ありがとう風太、おたがいに楽しかったね (nya.3441)

風太と私の幸せな時間に乾杯 (2026年4月26日)

『勧酒』 于武陵(晩唐の詩人)

勧君金屈卮 満酌不須辞

花発多風雨 人生足別離

君に勧む金屈卮(きんくつし) 満酌(まんしゃく)辞するを須(もち)いざれ 花発(ひら)けば風雨多く 人生別離足(た)る

※友にこの黄金のジョッキを勧めよう なみなみと注いだ酒を断ったりせず飲んでくれ 花が咲けば嵐も多い 人生に別れはつきものなのだから 今この時を楽しむんだ※

 

いつ、ご報告しようかと随分悩んだのですが、、、何となく「今日かな?」と思えたので、ご報告します。

前もってお願いするのですが、「悲報」ではなく、とある猫と人間が出会い、あらかじめ分かっていた限りある時間を楽しく豊かに過ごした後に「その時」が来たけれど、とある猫と人間は、お互いに大いに満足しているという報告だとご理解の上、ご一読いただければ幸いです。

 

さて、よりによって、エイプリールフールの4月1日、嘘のように風太はこの世を去りました。

満開の桜、花散らしの風雨が吹き荒れる春、まさに「花に嵐」。

『ハナニアラシノタトヘモアルゾ サヨナラダケガ人生ダ』と。

ブログを休止したのは、どんどん寝ている時間が長くなり、動くことが少なくなり、、、「これは」と思ったからです。

判断に迷ったのは、直前まで外に出て他所の猫とケンカしていたし、私が畑で野菜を採っているとどこからともなく寄ってきて、私の足にスリスリしていたので、最初はケンカに負けてふて寝しているのかと思ったり、食べないのは心配だからと動物病院に連れて行ったり、でもやっぱり「その時なんだろうか・・・」と思ったりしたからです。

本当に、花嵐に攫われたような「あっという間」の出来事、絵に描いたような「急死」でした。

痛がって苦しむようなそぶりもなく、ただただ寝続けて「、、、遂にその時が来たんだ」と、私に心の準備をさせてくれました。

「その時」は、私と一緒にベッドに向き合って寝て、もう身動ぎすらしなくなった風太の胸に手を置いて、鼓動を感じている時に訪れました。

急に10回くらいクシャミをしたと思ったら、ふっと鼓動が消えました。

風太は猫エイズのキャリアだったので、この世を去る時は何かのきっかけで免疫力が追いつかなくなり、「その時」はあっという間なのだろうと予想していましたが、男らしい風太らしく「おなごを長々と泣かしたりはせんのんじゃ」と、男の美学を貫いて駆け抜けるように逝ってしまいました。

「えっっ、早っ、風太、しかも今日はエープリルフールだし、噓みたい・・・ははは・・・・最期までやってくれるなぁ・・・」と、呆然としながら私は呟きました。

しばらくの間、信じられませんでしたが、鼓動の止まった風太を抱っこして「こんなに長い時間抱っこしているのに、風太が嫌がって身をよじらないってことは、本当に逝ってしまったんだなぁ」と、思いました。

最期まで、私を悲しませないように至れり尽くせり、風太は優しい優しい猫でした。

もちろん涙が流れましたが、風太とはもう何年も前から互いが体調を崩す度に「どちらが先に逝くとしても恨みっこなし、残された方はめそめそしないで、ちゃんとご飯を食べて、楽しく生きよう」と約束をしていましたので、私も約束を守っています。

風太は「付き合いのいい奴」なので、「私が先」だった場合、私に付き合おうとするかもしれないと思っての約束でしたが、逆もまた然り、風太を心配させるわけにはいきません。

風太は、心を温めて、守って、笑わせて、生きる喜びをくれるために私の所へ来てくれた「神さまからのギフト」だと思っているので、私がめそめそとしていたら、風太に「ふざけんな」と叱られてしまします。

思えば12年前の3月に、私が乳がんステージ4と知ってから子猫の風太を迎え、「私の方が先に逝くから、最後まで面倒みられないのに、うちの子になってもらってごめんね」と何度も謝りながら、風太との二人暮らしが始まりました。

こうして風太の最期を私の腕の中で看取ることが出来たこと自体、ほんとうに奇跡のような幸せなことだと思っています。

翌日の夕方、近所に咲いているありったけの花(桜、桃、すもも、連翹、コゴメバナ、たんぽぽ、シロツメグサ、水仙、椿)を花束にして荼毘に付しました。

その時見上げた春の青空が、「うん、間違いなく、風太はあのきれいな空の上に召されたんだな」と思えるほど、とてもとても美しく嬉しかったです。

風太との暮らしは、楽しいことと幸せなことしかなく「楽しかったねぇ、お互いに」と言ってお別れしました。

ほんとうに、何度「風太、私達って幸せ者」と、目を合わせて笑い合ったことでしょう。

風太は猫ですが、私にとっては座敷童に近いような、妖精や精霊の類じゃないかと思っていたので、「別離」の心が引き裂かれるような感触はなく、物質界では触れ合えなくなったけど、そのことは「とてもとてもとてもとても、、、とても」寂しいけれど、心の奥底では「ちゃんといる」と感じられるので、想像していたよりずっと穏やかに過ごしています。

と、いうことで、私は全く泣き暮らしてなどいませんので、ご安心ください。

私の今の気持ちは『あらいぐまラスカル』のこの歌に尽きます。

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暇な時に、風太のために一度だけ「乾杯」と、なみなみと注いだ酒杯を空けていただけたなら幸いです。合掌。

(おしまい)

 

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