ハウステンボス「九州一 花火大会」珍道中④ 花火で極楽浄土をみる (nya.114)
地獄のハウステンボスロード、果てしなく遠いホテル(涙) (2016年9月)
旅行2日目、今日のミッションは、
1.博多駅隣接のデパ地下で、夕食を仕込む(コンビニで酒を仕込む)
2.くうてん – JR博多シティ アミュプラザ博多で昼ごはん
3.ハウステンボス行きの特急に乗る
4.ハウステンボス駅からウォーターマークホテル長崎・ハウステンボスまで1時間歩く
5.ホテルの部屋から、真正面の海に上がる花火を観る
です。
午前中はゆったりですが、午後がハードになりそうです。(涙)
好んでこのようなスケジュールを組んだはずもなく、発売開始を待って買いに走ったものの、団体旅行ツアーに先を越され、希望していた時間帯の博多ハウステンボス間の特急指定席が押さえられなかったため、玉突きで「こんなこと」になりました。(涙)
旅行のメンバーが「後期高齢者の母、左半身不随、高次脳機能障害で車いす生活の兄、【乳癌ステージ4】の私、福祉関係の仕事を持つ私の友人」であることを考えれば、綱渡りなスケジュールです。(涙)
ハウステンボス駅に着くのが5時頃、ホテルに到着予定時間と、花火大会開始の午後6時30分が同時になりそうです。(涙)
朝はゆっくり起き出し、前夜コンビニで買ったパンを食べて「おのおのが、自分の薬を飲む」ことからスタートです。(笑)
半年も前に予約したホテルは、「こんなことになる」とは知らず「素泊まり」です。
「素泊まり」の夕食確保のため、まず、今夜の食料をデパ地下で買い漁ります。
そのために私と友人は、申し合わせて必要以上に大きなキャリーバックを引っ張って来たのです。
次は「飲み物=アルコール」。これはコンビニに行って、キャリーバックに放り込めば楽勝です。
昼食は、前夜のもつ鍋で犯した「危険」を避けて(参照:ハウステンボス「九州一 花火大会」珍道中③ イルカショーともつ鍋 (nya.113))、博多駅に隣接したくうてん – JR博多シティ アミュプラザ博多の中から選びました。(笑)
最近の建てられたものの「いい点」は、ベビーカーの若いファミリーの取り込みを狙って、「通路が広く、バリアフリー」なことで、車椅子には大助かりです。
旅行の醍醐味と信じている「昼酒」と名物の「サバ定食」をいただいた昼食後、兄と私は喫煙室へ。(笑)
周囲の人は、ごっつい車椅子で喫煙室に侵入する「カップル」を見てまず驚き、会話から「兄妹」だと知り、「妹は付き添いか」と思いきや妹も煙を吐き出すのを見て驚くのですが、この妹が【乳癌ステージ4】だと知れば、もっと驚くでしょう。(笑)
この日の博多駅は、ハウステンボス「九州一 花火大会」へ向かう団体バスが何台も連なっていて、私たち一行を「ビビらせて」いました。
この時点で「燃え尽きた感」がありましたが、まだ博多から一歩も進んでいません。
JRに向かい、駅員の方の誘導で「電動車いす」が無事「特急」に乗り込み出発です。
ハウステンボス駅着くと、スタンバってくださっていた駅員の方が、「ご覧の通りの混雑です。改札が通れるようになるまで10分はかかると思います」と言われます。
「ごもっとも」と思い、私たち一行は、同じ特急に乗り合わせた花火大会に向かう人たちの最後尾が現れるのを待ちました。
ハウステンボス駅から、ハウステンボスの入場券が買える入口まで「電動車いす」で10分。
長蛇の列のチケット売り場に、「電動車いす」の兄を従えて参戦です。
もちろんハウステンボスにも「障碍者割引」があるのですが、やっぱり「当人と障碍者手帳」のセットが必要なのです。
ようやくチケットを入手し、ハウステンボスに「入国」。
普段ならハウステンボス内を循環するバスがあり、「電動車いす」が乗れることは確認済みですが、なんと花火大会当日は混雑するためバスは午前中で休止されています。(涙)
このことを事前に知った時には、気を失いそうになりました。(笑)
私たちの目指すウォーターマークホテル長崎・ハウステンボスは、花火の打ちあがる海の真正面、人々が目指す「花火大会」の方角と一致していますので、それについていけば迷うことはありません。
ヨーロッパの街並みと言えば「石畳」(涙)、兄が「電動車いすで行く」といい張ってくれてよかった、と思いながら、でかいキャリーバックをガラガラ引っ張り、人混みが流れるままに進みました。
『バッテリーが切れるかもしれない』と兄が嫌なことを言い出して、『いざとなったら私(乳癌ステージ4だけど)が押すから大丈夫』と、なだめつつホテルに向かうこと40分。
お彼岸時期の日没が先か、私たちがホテルに着くのが先か、刻々と迫る「花火開始時間」に急かされて歩き続け、荷物を持たず最も身軽な母親が「無口」になる頃、花火のために「消灯して真っ暗なホテルのロビー」に到着しました。
無事、兄の電動車いすのバッテリーがなくなる前に部屋に辿り着き「神に感謝」している時、最初の花火の打ち上がる音が聞こえました。
慌てて窓に近付くと、窓一杯に花火が!!
「ま、間に合った」ツアコンの私は胸を撫で下ろしました。
ウォーターマークホテル長崎・ハウステンボスはバルコニーがなく、「窓越し」にしか見えないのが難点ですが、窓の正面が打ち上げ場所なので、まことによく見えます。
歓声を上げる同行者3人を部屋に残し、私はホテルの裏玄関脇の「喫煙所」へ。(笑)
花火が見えないその場所で、「盛大な」花火の音だけ聞きながら、煙とともに「盛大な」溜息を吐き出し、疲労のあまり「虚脱した」頭で、約1年かけて「辿り着いた」場所にいることに感謝しました。
自分の「花火を見たい気持ち」で始めたことですが、途中から「ツアコン」として、後期高齢者の母と電動車いすの兄を「無事に運ぶ」ことがミッションと化していて、半端なく達成感がありました。(笑)
その後、部屋に帰ると、疲れ果てた母親が、花火も見ずにベッドで寝ていました。(笑)
ホテル前の花火会場で見ることも考えたのですが、「いろんな意味でギリギリ」な家族旅行+1、ホテルの部屋から見る方が安心と、選んで正解でした。
博多で仕込んだ夕食を食べ、「梅酒ソーダ」を飲むと母親も復活し、花火を満喫しました。
あまりに至近距離で花火が上がるため、写した写真はすべてハレーションを起こしていましたが、肉眼で見る分には「それはそれは美しく」、あまりの美しさに「極楽浄土を見た」と思いました。
母親も兄もそう思ったらしく「このまま成仏してしまいそう」と言って「はしゃいで」いました。(笑)
各々の事情で、私を含め、母も兄も、確かに「あの世に近い」ところにいるのですから「シャレにならん」と大笑いです。
その夜「花火で極楽浄土を見た」我々は、疲労のあまり「死んだように」爆睡しました。(笑)
(つづく)
次は
ハウステンボス「九州一 花火大会」珍道中⑤ 3日目は大雨でした (nya.115)
です。
珍道中感満載で200%オモシロイ(他人事ですから)!
ホテル到着後、皆を置いて一人呑むタバコ
さぞ悶絶されたことでしょう
労働の後の「一杯のビール」、虚脱して「吐き出すタバコの煙」
「このために生きてきた!!」と思える一瞬です。(笑)