【乳癌ステージ4】な私が思う「終末医療」 (nya.59)
私の求める「終末医療」を考える (2014年6月)
近藤誠医師の『がん放置療法』に関する本、中村仁一医師の『自然死のすすめ』に関する本を読んだことで、癌について、抗がん剤について、癌治療について、自分なりの知識と理解を得ることができました。
もちろん、全てを知ることは不可能ですし、「十分」ですらないのでしょうが、私の中にこの先の「覚悟」が出来ました。
癌に関する本で、読むべき本はまだまだたくさんあるのでしょうが、もう「お腹いっぱい」です。
次の興味に向かいました。
なぜなら、「自分の終末期の過ごし方」について、「一度きちんと考えて決めておかないとヤバい」と危機感を覚えたからです。
特に中村仁一医師の「延命治療をしないで死にたいと思っても、倒れて救急車に乗せられたら、延命治療をされてしまう」という指摘に、「ごもっとも」と思い、はっとさせられました。
私は、既に医者に「抗がん剤はやらない」と伝えているのですが(参照:腫瘍マーカー登場 主役は遅れてやって来る① (nya.34))、その際に漠然と考えていたのが、「延命治療をしない終末期」でした。
イメージとして考えていたのは、
●風太と出来るだけ長く一緒にいたいから、ギリギリまで在宅で過ごしたい
●自力でトイレに行けなくなったら、「ホスピス」などに入る
●食べ物を口から食べることができなくなったら、無理に食べさせないでほしい(胃ろうは断固拒否)
●痛みは、薬を使って「最大限」押さえる
程度のことでした。
自分の希望する終末期を、「どうやって実現するか」までは、全く考えていませんでした。
私の乳癌(大人しく、顔つきがいい)の場合(参照:改めてかみしめる【病理組織検査報告書】の意味 (nya.18))の「終末期」を想像すると、ホルモン剤の薬効がなくなった後、じわじわ進行して、医者から「きっちり」余命6ヶ月宣告を受け、その後は加速度的に癌が増殖し「終末期」を過ごして「死に至る」のではないかと思っています。
突然死や交通事故死の可能性は、人並みにありますが、【乳癌ステージ4】なのですから、癌で死ぬ確率が圧倒的に優勢ですので、「あっさり」この世を卒業とはならないだろうと思う分、終末期の過ごし方は「切実」な問題です。(笑)
そこでおもむろにPCにがぶり寄り、「ホスピス」「終末医療」「在宅医療」やらを検索エンジンに入力し、勉強しました。
まず、私の住む地方都市の、「ホスピス」を検索です。
思ったよりヒットした数が多くてほっとしましたが、「ホスピス」の稼働状況まで調べなくては、安心できません。
老人ホームに入ることも難しい現在、「ホスピス」に入るにも、「空き待ちで順番待ち」か「強力な縁故」が必要なのではないかと睨みました。(笑)
これでは、「いよいよ」な時に入院が、「間に合わない」ことになるかもしれません。
「いよいよ」な時より早めにお世話になると、費用の問題が発生しますし、私は風太と最後まで遊びたいのです。
それならと、次は、「在宅で終末期を過ごす」ことを選んだ場合、私の住む「真正の田舎」で、必要な看護を受けられるのかという問題をしらべました。
私の住んでいる町の名前と「癌」「終末期」「在宅医療」と打ち込むと、県庁所在地には多くの病院がヒットしましたが、私の住む地域は、県庁所在地から車で1時間かかるのですべて「エリア外」(涙)、私の住む地域でヒットしたのは1件だけでした。
いざとなったら「ここか」と思いましたが、聞いたことのない「病院名」に一抹の不安が・・・。
病院以外に、私の住む地域の「居宅介護支援」「ターミナルケア」のサービス事業者が、10件程見つかりました。
私の家族は、後期高齢者の両親と【乳癌ステージ4】の私、くも膜下出血で半身不随の兄という、高リスクな「チキンレース」状態です。
現在は、危うい均衡を保ち穏やかな毎日を送っていますが、いつか、誰かが、大きく体調を崩せば、家族の生活は激変することでしょう。
いつか必ず訪れる「私に」介護が必要になった時、家族のサポートはないものとして考えておいた方が無難です。
「おひとり様」ですね。(笑)
末期癌患者は、年齢にかかわらず「介護保険」適用の対象ですので、身体が不自由になった時は、介護認定を受けて「公的介護」のお世話になることができます。
「おひとり様」として癌の終末期を「在宅」で過ごすなら、「介護」は絶対に必要なので、「居宅介護支援」が受けられることは幸いでした。
ただし、「これで大丈夫」ではありません。
私が必要とするのは、医師または、看護師によるによる往診にであり、場合によっては「モルヒネ」等を使って「痛みの管理」をしてくれる「在宅医療」です。
先に読んだ中村仁一医師の著書では、【がんが痛むのではない。治療で痛む】とされていましたが、例外は、私のような「骨転移」を抱えるがん患者で、「骨転移」の場合は、「痛みの管理」が避けられません。
この条件を満たす医療機関を探し、今の病院からうまく引継ぎをすることが必要となります。
ネット空間を彷徨う内に、先のブログ『【乳癌ステージ4】を気にせず生きる方法 (nya.41)』で「ちらっと」紹介した長尾 和宏先生を知りました。
長尾和宏医師は、尼崎で年中無休のクリニックと在宅医療を運営されている方で、がん患者の「終末期」も、在宅医療でケアされている「町医者」です。
ブログ『Dr.和の町医者日記 – 長尾和宏オフィシャルサイト』で、ご自身の活動を紹介されていますし、テレビ等のメディアでも採り上げられていて、私もテレビ番組を観たことがありました。
何冊か長尾和宏医師の著書を読ませていただきましたが、長尾和宏医師本人が「往診をする町医者」であることから、終末期を「在宅」で過ごすことの、費用面を含めてのメリットや、普段からの「かかりつけ医」を持つことの大切さを説かれています。
私が「終末期」を在宅で過ごそうと思うなら、まさに長尾和宏医師のような方を、私の地元で探す必要があるのですが、この宿題は未だ果たされていません。
長尾和宏医師の著書を通じて、癌患者は、比較的最後まで身の回りのことが出来る場合が多いため、「一人で」在宅で「終末期」を過ごすことがしやすい病気だと知り、大いに励まされました。
ネットでも「おひとり様」「終末期」と検索すれば、たくさんヒットします。(笑)
おひとりさまに在宅死は可能か? | ダ・ヴィンチニュースhttp://ddnavi.com/news/128432/a/
に紹介されていた『上野千鶴子が聞く 小笠原先生、ひとりで家で死ねますか? 単行本 – 2013/2/20 』は、未読なのですが、ぜひ読んでみたいと思っています。
自分が「在宅」で終末期を過ごす、具体的なイメージを持って準備すれば、やれるかも?と、思い始めました。
今は、「これでいこう」と思っています。
希望は、ホルモン療法が万策尽きた時は、抗がん剤治療をせず、薬によって「痛みの管理」をしながら、「延命治療をしない終末期」を「ギリギリまで在宅医療」を受けながら自宅で過ごす、自力でトイレにいけなくなった場合は、「可能なら」ホスピスへ入院、「ダメなら」自宅で「看取り介護」を受ける、です。
私の住む田舎で、今すぐ実現することは難しいのですが、それでも私が「悲観していない」のは、国の施策があるからです。
超高齢化が進み、現在の医療体系では、これまでのように「老人が病院で死ぬ」ことが「近い将来」不可能になることは避けられず、国も「在宅医療」の充実にに大きく舵をきっています。
詳しくは、↓↓↓が分かりやすかったので、読んでみてください。
NPO法人キャンサーネットジャパンらがセミナー「もっと知ってほしい がんと在宅医療のこと」開催――Vol.1終末期を自宅で過ごすには早めの準備が必要福島安紀=医療ライター
もしかしたら近い将来、国の施策として環境が整えられ、私の住む田舎でも、可能になるかもしれないと期待しています。
そのためにもやはり、私の目標「目指せ東京オリンピック」で間違いなさそうです。(笑)
[amazonjs asin=”4022510587″ locale=”JP” title=”上野千鶴子が聞く 小笠原先生、ひとりで家で死ねますか?”] [amazonjs asin=”4893087770″ locale=”JP” title=”「平穏死」 10の条件 胃ろう、抗がん剤、延命治療いつやめますか?”] [amazonjs asin=”4893088734″ locale=”JP” title=”痛くない死に方”]
次は
【乳癌ステージ4】な私の延命治療拒否「事前指示書」 (nya.60)
です。
[にゅうがん4な私と風太(日本猫)のららら田舎生活]は、amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、 Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。