令和6年 明けましておめでとうございます。 (nya.2619)

仲冬の夜明け

新年あけましておめでとうございます。 (2024年元旦)

新( あらた)しき 年の初めの 初春(はつはる)の 今日降る雪の いやしけ吉事(よごと)

まったく雪が降りそうにない暖かな元旦となりましたが、新年を迎えるにあたって、これほど私の心情にぴたりと寄り添う歌は他になく、今年もこの歌から始めさせていただきました。

人の喜怒哀楽をのせて詠まれた約4500首の歌が集められた『万葉集』全20巻の最後を飾るこの歌は、新年を迎えた今日、今日降っている雪のごとく吉事(よごと)がたくさん重なりますようにと祈る心を詠んだものです。

雪の一片(ひとひら)一片を 繰り返される日常のささやかな幸せと重ね合わせて、雪降る曇り空を見上げられるような、そんな柔らかな心を抱いて令和6年を過ごせますようにとしみじみ願います。

皆様の令和6年もまた、吉事(よごと)が数多く重なる一年となることをお祈りいたします。

仲冬の夜明け

新年に際しても、特にこれといった目標もなく、「今年も風太と田舎の自然の中を四季を愛でながらポテポテ歩けたらいいな」くらいの希望しか見当たらない、まだまだプータロー生活を送る気満々の私ですが、今年が2024年ということは、2014年3月にがん告知を受け、左乳房の浸潤性小葉癌でステージ4と診断されてから10年目ということになります。

皆様をはじめ、天地人の恵みを頂戴した結果です、本当にありがとうございます。

なにごとの おはしますかは 知らねども かたじけなさに 涙こぼるる

この歌もまた、私が折に触れて引用するものですが、私の心情を表すものとして、これ以上ぴたりと当てはまるものを他に知りません。

仲冬の夜明け

ステージ4と診断された私が「普通の暮らし」を続けられる体調のまま、10年もサバイブ出来ているという信じがたい現実を思う度、心に去来するのは「なぜ?私のような者にこんなことが起きたのでしょう、、、もったいないことです」が半分、あとの半分は「びっくりなんですけど」です。

私自身のことについて言えばそれがすべてなのですが、私ががん告知を受けた10年前から、ずっと寄り添って私の心を暖め続けてくれている「運命の相方・愛猫風太」のことを思うと、「ありがとうございます。ありがとうございます。」と、五体投地して額を地面に擦りつけたいくらい感謝の気持ちでいっぱいになります。

多発骨転移でステージ4の私の方が、先にこの世を卒業することになることを重々承知した上で、私の我がままで貰い受けた子猫の風太。

これほど長く時を過ごせるなんて、望外の喜びですし、「かたじけない」としか言いようがありません。

仲冬の夜明け

2013年11月に生まれた風太は、去年の11月で10才になりました。

猫の10才は、人間の年齢に換算すると「56才」とのことです。

・・・なんとまぁ、風太と私は今、「同い年」です。

このことを知った時、私の心の中で喜びがはじけました。

ここ数年で、こんなに嬉しいことは記憶にないくらい、、、私にとっては、スキップしたくなる類いの喜びです。

仲冬の夜明け

風太と出会った時から、常にあった「私がこの世を卒業した後の風太」という申し訳なさと怯えが、「同い年」になった途端、雲散霧消しました。

ここからは「イーブン」、お互いにマッチポイントを握り合いながらタイブレークに突入です。(笑)

私が先になっても、後になっても、風太が先になっても、後になっても、いつか訪れる「ノーサイド」まで恨みっこなし、日々を一瞬一瞬を愛おしみながら楽しむのみと、潔く思えるようになりました。

「相方」と思える相手に出会えた幸運に感謝するばかりです。

仲冬の夜明け

令和6年、2024年、この喜びを抱いて、変わり映えしないようで時々刻々と四季の移ろいで変化する、田舎の自然の中を風太とポテポテ歩こうと思います。

ステージ4の乳がん患者の私と、猫エイズキャリアの風太、どちらも56才、人生は有限だと感じながら、生きている「今」を楽しむのに、これほどピッタリな「ギリギリ・コンビ」はありません。(笑)

「運命の相方・愛猫風太」となら「今年もきっと楽しいぞ」と思える、令和6年の元旦です。

(おしまい)

仲冬の夜明け

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令和6年 明けましておめでとうございます。 (nya.2619)” に対して4件のコメントがあります。

  1. ちゅん より:

    あけてました おめでとうございます
    ギリギリコンビに加えて下さい~
    当たり前に明日が来ると思うな 当たり前に来年が来ると思うな
    そう思いながら私もとうとう10年目ってことですね~ それもS42生の同い年
    こんなビンゴがあるでしょうか!? あるんですね~ それがっ 笑

    昨年9月に91歳の伯母が肺癌末期 余命2~3ヶ月 正月は来ない と告知を受け
    余裕でお正月来ちゃったね~と笑い合ったお正月でした
    お医者さんはプロなのでしょうが三大治療をしない場合の人の寿命はホントに神のみぞ知る 
    って感じですねw
    伯母もガンが原因か老衰が原因か どっちが先か 
    やっと やっと 本当にやっとお迎えが来ると喜んだのは ぬか喜びだったわ
    と 私と同じく独女の伯母のコメントには苦笑しました

    いずれ今回の旅は終わりは迎えますが それまで皆でこの旅を味わい尽くしましょうね♪
    せっかく地球に来たのだから!(^^)/

    ではでは。本年もブログ楽しみにしています♪

    1. ふるゆら より:

      ちゅんさん、明けましておめでとうございます。

      本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

      重ねて、サバイブ10年、おめでとうございます!

      これからも楽しく元気にサバイブして、「こんなケースもあるのか、、、全然闘病していない」と、周囲の首を傾げさせ続けましょうね♪(笑)

      猫エイズキャリアの風太も「そんなん知らんがな」と、楽しげに野山を巡回していますし、ちゅんさんと風太と私で「そんなん知らんがな・ギリギリトリオ」ですね。(笑)

      思いがけず、この星に長く留まれていることに乾杯♪

  2. 絵里 より:

    ふるゆらさん、風太くん、明けましておめでとうございます。いつまでも、どこまでも、2人の幸せな時が続きますように。

    1. ふるゆら より:

      絵里さん、明けましておめでとうございます。

      今年もよろしくお願いします。

      風太と私は、今年もまた「にゃははははーーー♪♪♪」と笑って、四季の巡りの中で「今」を楽しみながら散歩を続けます。

      絵里さんも、ぴーこ達と「ぴゃぴゃぴゃぴゃぴゃ♪♪♪」と笑いながら、一年をお過ごしください。

      笑門来福でいきましょう♪

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