分子標的薬「ベージニオ」の日々 ③-2副作用 貧血と脱毛が進行 ウィッグを格安でGET (nya.2567)
ビバ☆コスプレ大国☆いろんな意味で日本に生まれて良かったなと思うのです。 (2023年11月10日)
ではでは、今日のブログは【分子標的薬「ベージニオ」の日々 ③-1副作用 貧血と脱毛が進行 貧血「6」で輸血って?(nya.2560)】の続きで、第2のテーマ「脱毛」に関するレポートです。
分子標的薬「ベージニオ」の投薬を始めるにあたって、医者から注意することとして説明を受けたのは、以下の3点でした。
①個人差はあるが、大部分の人がお腹を下すものの、その内に軽症になる
②少数ではあるが間質性肺炎になることがあり、これは重篤化すると危険なので兆候を見逃さない
③グレープフルーツとグレープフルーツジュースは口にしない
んがしかし、実際には、①に関しては「お腹を下す」というレベルではなく「3ヶ月間毎日水下痢が続き、トイレ周辺が生活圏」になるくらいに重症で、浮腫みも酷くててんやわんやでしたし、注意点に含まれていなかった「貧血」は、ヘモグロビン(基準値11.3-15.2)8.0の中度の貧血にまで進み、同時進行で「脱毛」もノンストップ、改善策を模索する日々となりました。
ここで改めて、分子標的薬「ベージニオ」の副作用についておさらいすると、
下痢(81.3%)、好中球減少症(41.3%)、感染症(39.1%)、悪心(38.5%)、嘔吐(28.4%)、貧血(28.4%)※承認時 https://oncolo.jp/ct/abemaciclib
とあり、今回のブログテーマ「脱毛」は、美感的なものであって健康状態には関係ないということでしょうか、副作用の項目に含まれていません。
ただし、分子標的薬「ベージニオ」の投薬開始の際に渡された小冊子の中では、軽~く触れられていて、
『〈その他の症状〉脱毛 一部の方で髪の毛がうすくなると感じることがあります。かつらや付け毛を使わなくてもよい程度です。』
と、書かれています。
この一文を読んだ時の私は「そっか、脱毛はつらいな、どうかこのクジには当たりませんように」と、神さまにお願いして、運を天に任せるほかありませんでした。
んがしかし、私の場合の「脱毛」は、願いに反してどんどんどんどん進むことになるのです。(嘆息)
当初は、脱毛が始まっても『〈その他の症状〉脱毛 一部の方で髪の毛がうすくなると感じることがあります。かつらや付け毛を使わなくてもよい程度です。』を信じて疑いませんでしたので、その内に止むだろうと鷹揚に構えていましたが、投薬から3ケ月、8月にもなると「いやいやいやいや、止まらないし、どんどん抜けるし、薄毛がごまかしきれない領域に突入してるし。(号泣)」という事態になっていました。
改めて分子標的薬「ベージニオ」の副作用の「脱毛」についてググってみるたのですが、なかなかヒットせず、ようやく医療関係者向けのサイトで
収集期間 2018年11⽉30⽇〜2022年1⽉31⽇ 推定使⽤患者数※:約11000⼈「脱毛症:67人、非重篤」
が見つかりました。
どうやら「脱毛」は、本当に「たまにそういう人がいる」程度の副作用で、私は大当たりを引いてしまったということです。(嘆息)
ですので、私の「脱毛」に関するレポートは、レアケースであることを前提にお読みください。
5月に分子標的薬「ベージニオ」の投薬を開始して1週間後、私が最初に体調の変化を感じたのは、「髪質の変化」でした。
猫毛のくせ毛の私の髪質は、もともと「ふわふわ柔らかい」のですが、これが、ある日突然お人形の髪のように固くなりました。
シャンプーをする時、指では太刀打ちできず、シャンプーブラシを使わなければならないほどでした。
脱毛の量も大きく増えました。
次の変化は、洗顔の時の顔の皮膚がやたらとすべすべになったことです。
こんなにすべすべで柔らかい肌になったのは、第二次性徴が始まる思春期前だったのではないかと思ったほどです。
その後は怒涛の「水下痢騒動」が始まったため、ソッチの対応に大わらわで、脱毛のことを気にする余裕がなかったのですが、6月末、鏡を見た私は「あらららら?」と思いました。
それまで私はこめかみ辺りの白髪が目立つため、毎月月末になると自宅で白髪染めをしていたのですが、かれこれ2ヶ月白髪染めをしていないにもかかわらず、まったく白髪がないことに気付きました。
また、ショートヘアの私は、2ヵ月に一度はカットしていたのですが、髪の毛が全く伸びていなくて成長を止め、脇や腕や足のムダ毛もまったく生えていないことにも思い至りました。
「え?これって、まったく新しい毛が生えていなくて、成長もフリーズ、脱毛だけが起きているってこと?」と理解しました。
それまで、私はてっきり、新しい毛は普通に生えているものの、脱毛のペースに追いつかずに薄毛になっているのかと思っていたのですが、どうやら「新陳代謝」のバランスが狂っているのではなく、「新陳代謝」そのものが行われていないのです。
なるほど、つまり、私の脱毛は「減る一方」だということですし、髪質が急に固くなったのは毛母細胞が休止状態になったから、洗顔の際に顔の皮膚がすべすべになったのは、女性なら誰でも夢見る「一斉に毛穴が閉じた」状態になったからなのですね。
7月初旬の診察日、私は医者から貧血の数値(ヘモグロビン(基準値11.3-15.2)9.8)が下がっていると言われます。
ただし、この時点では貧血の自覚症状は全くなく、「脱毛」と関連があるとも思っていませんでした。
8月、貧血(ヘモグロビン(基準値11.3-15.2)8.9)は中度に進み、「水下痢ストップ作戦」で、貧血の改善を試みました。
9月の血液検査の結果(ヘモグロビン(基準値11.3-15.2)8.0)は、水下痢と貧血に相関性のないことを示しました。
つまり、結果的に消去法で、私の貧血は、分子標的薬「ベージニオ」そのものが、何らかの作用でヘモグロビンの生成を阻害している確率が高いことが判明したのです。
そこで私に一つの仮説が浮上します。
どんどんどんどん進行する脱毛、これはヘモグロビンの生成を阻害されて貧血が引き起こされているのと同じ機序で、毛母細胞の活動が阻害されている結果ではないのか?と。
一般に、脱毛の原因に貧血が挙げられ、それは「鉄分不足でヘモグロビンが減ると血液の循環に影響し、髪の成長に必要な酸素と栄養分が行き届かない。そのため貧血になると、成長が終わった髪が自然に抜け落ちるのを待たず、成長途中のまま髪が抜けてしまう。」とされています。
でも、私の場合は「新しい髪が全く生えてこないし伸びない」のです。
毛母細胞が、分子標的薬「ベージニオ」の影響を受けてノックダウンしているのであれば、抗がん剤を使用した際に見られるように、完全な無毛状態になるはずですが、私の「脱毛」パターンは、今現在生えている毛髪は、自然な脱毛を上回るペースで抜け落ちているし、成長をしないものの、投薬前の50%OFFくらいの毛量になってサバイブ出来ています。
つまり、毛髪を生成する毛母細胞の活動が「完全休止状態」なのであって、一般的な「貧血と脱毛」の関係の範疇には納まらないのです。
それでは「犯人は?」となると、、、、「じっちゃんの名にかけて」(笑)、分子標的薬「ベージニオ」そのものでしょう。
鉄分不足、ビタミン不足でもないのに、ヘモグロビンの生成が行われない「貧血」と、新しい毛髪を生成をしない毛母細胞による「脱毛」、同じ機序で生成が阻害されているのではないか?
その副作用を改善する方法が「打つ手なし」なのであれば、腫瘍マーカーCA15-3(基準値25.0以下)は、投薬前から現在まで基準値内に収まり、腫瘍マーカーNCC-ST439(基準値4.5未満)が「26」まで下がっている今なら、分子標的薬「ベージニオ」の投薬を一時中断できる「余裕」があるのではないか?
そのように仮説を立てた私は、9月の診察の際、医者に分子標的薬「ベージニオ」の中断を提案したのです。
分子標的薬「ベージニオ」の投薬を中断し、「貧血」が改善するならば、私に合った治療のベストバランスを探る今後の指針となると思いました。
9月の診察室内で、腫瘍マーカーNCC-ST439(基準値4.5未満)を出来るだけ基準値に近づけたるため、分子標的薬「ベージニオ」を継続したい医者と、一時中断して「貧血」の改善を優先したい私が見出した妥協点は、「分子標的薬「ベージニオ」を150mgから100mgに減薬して様子見」というものでした。
そして、その試みの「結果発表」である10月の血液検査の数値は、腫瘍マーカーNCC-ST439(基準値4.5未満)は、9月の「26」から「35」へ微増、ヘモグロビン(基準値11.3-15.2)は、9月の「8.0」から「8.9」へやや改善、というものでした。
医者と私の妥協点が、「減薬」という中途半端なものだったため、結果も「微妙」、、、。(嘆息)
脱毛の改善についても「おおお、増えた♡」ということはなく、かといって「薄毛が進んだ」ということもなく、現状維持で「微妙」という感じです。(嘆息)
ただし、私の仮説が誤りであったとも言えない結果な訳で、10月も絶賛「減薬キャンペーン」中ですので、乞うご期待です。(笑)
脱毛、薄毛については、8月辺りから「限界」を感じていて、スプレーで前髪にボリュームを出してセットしても、明るい所では地肌が頭頂部まで透けて見えるようになっていました。
顔周囲は鏡で目視できるので現状把握できますが、後頭部のつむじ近辺は難しい、、、脱毛は頭全体に起きている訳だから、、、怪しい(嘆息)と、悶々としていました。
「こりゃもう、ウィッグを被った方が気楽だな」と、ちらりと考え始めました。
そして9月初旬の診察、私の提案も虚しく分子標的薬「ベージニオ」の継続が決定しましたので、私の仮説が正しければ、さらに脱毛が進行することも同時に確定、病院から帰宅後、速攻でウィッグをポチリました。合掌。
私がウィッグを気楽に考えていたのには訳があり、一つは、以前職場の同僚が抗がん剤治療を受けてウィッグをつけていて、それが良く似合っている上に「髪のセットをしなくていいから、ずっとコレでもいいわぁ」「けっこう安いんよ、おしゃれウィッグだからコレ」と言っていたのを覚えていたことと、何と言っても日本は「コスプレ大国」、別に脱毛していいなくても青や赤、金銀様々な色とヘアスタイルのウィッグを選び、変身を楽しむ文化が成熟しているからです。
ウィッグが、一昔前のような見るからに「え?カツラっしょ」というものではないことは、秋葉原の街頭を映した映像を見るだけで分かりますし、「オーダーメイドウィッグ30万円なり」という高額なウィッグばかりではないことは、コスプレを楽しんでいる若者たちの懐事情からお察しです。(笑)
で、ネットでググり、アマゾンで私がポチったのは、
feibin hairウィッグ ボブ フルウィッグ リアルつむじ レディース 女性 ウィッグオールかつら 人毛100% かつら ボリュームアップ 通気 自然 通気性優れ 装着簡単 (ダークブラウン) Free 4,848円(税込み)
※100%高級自然毛:みずみずしさのある若い人の髪(滅菌消毒済)を採用して高品質保証で一目瞭然の自然さ!手触りさらさらで、絡みにくく、ドライヤーなどに対応お好きなアレンジをお楽しみ頂けます※
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B08SC3QJ7S/ref=ppx_yo_dt_b_asin_title_o03_s00?ie=UTF8&th=1
でした。
決め手は「人毛100%」「リアルつむじ」「4,848円」です。
いろいろと研究した結果、【人毛100%ならまず見抜けない】という口コミがあったので、人毛100%が1万円以下なら買おうかなと検索した結果、なんと5千円以下を発見、恐るべし、コスプレ大国、ビバ日本と、感服仕りました。パチパチパチ。
購入の際に、一番気になったのは、「医療用ウィッグとその他のウィッグの品質の違い」でしたが、
医療用ウィッグとその他のウィッグ・ウィッグの品質の違い
一般的なウィッグはファッション目的のため、植毛の方法は機械植えであることが多く、使用される人工毛はテカりのある髪質だったりと、特に見た目の自然さや、通気性など機能的なことはあまり考慮せずに作られたものが多くみられます。(その分価格は安いです。)
それに比べ医療用ウィッグは、より自然に見えるよう髪は1本1本手で植えられ、本当の髪と同じような毛流れと手ざわりを実感できます。
医療用ウィッグのベースとなるネット部分は伸縮性と通気性がよく、つむじ部分には人工肌がついているものが多いです。
また、抗がん剤治療中は使用する期間が長いので、脱毛による髪の量の変化に合わせられるよう、医療用ウィッグにはアジャスターなどサイズ調整機能がついています。https://www.carewig.com/info/column32.html
とあり、植毛が、機械か手植えかの違いが大きく、そのことが価格面の差となっているようでした。
で、実際の「格安ウィッグ」の使用感ですが、5千円以下のウィッグで「必要十分」だと思っています。
上記の「品質の違い」で危惧されている問題点は、私の安物ウィッグでも、アジャスター機能も付いているしすべてクリアされていると感じます。
私の場合、地毛が50%OFFで残っているから、安物ウィッグの荒い縫製でも地肌に触れず気にならないのかもしれませんが、ウィッグ用のヘアネットが300円くらいであるので、それで地肌を保護することで解決するように思います。
また、私は外出の時だけウィッグをつけているので、1日中、勤務時間に体を動かし続けた場合の使用感は分からず、そのようなケースや夏場は、通気性が使用感を大きく左右するのではないかと思うのですが、格安ウィッグもベースはメッシュなので、通気性が特に悪いとも感じていません。
ヘアスタイルそのものも、私はアマゾンから届いたものを何のアレンジもせずにそのまま被っているのですが、我ながら「よく似合っている(笑)」し、私は地毛があるので、ウィッグをパサっと被って両耳の後ろでヘアピン2本を使って地毛と一緒に固定、ブラシで全体を整えたら終わりなので「3分」もあれば完了、はっきり言って普通に地毛をスタイリングするより断然早いし楽です。(笑)
むむむ、これは「例の」医療用ウィッグ業界の既得権益を守るための「アレ」の臭いがしますね。(笑)
10月の診察で病院へウィッグをつけて言った時、薄毛の私を知っている看護師さんたちは、口々に「若返った」「顔色も明るく見える」「似合う」と言って、めちゃめちゃ褒めてくれました。
そして私が「ネットで5千円でGETしました☆」と鼻息も荒く自慢すると、私が通う病院の医療用ウィッグは、8万円くらいするらしく、あまりのコスパの良さに驚き、のけ反っていました。(笑)
私が薄毛を気にしていた時、看護師さんたちは「全然気にならないよ、薄毛なんか分からないって」と言っておられましたが、同じ方々が「若返った」と言うくらい、やはり、毛髪のボリュームで見た目の印象って変わるんだなと思います。
自宅でウィッグをつけてない自分を鏡で見る時、実年齢が56才で決して若くはないと自覚しているし、私自身は加齢による変化をあまり気にしない方なのですが、そこは「私も女」(笑)、薄毛の自分はセルフイメージ的に「75才くらいのように見えるんだけど(嘆息)」と感じ、毎回密かにブルーが入っていました。
でも今は、お出かけの時に帽子を被るくらいの感覚でウィッグをつければ、そこにはちゃんと「56才の私」がいる、これだけでずいぶんと気分が上がります。
私が薄毛の頃に会っていない友人たちに、ウィッグをつけて会うと「違和感なさすぎで気付かなかった」と言われるくらいに「似合っている」と好評です。
医療用のウィッグくらい高額だと、お手入れをして長持ちさせなきゃと思うところですが、5千円なら、ちゃんとした美容院へ行けばこれくらいの値段ですから、劣化したらまた買えばいいやと、適当に扱えるところも気に入っています。
ちなみに、ウィッグを外した時に置く「ウィッグスタンド」という商品もあるのですが、私は100均の、ワイヤーで立体になっている「包丁&まな板スタンド (税込み110円)」を愛用し、これまた「必要十分」だと思っています。(笑)
ちなみに、ウィッグをつける前に地毛を後ろへ梳かすのですが、その際にある程度まとまった方が都合がいいし、ウィッグが蒸れて汗臭くなるのも嫌なので、100均ダイソーで発見した「香水ヘアジェル クリアフローラルの香り30g(税込み110円)」の香りがとても気に入ったので、大量大人買いをして塗りまくっています。(笑)
ともあれ、「ウィッグ、どうしようかな?」と思っておられる方がいらっしゃったら、ぜひ一度「安物ウィッグをGET」して、気軽にトライしてみることをおススメします。
(おしまい)