初秋の田舎「散歩未満」家の前の休耕田(nya.1055)

初秋 早朝の田舎

East, west, home’s best. ま、ベストではないのでしょうが、、、(笑) (2019年9月20日)

古今東西、世界中に魂が抜けるほど美しい絶景は多々あり、それらを直に目にするために世界中を旅する人も多々おられます。

テレビやネットでそのような絶景を目にすると「いいなぁ、行ってみたいなぁ」と思うのですが、如何せん私は致命的にフットワークが重く、実現に至ることはありません。

長々と会社を休職し、ほぼプータローとして過ごしているにもかかわらず、細々とした雑事もなく、本当に何もしなくていい1日を確保すると「しめしめ♡」と思うことを止められないのですから、出不精の極みと言えるでしょう。(笑)

初秋 早朝の田舎

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私という人間が、「致命的にフットワークが重い」のだと思い知ったのは、何と言っても【乳癌ステージ4】のがん告知を受けた時でした。

医者からの余命宣告はなかったものの、「あ?こりゃ死ぬな」と思わずにはいられない骨転移無数、リンパ節転移無数のPET/CT画像を見て、遠くない未来にこの世を卒業することを悟った私は、「残された貴重な時間でしたいこと」を必死に自問しました。

私が自分以外を経験することは出来ませんので、余命宣告を受けた他の人の心の内は分かりませんが、自分のやりたいことを「必死に自問する」時点で、少しオカシイのではないかと思わざるを得ませんでした。(笑)

初秋 早朝の田舎

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「ちょっと待て、自分。普通、死ぬとなったら、やりたいことの一つや二つ、三つや四つ、あれもこれもとすらすら思い浮かばんか、普通」と、さっぱり「死ぬまでにやりたいこと」が思い浮かばない自分に焦りすら覚えました。(笑)

自分が、あまり多くのものを欲しがらない性分だとは知っていましたが、その時の私は46才、物事を達観して枯れるにはあまりに若く、死を目前にして「ぼんやりしすぎだろう」と、思わず自分を叱咤激励してしまいました。

アップルの創設者であるスティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業祝賀スピーチで有名な

「もし今日が人生最後の日だったら、今日やることは本当にしたいことなのか?」
この問いに「NO」が何日も続くのなら、なにかを変えなくてはならない。

という名言も、私にあっては形無しです。(嘆息)

初秋 早朝の田舎

初秋 早朝の田舎初秋 早朝の田舎

私が「やりたいこと」として、まず最初に思ったのは「大好きな自然の四季の移ろいの美しさを出来るだけ何回も堪能したい」であり、これはもう、真正の田舎に住んでいる以上、その場で目を凝らせば実現してしまうのです。

「他にあるだろう、他に」と思わずにはいられませんでした。(笑)

「どこかへ行きたい所は?」は、死を目前にした人の鉄板な問いかけであり、これくらいは「そー言えばあそこ・・・」と思いつくかと思いきや、「・・・・・特にない・・・」と不発。(嘆息)

事ここに至って旅先を思いつかない自分は、「致命的にフットワークが重い」のだと自覚した次第です。(笑)

まぁ、神社系で「呼ばれた」時には、驚くほどすらすらと行けてしまうのですから、こーゆーのもご縁ですよね。

 

初秋 早朝の田舎

初秋 早朝の田舎初秋 早朝の田舎

「自分がどのような人間なのか」を捉えるのは難しく、事前にシュミレートしたとしても「理想バイアス」がかかっていて、大体において現実と差異が生じるものですが、私の場合は「拍子抜け」しました。(笑)

結局その時の私が、死の縁を覗き込みながら捻り出した「どうしても欲しいもの」は、「猫のいる生活がしたい」という何ともお手軽なもの1点だけだったので、思いついてから半月もかからずに風太をGETして実現し、現在に至るわけです。(笑)

物ぐさな私らしい「簡単なお願い」だったので、「よかったよかった、これでもう、思い残すことはない、後は丁寧に、生きられるところまで生きよう」と、すんなり思えたことは幸いでした。(笑)

初秋 早朝の田舎

 

初秋 早朝の田舎

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その「出不精」で「物ぐさ」な私が、今はこうして毎日ブログをアップし、四季折々の田舎の風景をお届けしているのですから、「長生きはするもの」です。パチパチパチ。

毎日3枚の田舎の写真をアップするためには、常にストックの補給が欠かせませんので、今ではどこに行くのもデジカメを持ち歩く習慣が身につきましたし、自宅周辺を1時間以上ぽてぽて歩いて小さな季節の変化を探すのも習慣になりました。

自然の中に身を置いて、日差しを浴び、風に吹かれると、自分が細胞レベルで喜ぶのでヤミツキですし、風太が一緒に歩いてくれる時は、さらに幸せがアップします。

初秋 早朝の田舎

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初秋 早朝の田舎

「数日前に歩いたばかりなんだから、今日は止めとくかなぁ」と気が進まないまま歩き始めても、必ず「ああ、美しいな」と思う瞬間に出会います。

田舎の変化など微々たるものだと思い込みがちですが、「去年の今頃、あそこにあの花が咲いていたから行ってみよう」と思って行ってみると、その場所に別の花が咲いていることもよくあります。

今日は今日の光線と風、自分も数日前とは異なる心、数日前には目立たない蕾だったものが花開き、トンボや蝶々と出会うこともあれば、ふと見上げた空の雲が季節を告げていたりして、千変万化の万華鏡を覗くように、ふつふつと喜びで満たされます。

初秋 早朝の田舎

初秋 早朝の田舎

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そして今日の写真です。

これはもう「散歩」でもなく、まさに自宅前です。(笑)

家の前の田んぼとあぜ道が、今年は以前に増して「放ったらかされているなぁ」と思ってはいたのですが、手入れされないことを幸いに、初秋を告げる朝顔と、猫じゃらしが盛大に繁茂して、美しいことになっていました。

秋分に向かってだんだん夜明けが遅くなり、東の山から差し込む朝日がキラキラしているのを自室から寝ぼけまなこで発見、デジカメ片手に歩くこと数十歩で「絶景」です。(笑)

初秋 早朝の田舎

初秋 早朝の田舎

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私以外の田舎の住人からすれば、朝から草茫々の休耕田を激写するなんて「頭オカシイ」所業ですから、つば広野帽子を被り、時折り出勤のための車が通りかかった時にはそっとカメラを隠して、「草むしりを算段するお百姓の体」を装いました。(笑)

いつだって家の外に出たい風太は、私の後についてきて、やっぱり「頭オカシイんじゃ?」という憐れんだ視線で相方の奇行を眺めていました。

でも、私は「大満足」です。

風太がいて、お日さまがキラキラして、きれいな花が咲いて、蝶々が飛んで。

5年前のあの時、私が「欲しい」と思ったものが、ここにあります。

比べられるほど、他の場所を多く知っている訳ではありませんが、East or west, home’s best. 「ここも、なかなかいい♪」と思うのです。

(おしまい)

初秋 早朝の田舎

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初秋の田舎「散歩未満」家の前の休耕田(nya.1055)” に対して 6 件のコメントがあります

  1. たお より:

    ふるゆらさん、こんばんは。たおです。

    私も、同じような思いでした。

    命の限りを意識したとき、もし、それまでの暮らしが充実していたなら、改めて何かを始めたり、わざわざ変化を求めたりすることが無くても納得できますよね。でも、日々の私の暮らしぶりはとても人様に誇れるようなものではなく、むしろ「悔い改めるべきこと」が、容易に幾つも見つけられてしまうという、まあ、その程度のものだったのです。
    なのに、何故でしょう?告知を受けても、行きたい所も、やりたいことも、何も思い浮かばなかったんです。
    病理検査の結果、腫瘍の大きさが初診時の2倍以上だったと聞いたときは驚きましたが、それよりも「残りの人生を悔いなく生きたいのに何も浮かばない」ということの方が驚きでした。

    あれから2年、未だ何も浮かばず、何も変わらない毎日です。

    ふるゆらさんのように、何かを見つけて続けて行けたら素敵だなと思いつつ、さて、私は何をしよう?
    取りあえず美味しい秋を堪能しながら、のんびり考えてみることにします。

    いつも素敵な風景とカッコいい風太の写真、そして穏やかな文章をありがとうございます。
    季節の変わり目、ご自愛くださいね。

    1. ふるゆら より:

      そーですか、たおさんも「何も思い浮かばない」のですね。(笑)

      ではでは、山頭火の春夏秋冬「山あれば山を観る 雨の日は雨を聴く 春夏秋冬 あしたもよろしゆふべもよろし」に因んだ「ゆうべもよろし」派へ、ご入会ということで。(笑)

      同じグループの私の考えはこーです。

      「丁寧に生きる」ということは、何か建設的なことをしたり、遠くまで行くことではなく、今まで見過ごしていた小さなことに喜びを見出すこと。

      忙しい時は、雨の音を聞けば「雨か、鬱陶しいし、ついてないな」と思うばかりで、目先のなすべきことの方に集中してしまいますが、人生は有限だと知った今、「秋らしい静かな雨音、あと何度、秋の雨音を聞くのだろう」と思えば、愛おしく思えます。

      まぁ、要は、、、、、「注意力が散漫なくらいが丁度いい」と思っているのですよ。(笑)

      たおさんも、頑張り過ぎないように頑張ってください。合掌。

  2. ゆうこ より:

    ではふるゆらさんは心中穏やかにお過ごしなのですね
    大慶の至りでございます
    観察されるものは観察する者によって影響されるなあと
    しみじみ思います
    ふるゆらさんの紹介してくださるお写真はいつもどれも
    奥行きがあってやさしさに満ちていて息が楽に出来る感じが
    します
    ふるゆらさんの目がカメラを通して対象を取り込むから
    私には猫じゃらしも蝶も朝顔もみんな喜んでるように見えます
    灯台もと暗し 幸せは遠くじゃなくて足もとにあるのでしょうか
    絶景の只中に住んでらっしゃるのですね
    私の住んでるアパートは電車の線路沿いにあり電車が
    通る度に轟音が響いて部屋が振動する劣悪な環境です
    私の場合幸せの風景はそれを思い描いている時だけです
    心の中だけですね

    1. ふるゆら より:

      電車の音が響く部屋、、、『銀河鉄道スリーナイン』を連想するのはどーでしょー。(笑)

      私は人口密度の低い土地に生きているので、都会の人の多さにいつも気圧されるのですが、それは、これだけの多くの人が、それぞれに、自分と同じ重さの歴史や生活や人生を背負って交錯していることが、途方もなく感じるからです。

      電車は、その一時だけ同じ方向に行きたい人が箱型の空間を共有し、同じ目的地で駅に降りても、そこから異なる道を歩き出す、日常的でありながら不思議な乗り物です。

      わたしは、電車やバスに乗っている夢をよくみるので、そう思うのでしょうか、、、。(笑)

  3. 金太郎 より:

    こんにちは。

    私もステージ3だと予後がそれなりに悪いから、思い残すことがないようにやりたいことを、、、と必死に考えたものの、特に何も浮かばなかった残念な経験があります。
    突然大きなしこりを自覚して一瞬血の気が引いたのが、がんに対する最大のリアクションで、その後心境の変化も生活態度を改めることもないまま現在に至っております。

    風太殿との生活や豊かな自然の中での日々。
    望むものが手の届くところにあるのですから、フットワークの悪さなど問題ないのでは(笑)

    『知足』の先にあるものは『満足』かなと思う今日この頃です。

    1. ふるゆら より:

      そーなんですよねぇ、実際に自分が【乳癌ステージ4】になってみて、それまでメディアを通じて見ていたがん患者のステレオタイプなアレコレが、「いかにも」であることを知りました。(笑)

      それに考えてみれば、私は日本国民に大人気のディズニーランドへも行きたいと思わない変人です。

      ちと感性がずれているのも、むべなるかな、です。(笑)

      金太郎さんも「思い浮かばなかった」んですね。

      私自身は、山頭火の春夏秋冬「山あれば山を観る雨の日は雨を聴く春夏秋冬あしたもよろしゆふべもよろし」が好きなので、『ゆうべもよろし派』と名乗っていますよ。(笑)

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