”乳癌ステージ4“決定の日に「放射線治療を受ける?」と聞かれる (nya.15)
”なぜ私に聞くんですか?先生“ (2016年3月12日)
診察室の隣の部屋から出ると、それからはあれよあれよと、流されるままに検査の波に身を委ね、気が付けば、放射線医の前に座っていました。
放射線医は、初めて会う30代半ばくらいの、のんびりした感じの人でした。
放射線治療の方針としては、無数の骨転移の中でも、特に大きく癌に浸食されている脊椎の2か所(胸椎と腰椎)と左大腿骨の3か所を「3グレイで10回ずつ」、3か所同時に放射線を当てる、ということでした。
この放射線医との会話は、これまでの医者と違って、のんびりと進められましたが、この医者もまた、・・・味わい深い方でした。
以下、実際の会話です。(省略なし。ゆっくりと再現してください。)
医者「放射線治療は、すぐにしてもいいし、ホルモン療法の効果の様子を見て、それから放射線治療をしてもいいし、どうします?」
私 「・・・」(まったく、ここの医者はどいつもこいつも。インフォームドコンセントと履き違えとるとしか思えん!!まず、説明してから聞けよ!!)
私 「今日、癌転移があることを知ったばかりで、尋ねられても分かりません。放射線治療のメリットとデメリットはどうなんですか?」
医者「デメリットは、皮膚が、軽い日焼けのやけどのようになることと、くらいかなぁ」
私 「放射線を治療を 今するのと後ですると、何か違うんですか?」
医者「それはないです。変わりはありません。ホルモン療法を先にすればいくらか癌が縮小した後で、残った癌に放射線を当てることになります。」
私 「その方がいいんですか?」
医者「う~ん、どっちとも言えないなぁ」
医者「で、・・・どうします?」
私 「・・・」(だから、選択できるほどの説明になっとらんつーの!!)
私 「先生のご家族が私の立場だったら、先にするか、後にするか、先生はどちらを勧めるんですか?」
医者「う~ん、私の母だったら・・・私は放射線医だからねぇ、・・・先にするように言うかなぁ」
私 「ははは」(私はあんたの母親ほど年よりじゃねぇ!!せめて、想定は「姉」にせんか。怒)
私 「じゃあ、私もすぐします。」
医者「3か所全部、すぐにしますか?」
私 「3か所全部だと、身体への負担が大きくなるんですか?」
医者「いやぁ、それはないです。」
私 「じゃあ、3か所で。虫歯の治療と同じで、放置していても治ることがないなら、すぐに始めてください。」
医者「いつから始めますか?」
私 「治療にかかる時間はどれくらいですか?」
医者「最初だけ1時間くらいかかるけど、それ以降は30分くらいです。」
私 「会社勤めなんですが」
医者「時間を決めて予約して、仕事に通いながら出来ますよ。」
私 「じゃあ、いつでもいいです」
医者「今日が12日で木曜日なので、週明けの月曜日から始めるのが最短です。」
医者「・・・そんなに急いで決めていいんですか?」
私 「虫歯と同じで、放置しても治ることがないなら、早く始めて、早く終わった方がいいです。」
医者「じゃあ、今日これから、放射線を当てるための準備をしますか?」
医者「そうしたら、週明けに、準備の時間がかからず始められますけど。」
私 「そうしてください」(なぜに、私の方から全部聞き出さんと、教えてもらえないかな。はぁ、疲れた)
医者「では、準備をするのでそちらの部屋に移動してください」
こうして、その日のうちに、私の身体に青いペンで放射線用の「座標」が3か所描かれたのでした。自分の身体に「座標」があるなんて、とてもとても不思議です。
「人間、生きているといろんなことを経験するなぁ」と思いながら、長い長い病院での一日を終え、病院を後にした時は午後5時を回っていました。
あまりの衝撃の連続で、看護師の人へ、ついに言い出せなかったのですが、この日、「私は昼食を食いっぱぐれました」
次は
です。