「乳がんステージ4で10年サバイブで13回目のPET/CT」結果報告 (nya.2700)
年に一度の通知表は「ちょいワルの現状維持」でした。合掌。 (2024年3月22日)
昨年もPET/CT画像診断センターの受付の方に尋ねた覚えがあるのですが、今年も「念のため」尋ねてしまいました。
「私、今回で何回目のPET/CTですか?」
「13回目です」
昨年も「12回」と即答していただいたのですが、今年も即答でした。(笑)
そりゃそうですよね、自分が受けたPET/CTの回数が分からなくなるくらい回数を重ねる人は「そういない」ですよね。
レントゲンと同じようにPET/CTもわずかに被曝するため、続けて診断を受けるのは「6ヶ月以上」間隔をあけるルールがあり、「現状維持」が出来ているなら年に1回が基本です。
ですから、私が「13回も」PET/CTを受診できたという事実=長期間サバイブを続けていることの証左なのです。パチパチパチ。
さてさて、そんな私にとって、毎年3月の診察でPET/CTの診断結果を聞くことは、もはや「恒例行事」となっています。
季節的にも学年終わりの「終業式」に近く、「やったーー、春休み♡、、、と、その前に通知表(嘆息)」という甘酸っぱい記憶が刺激されます。
まぁ、学生の通知表の中身が最悪でも死にはしませんが、こっちの「通知表」には文字通り命運がかかっているという点で、重みは違うのですが。(笑)
特に今年は、昨年の早春のあたりから、「30」代で安定していた腫瘍マーカーNCC-ST439(基準値4.5未満)の数値がフラフラと上昇して「120」に達したため、その打開策として5月に分子標的薬「ベージニオ」の投薬を始めてから、初めてのPET/CTです。
とはいえ、昨年5月「腫瘍マーカーNCC-ST439(基準値4.5未満)の数値が120」になった事実が、すなわち、【がん転移が再燃した】という事実に直結するものではありません。
過去にがん転移が再燃した時の経緯から、私のがん細胞の活性化を観察する指標としては、腫瘍マーカーCA15-3よりも腫瘍マーカーNCC-ST439の方が、より敏感に反応するようだという判断を元に、「先手を打って、がん細胞の活性化を抑制しよう」という目論見で分子標的薬「ベージニオ」の投薬を開始したのであり、【がん転移が再燃した】という事実はどこにもないのです。
2024年2月、今回のPET/CT受診時の腫瘍マーカーNCC-ST439は「57」、、、、ちょっとハラハラドキドキものでした。
※分子標的薬「ベージニオ」についての詳しい経緯は、以下をご参照ください。
分子標的薬「ベージニオ」の日々 ①これまでの経緯と始めることになった訳(nya.2546)
分子標的薬「ベージニオ」の日々 ②副作用 下痢と浮腫みの狭間で右往左往する (nya.2553)
分子標的薬「ベージニオ」の日々 ③-1副作用 貧血と脱毛が進行 貧血「6」で輸血って?(nya.2560)
分子標的薬「ベージニオ」の日々 ③-2副作用 貧血と脱毛が進行 ウィッグを格安でGET (nya.2567)
もう少し詳しく分子標的薬「ベージニオ」投薬後の変遷を説明すると、分子標的薬「ベージニオ」の投薬前の数値は、
●2023年5月 腫瘍マーカーCA15-3(基準値25.0以下)11.5、腫瘍マーカーNCC-ST439(基準値4.5未満)120、ヘモグロビン(基準値11.3-15.2)13.2
(→分子標的薬「ベージニオ」をフェソロデックスと併用する形で服用を開始)
でした。
投薬開始後は、腫瘍マーカーNCC-ST439の数値は順調に下降したのですが、水下痢やら脱毛やら貧血やら様々な副作用の紆余曲折を経て
●2023年9月 腫瘍マーカーNCC-ST439(基準値4.5未満)26、ヘモグロビン(基準値11.3-15.2)8.0
となり、「腫瘍マーカーはOKだけど、貧血がシャレにならない」ことになったため、投薬開始時の分子標的薬「ベージニオ」を1日300mgから、1日200mgへ減薬して「様子見」することになりました。
何しろ、ヘモグロビン(基準値11.3-15.2)が「6.0」にまで落ちると、「入院して輸血」ものらしいのです。(ガクブル)
結果、腫瘍マーカーNCC-ST439(基準値4.5未満)の数値は、緩やかに上昇基調へ転じたものの、貧血の数値は改善されました。
そしてPET/CTを受診した2024年2月の数値は、
●2024年2月 腫瘍マーカーCA15-3(基準値25.0以下)18.9、腫瘍マーカーNCC-ST439(基準値4.5未満)57、ヘモグロビン(基準値11.3-15.2)10.3
、、、正直なところ、「どう転んでいてもおかしくない、南無南無」と思っていたのです。
、、、で、結果報告です。
【所見】
・左乳癌加療中。左乳癌に明らかな異常集積はありません。
・右第6肋骨、第11、12胸椎、右腸骨の骨転移の集積は亢進しています。
・その他、転移を疑う異常集積は指摘できません。
【診断】
右第6肋骨、第11、12胸椎、右腸骨の骨転移への集積悪化
ふぅぅぅぅぅ、セェーーーーーフ。
怖れていた【がん転移が再燃】はありませんでした。(万歳x3)
まぁ、診断に「右第6肋骨、第11、12胸椎、右腸骨の骨転移への集積悪化」と書かれていて、これほど喜ぶのは、私くらいのものでしょう。(笑)
やっぱり、どんな経験も無駄ではないというのは本当です。
私の場合、10年前のがん告知を受けた時に見せられたPET/CTの画像が、骨転移無数、リンパ節転移無数の全身多発骨転移で、数を数える気力も湧かないほどの「真っ黒」なものだったので、PET/CT画像に映るがん転移が「数えられる」範囲で、増えていなかったのなら上出来だと思って「安心」してしまうのです。ははははは。
10年前は「あ、こりゃ死ぬな」と思った私が、10年後は「お、こりゃまだいけるな」と思っているのですから、本当に僥倖に恵まれた果報者です。合掌。
ちなみに、昨年(2023年3月)のPET/CTの結果は、以下の通りです。
【所見】
・左乳癌加療中。左乳癌に明らかな異常集積はありません。
・右第6肋骨、第12胸椎の骨転移の集積は亢進しています。その他骨転移への集積亢進はありません。
・その他、転移を疑う異常集積は指摘できません。
【診断】
右第6肋骨、第12胸椎の骨転移への集積悪化
、、、ほぼ同じです。
つまり昨年の「微妙な現状維持」から今年の「ちょいワルの現状維持」へ、マイナーチェンジしたわけですが、「ちょいワル」とした理由は、今年は分子標的薬「ベージニオ」の投薬を開始するという新手のカードを切ったにもかかわらず、完全にはがん細胞の活性化をコントロールは昨年と同等にしか出来ていないことが判明したためです。
私のような乳がんステージ4で、がんが全身転移している場合、PET/CTの画像に映るがん転移がすべてではないという「前提」があります。
PET/CTは決してすべてのがんを100%発見できる機器ではなく、 黒点として映るがん転移の大きさは最小で0.5cmほどとされています。
つまり、それよりも小さながん転移は「あるけれど映らない」のであって、それらの増減は「神のみぞ知る」であり、腫瘍マーカーの数値の上下動に一喜一憂するのはそのためです。
「骨転移への集積悪化」という診断がある以上、「あるけれど映らない」小さながん転移も「集積悪化」していて、このまま抑制が出来ない状態が続けば、PET/CTに「映る」がん転移に成長すると思わなくてはいけません。
さてさて、さてさて、以上のことを踏まえて、私と主治医は今後の治療について「長考」を始めました。
主治医は、一旦「軽い」抗がん剤で、がん細胞の活性化を抑制し、効果が現れて安定したら分子標的薬「ベージニオ」に戻してはどうかと言います。
「軽い」抗がん剤なので、脱毛は進むものの副作用はほとんどないのだそうです。
私は、2014年の治療開始当初から抗がん剤は使いたくないと思い、主治医にもそう伝えていますし、もし使うとしても、新しい手札は出来るだけ温存したいので、減薬している分子標的薬「ベージニオ」を元の300mgへ戻してはどうかと提案しました。
というのも、2023年5月の投薬開始と同時に処方された下痢止め(ロペラミド塩酸塩カプセル1mg)が一向に効かなかったのに対し、2023年12月から変更した下痢止め(タンニン酸アルブミン「VTRS」原末3g)はとても良く効いて、悩まされていた水下痢の回数が覿面減っていたのです。
貧血数値の悪化のため、しぶしぶ減薬した分子標的薬「ベージニオ」ですが、水下痢の頻度が減って体力の低下に歯止めがかかった今なら、減薬を止めて元に戻したとしても、以前のように貧血の数値が悪化しないのではないかと思いました。
そして、元の量の分子標的薬「ベージニオ」300mgは、腫瘍マーカーNCC-ST439(基準値4.5未満)の数値を「30」以下に抑制出来ていたのですから、減薬を中止して「様子見」してもいいのではないかと主張しました。
もちろん、私は当事者として、経験を踏まえた「提案」するだけで、最終判断は「餅は餅屋」、主治医の指示に従います。
看護師さんに「ふるゆらさんは病気のことをよく勉強して、先生と話し合いが出来るのだから大したもの」と褒めてもらうことがあるのですが、私的には、注文住宅を建築家へ依頼したとして、「その後は全部お任せします」という勇気が私にはなく、自分の希望が反映されたものになっているかを確認できる程度の知識を得ていなければ、不安でしょうがないと思っているだけなのです。(笑)
主治医「むむむ」
私 「ううう~ん」
主治医「まぁ、それでもいいか、じゃ、それでいってみようか」
私 「はい、様子見で」
私の意見が採用されました。
今現在は、分子標的薬「ベージニオ」を250mgに増量して、腫瘍マーカーNCC-ST439(基準値4.5未満)と貧血の数値の変化を観察し、貧血の急激な悪化がなければ300mgに復帰しようとしています。
私のがん細胞は「とても大人しく素直」な性格なので、これまでの経験上、薬を変えれば素直に反応しますし、病状も「急変」はしないと考えられます。
出来るだけ長く、のらりくらりと「現状維持」を続けている間に、日進月歩の薬剤開発によって、より副作用のない、より良く効く薬をGETする、私の作戦は首尾一貫コレです。
診察室を出る前に、ふと思いついて主治医に尋ねました。
私 「私のように、抗がん剤も手術もなしでサバイブしている方は、他にもおられるんですか?」
主治医「ああ、私が担当している中では他にいなくて、ふるゆらさんが最長」
相変わらず私の主治医は「変人」、鳥人間コンテストの出場者じゃないんだから「最長」って、、、そんな言い方はしないでしょ、普通、と心の中で罵倒したものの、そこはもう10年もこの「変人」と付き合ってきたのです、「そうですか、ありがとうございました。」とにっこり笑って、診察室を後にしました。(笑)
ともあれ、今年の「通知表」も及第点をもらいました。
めでたく「11年目」に進級できました。
追伸、今日のブログにアップしたのは、10年前、がんの検査を受け、がん告知を受け、PET/CTを受け、乳がんステージ4だと知り、「この山の木々が一斉に芽吹く頃、私はどうなっているんだろう」と思って眺めたのと同じ季節の山の木々です。
裸木の山の木々が、私の心象風景と相俟って、寂しさが胸に迫りました。
あれから10年、毎年同じ季節の風景を目にしますが、春夏秋冬の四季の移ろいを追いかけられる自分であることに感謝せずにはいられません。
(おしまい)
ふるゆらさん、11年目突入おめでとうございます!
いつも読み逃げしていてすみません。
でもお陰でリンパ転移多数の私でも、
「再発せずに10年は逃げ切れそうだし(根拠ナシ)、再発しても11年は逃げ切れるな。」
と将来の希望がもてます。
いつもありがとうございます。
進行の緩やかな小葉がんで良かったと、私も普通なら喜ばない内容で喜んでしまいます♪
うちの病院は何人か先生がいるのですが、中には治療にしか興味のない変人医者がいて、
「◯◯(私の名前)さんは再発率高いので〜」
とさらっと言われるとドキッとします。
気持ち分かります。
でも最長は素晴らしいです!
私はこれからもギネス並みの記録更新を期待しております。
褒め言葉になってなかったらごめんなさいm(_ _)m
私にとってふるゆらさんは希望の光です。
いつも節目にコメントをくださりありがとうございます、グランディさん。
グランディさんもご健勝なご様子、まずは、お互いの無事を祝い合えることが何よりも嬉しいです。
「根拠のない自信」いいじゃないですか、私たちのような境遇のものこそが「根拠のない自信」を持たなくてどーする、と思っていますよ。(笑)
「おもしろきこともなき世をおもしろく、すみなすものは心なりけり」です。
自分の力ではどうにもならないことを悶々と見つめて過ごすより、膨らみ始めた桜の蕾を見上げながら「よし、来年の桜も見られるな」と笑う方が楽しいに決まってます。
これまで通り、大いに生きている「今」を楽しみましょう♪
これからも、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。合掌。
返信ありがとうございます♪
根拠はないけど何となく「大丈夫」と思えること、大事ですよね。
こっちはこれから桜なので、見方が変わりそうです^ ^
1つ報告を言い忘れました。
私も去年の末から保護猫を飼いました!
子猫ではなく6歳の黒猫♀です。
私も手術して6年目なので、その頃生まれたことに今気が付きました^^;
この数字と黒を逆にして名前は「禄(ろく)」です。
元の名前で呼びたかったのですが、個人情報とのことで教えられないとか…(衝撃)
大人猫なので私との信頼関係がなく、外に出したらさようなら〜となるのが目に見えるので(泣)、風太君のように散歩はできませんが、撫でろと毎日すり寄ってくるので、撫でるのが癒しです。
長くなり申し訳ありません。
これからも美しい日本の風景と猫の写真を楽しみにしています。
あらら、黒猫の禄ちゃんですか、いい子に出会えて良かったですね。
猫と暮らしていて良かったなぁと思うのは、毎日ささいなハプニングがあって笑っていることです。
ハハハ、プププ、ガハハ、クスクス、ニマニマ
自分に寄り添っている小さな命が、私の心を温めるという大きな仕事をしてくれているんだなぁと思います。
グランディさんは禄ちゃんと、私は愛猫風太と、心ポカポカの日々を楽しみましょう♪
ふるゆらさん、進級おめでとうございます。私もふるゆらさんに、万歳✖3です。私の場合は、がんの手術後転院して、今の病院の主治医とは3か月に一度薬をもらって年に1度、検査して、不調があればほかの科を紹介してもらう、きりばりの通院が数年続いています。だから、ふるゆらさんが詳細に自分のデーターを把握していらっしゃるのには脱帽です。私の主治医は、今度、別の医師に代わるそうなので、これを機に私も心を入れ替えてがんに向き合わなければと。これも、ふるゆらさんのブログのおかげです。気合を入れてもらった感じです。皆で、最高学年まで進級しましょうね。
絵里さん、(万歳x3)ありがとうございます。
そうですか、絵里さんは3ヶ月に一度の通院なんですね。
それくらい安定しているということですね。
私が自分のデータを把握しているのは、「変人主治医」はすぐに新しい治療法へ誘導しようとするので、それにウマウマと乗せられないようにするためです。
つまり、あんまり、信用していないと。(笑)
私の体という「家」の再建をするのに、専門家の医者に発注しましたが、施主は私で医者は施工者、「ムチャぶりじゃない限り、施主(発注者)の意向が優先に決まってるっしょ」と思っていますよ。
で、単に迷惑なクレーマー扱いにならないために、データを把握しておくのが上策、とまぁこんな具合です。
現状で、絵里さんが不安を感じなければOKですが、クライアントの要望に応えるのが「取引の基本」ですからね、ガンバです。
節目の検査の結果を拝見する度にドキドキしてきた私も、おもわず万歳✖️3をしてしまいました。
その昔、ステージ4で骨転移無数というのがスタートだったのですから、今回の通知表も立派なものだと思います。
治療薬は日進月歩ですから、この調子でお互いにマイペースで地球での旅を続けましょう。
ありがとうございます、金太郎さん、(万歳x3)してくださって。(笑)
私も、上出来上出来と我が身を褒めています。
相変わらずの変人主治医が「最長」と不謹慎なワードをのたまった時(嘆息)、胸が締め付けられるような思いに囚われました。
ブログ本文に書くには生々しくて避けたのですが、「そうか、やはり、それほど厳しく険しい、少しバランスが崩れたら転落する道を私は歩んでいるのか」と、思いました。
「私だけではなく、他にも並走している方が何人もいて欲しかった」と、ヒヤリとした孤独感に胸を突かれる思いでした。
だからこそ、ブログにコメントを寄せてくださる同病の方々の存在が有難いです。
「私一人ではない」と思えて心強いのです。
金太郎さん、ありがとうございます。
これからも互いにそれぞれの風景を眺めながら「地球滞在型リゾート」を楽しみつつ、お互いの無事を喜び合いましょう♪
>>>>>そうでしたか、自分の中の癌との闘いですね
体調は本人がよくわかるし医師も体調との兼ね合いは言ってもらったほうが
いいでしょうね。
兎に角嫌な体調変化は解消しているようですから、良かった、よかった!
今日の山の風景、そうでしたね。
もう枝が、微かに薄桃色になっている様に見えますから
満開の風景楽しみです。確か、お部屋からの風景だったかな。
sizuさん、ありがとうございます。
菜種梅雨とはこのことか、と言うくらい雨催いの日が続きますが、そんな中でも木の芽は膨らみ、春の花は咲き始めています。
ほんとうに、四季の巡りというものは優しい約束です。
薬を変更して、恐れていたほどの不具合も出ず、いたってのほほんと暮らしておりますのでご安心ください。
気温の変化が激しい折柄、sizuさんもなにとぞご自愛ください。