菊池寛賞』をそれまでの複数の著作を対象に受賞されているのですが、その選定理由は、
『乳房温存療法のパイオニアとして、抗がん剤の毒性、拡大手術の危険性など、がん治療における先駆的な意見を、一般人にもわかりやすく発表し、啓蒙を続けてきた功績』
というものです。
私は、近藤誠医師の本を数冊読みましたが、センセーショナルな『がん放置療法』の提唱をしていること以上に、その前提として書かれている「癌について」「抗がん剤について」を、これまで「誤解していた」ことに衝撃を受けました。
近藤誠医師の『がん放置療法』の賛否は、さておき、その前提として書かれている「癌」や「抗がん剤」の知識は、近藤誠医師が慶應義塾大学医学部専任講師で、定年退職するまで在職した現役の医師であったことからも、その著書で『菊池寛賞』を受賞しておられることからも、「極論」ではなく、「正論」なのだとすると、私が「抗がん剤について」これまで知らずにいたことの重大さに、心底驚きました。
私は「好奇心は猫を殺す」式の知的好奇心が旺盛な人間で、読む本はもちろん、観るテレビもジャンルにこだわりません。
典型的な「文系」の頭脳ですが、「NHK特集」大好き、NHK教育「ETV特集」や「サイエンスゼロ」を録画してみるほどの物好きです。
自分の生活にも、就いている職業にも、「まったく役に立たない」かけ離れた知識を、せっせと溜め込み、純粋に「娯楽」として楽しんでいます。
そんな自分が「抗がん剤」について、「抗がん剤」という音の響きから連想されるもの以外、知らなかったことに驚きましたし、穿った見方をすれば、「意図的な情報の欠落」を感じたほどです。
これから、お知らせする「抗がん剤について」の内容は、賢明な方にとってみれば「常識的」なことかもしれません。
私は、「えええええっ、そーなん?びっくり!!」と思ったので、「抗がん剤」について、「驚いた」部分を紹介します。
(ちょっと長いけど「大切なこと」なので我慢して読んでくださいね。合掌。)
(長いので・・・、近藤誠医師の記述ではなく、他のサイトからコピペすることをご承知おきください。)
まずは「抗がん剤」そのものの説明
抗がん剤(こうがんざい)
がんの治療に用いられる薬剤のことです。がん細胞の増殖を妨げたり、がん細胞そのものを破壊する作用を持った薬です。作用の仕方によって、さまざまな種類の薬があり、単独、あるいは、数種類を組み合わせて用いられます。錠剤やカプセル剤といった経口薬(のみ薬)と、点滴のように血管に直接投与する注射薬などがあります。
http://ganjoho.jp/public/qa_links/dictionary/dic01/koganzai.html
手術治療や放射線治療が、がんに対しての局所的な治療であるのに対し、抗がん剤は、より広い範囲に治療の効果が及ぶことを期待できます。このため、転移のあるとき、転移の可能性があるとき、転移を予防するとき、血液・リンパのがんのように広い範囲に治療を行う必要のあるときなどに行われます。
http://ganjoho.jp/hikkei/chapter3-1/03-01-05.html
と、あります。
ここまでは「何となく」理解していたことと一致していました。
驚いたのは「抗がん剤」の承認基準と、「抗がん剤が効く」ということの意味です。(文内の強調は、私がしたものです)
抗がん剤の承認基準
1.第1相試験・・・安全性
2.第2相試験・・・腫瘍縮小効果
3.第3相試験・・・延命効果
基本的にはこの3つを基準に承認審査を行います。安全性というのは、その薬を使用して命に危険がないのか、副作用が大き過ぎないかなどをチェックします。
腫瘍縮小効果とは、その薬を使用することで、がん病巣が小さくなるのかということです。抗がん剤は、がん細胞を死滅させるのではなく、縮小させれば効果があると判断されます。
以前は安全性と腫瘍縮小効果のみが審査の対象でしたが、2006年からは延命効果も対象となっています。がんが小さくなった所で延命効果が無ければ何の意味もないわけですから、基準に含まれて当然なのですが、少し前までは承認基準に含まれていませんでした。
ただし、患者が少なく延命効果が確認しにくい薬については、安全性と腫瘍縮小効果のみで承認されることがあります。
抗がん剤が効いたと判断される基準
承認基準に延命効果が含まれるようになったことで、本当にがんに効く抗がん剤しか承認されなくなったと言えますが、問題は「抗がん剤が効いたと判断される基準」です。
先述したように、抗がん剤は、悪性腫瘍を消滅させることで効いたと判断されるわけではなく、腫瘍が縮小すれば効いたと判断されます。
さらに、腫瘍縮小の基準は「がん患者に抗がん剤を投与して、4週間の間に2割の人に50%の腫瘍縮小が見られれば効果あり」という事になっています。(2割の人でなく1割の人でも承認されるという話もあります。)
要するに、被験者の8割に効果が見られなくても承認される可能性があり、腫瘍縮小も腫瘍が半分程度に縮小すれば承認基準は満たすことになります。
抗がん剤は、がんができた部位や進行度が同じでも、人によって効き具合が全く異なる場合もあり、多くの人に効果がある抗がん剤しか承認しないようになってしまうと、多くの抗がん剤が承認されなくなってしまいます。
ですので、腫瘍縮小の基準を厳しくすることが良いとは言えませんが、大きな期待を持って使用すると、自分には効果がなかった時の落胆が大きくなってしまいます。抗がん剤治療を行なう場合には、種類にもよりますが効果が出ないことの方が多いぐらいの気持ちを持って望むのが良いかもしれません。
はじめてガン保険 > がんの治療法 > 化学療法 >抗がん剤の承認基準・条件
http://www.paci-gan.com/gan-tiryou/kagaku/2949/
驚きませんでしたか?
知ってましたか?
私は知りませんでした。(涙)
漠然と「抗がん剤」って、癌を抑制して、制圧、消滅させるものだと「何となく」思っていました。
だからこそ「抗がん剤を使って副作用に苦しむ」ことが分かっていても、多くの癌患者の方がそれを選択するのだし、上手くいくと「癌が完治する」と思っていたのです。
「4週間の間に2割の人に50%の腫瘍縮小」・・・と、いうことは、「8割の人は、抗がん剤の副作用だけ」「残り2割の人も癌が半分になるだけ」「4週間を過ぎたら、再び癌が拡大することもあり」なわけですよね。
こんなに条件の悪い「賭け」は、日常なら「避けて通る」こともできますが、「命懸けで他に手段のない」時には、賭けに出ざるを得ないのが、癌患者の悲しい現実です。
これらを踏まえて、近藤誠医師は著書の『がん治療で殺されない七つの秘訣』でこう断じています。
(この引用も長いです。合掌)
『がん患者には、何かにつけて抗がん剤が使われます。しかし抗がん剤には、がんを治す力がないし、延命効果もない。あるのは、過酷な毒性だけです。そのため、抗がん剤を使えば使うほど、寿命が縮まります。』
『医者が患者に抗がん剤を勧めるのは、好意的に解釈すれば、抗がん剤が効くと思っているからでしょう。ただし「効く」といっても、「治る」という意味ではありません。抗がん剤の専門家(腫瘍内科医という)であれば、抗がん剤で(固形がんが)治ると考えている人は誰もいないのです。
抗がん剤を使う医者たちは「延命効果」があると思っているのかもしれません。が、その場合も、患者・家族が期待するような(一年、二年といった単位での)延命ではありません。二ヶ月、三ヶ月といった「月単位」での延命効果があると考えているのです。
しかし、仮に数ヶ月の延命効果が得られると仮定しても、抗がん剤の治療期間は延命期間よりずっと長い。それでは抗がん剤の毒性に苦しむ期間がのびるだけで、生活の質(QOL)は、下がってしまいます。
したがって、延命効果を理由として抗がん剤を使う医者たちは結局、患者の生活の質には関心がないと考えざるを得ないのです。』
・・・これは(笑)・・・まさに「喧嘩上等」の殴り込みですね。
近藤誠医師の『がん放置療法』は、常に論争の的であり、賛否が分かれています。
近藤誠医師の「ショッキングな断定」は、今まさに抗がん剤治療を受けておられるがん患者の方の気持ちを傷付けますし、ご家族の方が憤られるのも無理もありません。
「医療業界」の方たちはこれを読んで、「瞳孔が開いた」ままフリーズしたことでしょう。
ただし、抗がん剤治療を受けられた患者に対して、近藤誠医師の『がん放置療法』の前提である「抗がん剤の承認基準」という正しい情報が、医者から患者に提供され、その上の「選択肢」として、「抗がん剤治療」の「提案」がなされたのかと思う時、私自身の経験からも、甚だ心許なさを感じます。
近藤誠医師以外の癌関連本も読みましたが、私のような浅学の人間には、「癌」や「癌治療」について「何が正しい」のか判断しかねていますし、未だに「保留」中です。
ただ、知識を得て、「抗がん剤」に対して『自分はどうしたいのか』を選択することが出来るようになりました。(後のブログで話します。)
そして、癌についての知識を「知らないまま」判断するよりは、広い視野を得られたことに満足しています。
やはり、大切なことは、「自ら学ぶ姿勢」が大切なのだと、しみじみ考えさせられるのでした。
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次は
です。
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