“Go To ”高野山へお参りしました (nya.1440)

高野山 根本大塔
高野山 根本大塔

ついに、弘法大師さまに「呼ばれた」高野山は、私にとって卒業式のようでした。 (2020年10月9日)

田舎の真言宗の家に生まれて52年、以来ずっと同じ家に住み、年中行事で仏壇やお墓に手を合わせて「南無大師遍照金剛」と唱える機会は数え切れず、しかも、個人的に神社仏閣を訪れることが大好きで、全国の様々な神仏に手を合わせているのに、「弘法大師さまに呼ばれない、、、?」このことをずっと不思議に思って生きてきました。

ご縁が薄い訳ではなく高野山ではなく京都の東寺には何度となく訪れ、兄がくも膜下出血で倒れた時、真っ先に「病気平癒」のお札をいただきに行ったのも東寺でしたし、何より、生涯を通じてがっつり護られ導かれている感覚は揺らぐことなく確信しているのに、「高野山に呼ばれない」とはこれ如何に?

石上神宮も富士山も戸隠神社も貴船神社も姫路の円教寺も、呼ばれた時には「あ?今、呼ばれましたね」と私の野生の勘がささやくので、タイミングを外したことはないのですから、逆に言うと「呼ばれていない」こともよく分かるのです。

そんな私が、ついに「高野山に呼ばれ」ました。

高野山上から見える山並
高野山上から見える山並
高野山 大門
高野山 大門
高野山 大門
高野山 大門

人生には「秋(とき)」があると思い、その絶妙なタイミングで現れる天の配剤に常々感服している私は、「呼ばれないものは、しゃーないな」と、この夏の検査で、がん転移が「再燃」したことを知った時も、高野山を目指そうとはこれっぽっちも思いませんでした。

でも、キングオブ凡人である私に「困った時の神頼み」という考えが浮かばないはずはなく(笑)、がん転移が再燃したと分かってもあまり動揺していない自分の心を確認して、「まぁ、車で5分、ご近所の氏神様に手を合わせに行こうかな」と思っていた矢先、思いがけない形で「Goto高野山」が降って湧きました。

曖昧模糊としたコロナのご時世、世間から隔絶した「引き籠り=自粛」病気休職を続けて3年目、まさか自分が、今世間でトレンドの「Gotoトラベルキャンペーン」に参加することになるとは、、、お釈迦さまもびっくりです。(笑)

詰まるところ、所詮、すべては「お釈迦様の掌の上で踊らされる」ばかりの凡人は、長い病気休職生活で衰えた筋力体力も、片道半日仕事になる移動も、コロナの憂鬱も吹き飛ばして、重い腰を上げざるを得ないような「エサ=天の配剤」を目の前にぶら下げられて、ホイホイと高野山を目指すことになるのでした。合掌。

高野山 壇上伽藍 中門
高野山 壇上伽藍 中門
高野山 壇上伽藍 金堂
高野山 壇上伽藍 金堂
高野山 壇上伽藍 大塔の鐘
高野山 壇上伽藍 大塔の鐘

その「エサ」なるものが何であったのかは、最後に種明かしするとして、ともあれ9月初旬には私の心の中で、高野山へお参りすることは決定事項となりました。

決めたからには早くお参りしたいけれど、「ネバーエンディング・ホットフラッシュ」の私に、9月の残暑は危険過ぎます。

「んじゃ10月」と思い高野山の気候を調べて見ると、最高気温22度/最低気温10度、こ、これは、暑いのか寒いのかよく分からないではありませんか。(笑)

22度で歩けば滝のような汗が吹き出しますし、10度ならカイロが必要ですし、、、雨の日に当たる可能性もあります。(嘆息)

ともあれ、重ね着で体温調節を出来るだけサポートして工夫することにして10月2日(金)、大安、満月、奥之院萬燈会(おくのいんまんどうえ)を目指して出発することにしました。

体力のない自分、しかも移動に半日ですから、1日目は宿坊に一泊し、2日目の10月3日(土)、赤口、一粒万倍日(一粒の籾(もみ)が万倍にも実る稲穂になるという意味。何事を始めるにも良い日とされ、特に仕事始め、開店、種まき、お金を出すことに吉。但し、借金や人から物を借りることは苦労の種が万倍になるので凶)に、奥の院でお守りをいただいて家路に着くプランです。

高野山 壇上伽藍 山王院
高野山 壇上伽藍 山王院
高野山 壇上伽藍 御影堂
高野山 壇上伽藍 御影堂
高野山 壇上伽藍 西塔
高野山 壇上伽藍 西塔

さてさて蓋を開けてみれば、高野山へお参りした2日間は、ご覧の写真の通り「快晴」でした。(万歳)

生まれて初めてお参りした高野山の印象は、「これは、一生に一度の場所だなぁ」と「意外なほど穏やかで平和な場所だなぁ」でした。

「天空の宗教都市」と言われる場所、厳しく険しい山々を超えなければたどり着けない場所、数え切れない死者を弔う場所ですから、そこの空気は、もっとピンと張りつめたものなんだろうと想像していたのですが、高野山は、まぁるくてやわらかい空気に満たされていました。

なんというか、「内八葉、外八葉」と蓮の花にたとえられる、十重二十重に険しい山々に取り囲まれた地形そのものを 「盤石の結界」としている余裕のようなものが漂っているのです。

鉄道や自動車のなかった時代、高野山へ辿り着こうとするには「命懸けの固い意志」が必要だったでしょうし、そこに邪な思惑が含まれる余裕はない程の険しい山々です。

弘法大師さまがここを選ばれたのは、下界の俗世間のどのような変化も時流も「手が届かない場所」に祈りの聖域を築こうとされたからなのだろうと感じましたし、またそれが1200年の歳月の流れに耐えて成功しているからこその、自信に裏打ちされた「穏やかさ」だとも感じました。

高野山 壇上伽藍 根本大塔
高野山 壇上伽藍 根本大塔
高野山 壇上伽藍 根本大塔
高野山 壇上伽藍 根本大塔
高野山 壇上伽藍 根本大塔
高野山 壇上伽藍 根本大塔

朝早くに田舎を出発して、午前中に高野山に到着した私は、澄んだ秋の日差しの中、まるで弘法大師さまが「よくここまで来たなぁ、ここまで来たら、もう安心していいぞ」と優しく抱きとめて、頭をよしよしと撫でてくださっておられるような、そんな嬉しさを抱えてポテポテ歩いてお参りを続けました。

世界遺産の高野山ですので、見どころは無限にあるのですが、私が最も感動したのは、壇上伽藍の根本大塔と奥の院の弘法大師御廟です。

根本大塔の大日如来さまの前に座って手を合わせた時、奥の院の御廟の弘法大師さまの前で手を合わせた時、心の底から「ようやくここに来られたこと」に安堵しました。

弘法大師さまの「よくここまで来たなぁ、ここまで来たら、もう安心していいぞ」と心に語りかけてくださる言葉が、物理的な距離のことだけではなく、私がこれまで不器用なりに生きてきた五里霧中、七転八倒、七転び八起き、気の遠くなる紆余曲折の道のりの末にここへ辿り着けたことを褒めていただいているように思えて、涙が止まりませんでした。

悲しいことは一つもないのに涙が静かに流れて、、、この感じ、何かに似ていると思ったら「卒業式」でした。

通過地点に過ぎないことはよく分かっているのですが、一つの節目であり、「我ながらよく頑張ったなぁ」としみじみ思えて、教え、護られ、導かれてここまでサバイブ出来たこと、感謝と安堵と誇りで胸がいっぱいになりました。

高野山 金剛峯寺
高野山 金剛峯寺
高野山 金剛峯寺
高野山 金剛峯寺
高野山 金剛峯寺
高野山 金剛峯寺

お昼前に高野山に着き、ポテポテ歩いた私は、午後3時半には宿坊に入り、入念に足のマッサージをして夕食を食べ「夜」に備えました。

そうです、己の体力のなさよりも「せっかくだから」という貧乏性なささやきに負けた私は、無謀にも、奥の院への参道往復4kmを「夜と朝」2度歩くことを選択していたのです。(嘆息)

満月の夜、奥之院萬燈会(おくのいんまんどうえ)が行われるこの日を選んだのは「ナイトツアー」に参加するためです。

月明かりと燈明に照らされた奥の院への参道を僧侶の方のガイド付きで歩き、御廟の前で読経をしていただくのです。

それはそれは美しい夜の散歩でした。

御廟の前に「燈籠堂(とうろうどう)」があり、そこで萬燈会が年に2回おこなわれるのですが、お堂の天井をびっしりと埋め尽くす燈籠のオレンジの灯りが幻想的で、声明(しょうみょう)も美しく、これまた一生に一度だなぁと思いました。

案内をしてくださった若い僧侶の方が、御廟の前で読経してくださり、やっと弘法大師さまに直接お会いでき、手を合わせることが出来て感無量でした。

弘法大師さまに「もう、お会いできないままこの世を卒業するのかと思っていましたよ。思いがけず、こうして自分の足でここに来られて、私は本当に幸せ者です。」と私が笑いながら話しかけると、「そうかそうか、よく来たな、よかったなぁ」と頭を撫でてもらいました。

、、、ただ「ナイトツアー」、同行した健康な人たちの歩くスピードに「半泣き」でした。(笑)

私と同病の方には、ツアーではなく自分のペースで歩くことをおススメします。(嘆息)

お墓がびっしり両脇にあるのですが、高野山のまぁるくてやわらかい空気があるばかりで、少しも恐ろしいことなどありませんので、安心して夜の散歩を楽しんでください。

満月
満月
高野山 奥の院参道
高野山 奥の院参道
高野山 奥の院参道
高野山 奥の院参道

と、ここまでが私の「Goto高野山」の「1日目」です。

宿坊に帰った私は疲労困憊(泣)、半分寝ながら1時間かけて足をマッサージして明日の「1往復」に備えた後、泥のように眠りました。

「Goto高野山」の「2日目」は、6時30分、宿坊の朝の勤行から始まります。

その後、護摩祈祷で「当病平癒」のお札をいただき、朝食後、再び奥の院へGOです。

今度こそ、私を高野山へと駆り立てた「エサ」をGETするために奥の院へ向かいます。

高野山 奥の院参道
高野山 奥の院参道
高野山 奥の院参道
高野山 奥の院参道
高野山 奥の院参道
高野山 奥の院参道

至極当然のことながら、2日目の朝起きて見ると、前夜の足のマッサージも空しく私の足はお亡くなりになっていました。(号泣)

参道がほぼ平坦であることが、救いでした。

繰り返しますが、奥の院の参道は片道2km、往復4kmです。

約12時間のインターバルを挟んでこれを2回こなせる体力も筋力も私にあるはずもありませんが、私には「昭和生まれで育まれた根性」と「体育会系の鍛え上げた根性」があります。

すべてを終えて、荷物を預けていた宿坊に辿り着いたのが11時頃。

精も根も尽き果てた私は、自宅の最寄り駅まで帰れても、その駅の陸橋の階段が登れないのではないかという恐怖を抱いて帰途につきました。(笑)

高野山 奥の院参道
高野山 奥の院参道
高野山 奥の院参道
高野山 奥の院参道
高野山 奥の院参道
高野山 奥の院参道

以上が私の「Goto高野山」のあらましです。

紅葉の見頃のシーズンを外し、コロナ騒動で外国人の消えた高野山は、人も少なく「私好み」でした。

がん告知を受けて6年、僥倖を得て、こうして高野山へお参りできる私は果報者です。

同じ「がんマラソンランナー」の同朋の方の中には、こんな体力勝負の旅行が難しい方もいらっしゃるかもしれないと思い、私と一緒に高野山をポテポテ歩いている気分になってもらえるかもしれないと、時系列に写真を並べて見ました。

少しでも、気晴らしにしていただけたならば幸いです。

さて、保留にしてきた私の「エサ」についてですが、奥の院でいただける「千枚通」というお守りがソレです。

なぜそれほどにこのお守りが欲しいのかと問われると、、、以下に添付するYouTubeをご覧ください。(笑)

どこまでも凡人、「欲と道連れ」な私をお許しください。(笑)。合掌。

(おしまい)

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“Go To ”高野山へお参りしました (nya.1440)” に対して 4 件のコメントがあります

  1. sizu より:

    ….成程、呼ばれるとは そう言う事ですか

    私も意を決して行動することもありますね

    勇気のいることです。

    私もいつかが 今に変るとき時に 何かアンテナはって行動致ししましょう。

    1. ふるゆら より:

      はい、sizuさんはsizuさんのタイミングでGOです。

      その時は「意を決して」も「勇気」も関係なく、「行くことが決まっている」という不思議な確信があるはずですよ。

      「強引な吸引力」で呼ばれているのではなく、「おいでおいで」と囁かれている時は、テレビや雑誌や本、人との会話の中に、集中的に繰り返し現れます。

  2. sizu より:

    ふるゆらさん!
    え——————————————————–!
    驚きましたよ! 成程、これでしたか‼
    まぁ! よくやりましたね。もう一度言います(笑)
    驚きましたよ 良かったです。

    お天気も良く 何よりでしたね
    実行力も違いますねぇ
     
    高野山の写真も清々しく 見ている こちら側も
    荘厳な気分になります。

    神仏に お参りに行く エサ⁇表現が
    何だか、似つかわしくないけど・・と思いましたが
    後のおち!!の笑えました  ふるゆらさんらしいジョウク!

    高野山には 小学校の遠足しか お参りした事ないので
    我が家も 真言宗、 行きたいと 思っている場所です
    呼ばれる感覚って、わからないですが、意識しておいて、いつか行きたいと思っています。

    行けて良かったです!!
    お疲れ様でした。

    1. ふるゆら より:

      sizuさん、私が高野山にお参りしたことを我が事のように喜んでいただけて何よりです。

      今回のお参りもそうですが、「呼ばれる」というか「時が満ちて」いる時は、客観的に考えればアレコレ障害があるはずなのに気にならないし、上手く流れに乗って、気が付けば「到着」という感じです。

      高野山を奥の院までお参りするとなると「歩ける」ことが重要で、末期がんと知って6年、自分の足で歩いてお参りできる奇跡に感謝感謝です。

      sizuさんの心の中で「いつか」が「今」に変わる時、ためらわずご縁を掴んでくださいね。

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